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獣王の娘

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 ~ドレイク城・修練場~

 ここはドレイク城の中に備え付けられている修練場。

 今ここで獣王の娘であるラセルとミルティの練習試合が行われていた。

「行くよ! ラセル!」

「はい。ミルティさん」

 獣王の娘という割には礼儀正しいよなラセルって。

 俺はそう思いながら彼女のバトルスタイルを確認する。

 基本的には親と同じくパワーでごり押す感じだ。

 俺はラダーンを討伐した際に手に入れた彼の特大剣を蜜香に頼んでラセル用に改良して渡している。

 流石にラダーンが使っていた時よりは小さくなったが、それでも大剣と呼べるそれは通常の剣に比べるとかなり大きい。

 圧倒的なリーチと破壊力でミルティを近づけさせないラセル。

「やるな。小さくなったダラーンみたいだ」

「父上にずっとしごかれてましたから。甘く見られては困ります!」

「なら、3遠距離攻撃はどうかな?」

 ミルティはそう言いながら炎の魔法を投げつけた。

「その手は読んでいます!」

 するとラセルは力を込めて魔法の詠唱に割り込む力場を生み出す!

 どうやら彼女達ダラーン一族は力を全力で込める事で相手の詠唱に割り込む事ができるスキルを持っているらしい。

(凄く便利なスキルだよな)

 ダラーンほど強力になれば結美の攻撃魔法にすら割り込めるのだと先の戦いで知ってからはこのスキルの価値がどれだけの物か理解できる。

 現に今もミルティの魔法を発動前にかき消したからな。

「げっ...! やっぱそのスキル強すぎない?」

「使える技は使いますよ。それが戦場という物です」

 小さいながらもハッキリと物を言う彼女の視線は鋭利な刃のように鋭いのだった。
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