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【使徒】②

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 俺が物陰に隠れた後、激しい戦いが展開された。

 リウの魔法が飛び交う中、クラウニーが大剣を振るいケロ次郎が素手による攻撃と魔法で援護する。

 それをフラスが光弾と短剣で打ち払うと言う激戦を垣間見たが実に凄まじい。

 俺の目には殆ど映らないほどの高速バトルが繰り広げられている。

 俺にできることと言えばリウを応援する事くらいだ。

 えっ!? 俺も戦えって!? ご冗談を...。

 俺は戦闘に関してはクソ雑魚なので戦う訳にはいかない。

 恐らく俺が前に出ると一瞬で殺される...。

 分かっているんだ...。

 と全くかっこよくない言葉を並べながら固唾をのんで戦闘を見守る。

 勝負が動いたのはその後だった!

「きゃっ!」

 クラウニーが力負けをして尻餅をついた!

「隙あり!」

 転んだ彼女に止めを刺そうと短剣を振りかざすフラス。

 白髪の髪が揺れ動きながら、クラウニーの体を突き刺した!!!

「クラウニー!!!」

 俺がそう叫んだ瞬間!

「なっ!? 短剣が刺さって抜けない!?」

 と言う声が聞こえた。

 よくみるとクラウニーの体がボロボロになっていき、アンデットの姿が現れた!

「かかりましたね! 私の得意技【アンデットの身代わり】です!」

 どうやら自分に似たアンデットを作り出す魔法のようだ。

 それを使って敵を欺くとはやるなクラウニー。

「ぐっ!」

 そうとう力を入れていたのか、アンデットに刺さった短剣がなかなか取れない様子。

「今こそ攻撃の時! 【8天勇者】フラス! 覚悟!」

 とどめとばかりに大剣を振るい落とす!

「決まった!」

 そう俺が思った瞬間だった。

 ひゅん!

「えっ...?」

 短剣が1人でに動き出し、クラウニーの腹部に突き刺さるのでした。
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