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【支配の帝王】

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帝王...? 私が?」

「帝王の称号はただの称号ではない。私が認めたのだからそれは深い意味を持つ」

 などと目の前の少女は語るがよくわからない。

 私からすればただの称号だが、彼女的には深い意味があるらしい。

 大体称号が役に立つ時なんてあるのだろうか? 私の経験上称号が役に立った時などないのだから...。

(まあ...いいや...)

 私は愛する人を守る為に杖を振りかざす。

「...私に刃向かおうと言うの?」

「...カズ君を守るためなら、私は神にだって対抗するつもりだよ」

 早速新しく覚えた特技を使わせてもらおうか。

「【凍てつく闇の波動】【真・闇の波動零式】【ナーフスペル+300】』

 私の杖から凄まじい魔法力が四散し、奴の体に降り注いだ。

「...なるほど、私の【大帝の衣】を剥がしたのか。でもそれだけではな」

 彼女が何を言っているのか理解できなが、少しは優勢になったのだろうと思う。

 そして続け様に魔法を放つ。

「【速度弱体化・極大+300】!!」

「ぐっ!? 私にデバフが通用しただと...? まさか先ほどの2種の波動で状態異常耐性を下げられたのか?」

 私の攻撃が僅かに効いたのか、彼女は少しだけ面を食らっている様子だった。
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