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金と欲望の国

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 俺は入場してまずジュースの値段を見た。

(うへっ! やっぱ高いな...)

 でもまあ...一応ラベルがキャラ仕様になっているからまあ仕方ないか...。

 少し不満に思いながらもガコンと自販機から水を買っていると...。

「カズ君! 一緒に色々見て回ろうよ!」

 と力強い声と共に彼女は俺の手を握る。

「おいっ! 病み上がりの体で無茶するなよな!」

 と俺の声も無視するかのように走り出す彼女。

「私ね! カズ君と遊園地に来るのが夢だったんだ! だから今日は目一杯遊んじゃうよ!!!」

 高校生なのにまるで小学生みたいにはしゃぎやがって...。

 まあ、そんな彼女も可愛いんだがな...。

「分かったわかった。今日は最後まで付き合ってやるから沢山遊ぶぞ」

(幸いにも金はあるしな。これが高校生初期の時代だったら入場料だけでひ~ひ~言ってたわ)

 そう思うと俺も金持ちになったんだなと思ってしまう。

 8000円と言う明らかに高い金額のチケット代もまあそんなもんかと思えるようになったしな。

 しかし、ここからだった。

 この遊園地がなぜ金と欲望の国とネットで言われているのかを実感するのにそう時間はかからないのだった。
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