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【支配の帝王】②

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 少しだけ優勢になった私はすぐさま次の攻撃を繰り出した。

「【幻影剣+300】スキルチェイン【幻影乱舞+300】スキルチェイン【幻影悪剣+300】!!!」

 初めて使うスキルのはずなのに使い方がスムーズに頭の中に出てくる。

 この幻影剣というのは相手の影を利用して奇襲を仕掛ける動きを制限する影の剣を出現させるスキルだ。

 その影の剣に触れると自身の体が地面に縫い付けられたかのように動けなくなる。

 そして幻影乱舞はそれがヒットした相手の全身にも同様の効果のある剣を突き刺し続ける動き封じのスキルである。

 この二つのスキルでガッチリと動きを止めた後に役に立つのがこの幻影悪剣だ。

 上記二つはダメージのない動き封じの剣だが、下記一つのみはダメージのある動き封じの剣を生成する【弱体術師】の反則技だ。

 基本的に相手にダメージを与えるスキルや魔法を覚えない【弱体術師】が攻撃できる数少ないスキルの一つである。

 ...あれ? なんで私【弱体術師】の魔法やスキルにこんなに詳しいの?

 そう、【弱体術師】はカズ君のはずだ。

 なのに私はそれらの技を彼よりも遥かに高い練度で使いこなしている。

(...なんで?)

 そう疑問に思いながらも私は【幻影悪剣】による追加ダメージを与え続けるのだった。
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