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せっかくきたから...

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「ねぇカズ君、せっかく東京にきたんだから帰りに東京ネッズミーランドに行こうよ!」

 と結美が言い出した所から今回の話が始まる。

(ネッズミーランドは東京にはないぞと言いたいが、マジレスはやめておこう)

 そんなこんなで彼女の傷が治った頃には森虎の奴に操られていた連中も正気を取り戻し始めていた。

 それで母さんに電話したのだが、ちゃんと真菜の事を覚えていてくれて心底ホッとしている。

 取り敢えず今やるべきことは終わり少しくらい楽しんでも良いかなとようやく思えるようになったのだ。

「じゃあ行くか」

「やった! カズ君大好き!」

 結美は流石の回復力ですぐさま回復して俺とのデートを楽しむことだけを望んでいた。

 ~ネッズミーランド~

 チケットは1人8000円程度となかなかのお値段だが皆の希望の国だからしかたないな。

 俺たちはあの戦いで生き残った『ボードゲーマーズ』全員も招待してネッズミーランドに入場した。

 俺からすれば金と欲望の国だが、あまり声には出さないでおこう。

 何より結美が楽しんでくれればそれで良いじゃないか。

 俺は楽しそうにしている結美の笑顔を見てそう思うのだった。
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