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断章
侍女ミネットの心情
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カルサティ侯爵家で侍女として働くミネット・ティエリは、侯爵令嬢ベルティーユ・ガスタルディほど才色兼備で人徳がありラルジュ王国王妃にふさわしい淑女を知らない。
臆面もなく「うちのお嬢様は世界一」と誰彼かまわず吹聴できるほど侯爵令嬢を敬愛している。
幼い頃より王妃候補として期待され、周囲の期待に応えるべく勉学に励んできた侯爵令嬢の努力を、ミネットはずっとそばで見続けてきた。
侯爵令嬢の教育係に選ばれた家庭教師たちの中には、令嬢を厳しく指導することが自分の使命だと勘違いしている者もいれば、女に小難しい授業をしても理解できるはずがないから適当にしようとする者もおり、侯爵令嬢の才能を見抜けず教育者としての資質を疑うような者もいたが、そんな家庭教師たちに対しても平等に接する令嬢をミネットは尊敬していた。
そして、そんな家庭教師たちの振る舞いを侯爵に逐一報告するのが、ミネットの役目だった。
「旦那様。あの語学の教師は、お嬢様に挨拶以上の言葉を教えようとしていません」
「旦那様。あの声楽の教師は、お嬢様に最新の流行歌だと言って下町で流行っている下品な歌を教えています」
「旦那様。あの舞踏の教師は、お嬢様と一緒に踊る際に不必要にべたべたお嬢様に触っています」
ミネットの報告によって失職した教師たちの数は両手の指よりも多い。
ときとして家庭教師たちはミネットの存在を疎んじた。
「旦那様。あの歴史の教師は、あたしが勉強部屋の隅に立っているとお嬢様の気が散ると言ってあたしを追い出しました。勉強にかこつけてお嬢様とふたりきりになろうとするなんて、間違いなくよからぬことを考えています!」
娘を国王妃にするために国内外から優秀な家庭教師を探し出しては高額な報酬で雇っていた侯爵は、ミネットが教師たちの行状を報告するたび、新しい家庭教師探しに奔走した。
ミネットは、侯爵令嬢が他の貴族令嬢たちよりも群を抜いて王妃候補にふさわしい人物であるように、陰ながら支えていた。
だから、国王が他国の王女を妃として迎えると聞いたときは、侯爵令嬢以上に嘆き悲しんだ。
戦争のせいだから仕方がないとか、お嬢様に問題があるわけではないとか、使用人仲間たちは憤るミネットをなんとか慰めようとしたが、彼女の耳には届かなかった。
その侯爵令嬢がダンビエール公爵の求婚を受け入れたときは、正直落胆したものだ。
それが国王の愛妾になるための布石の結婚だとしても、侯爵令嬢が王妃になる道は閉ざされたという現実を見せつけられるようで、ミネットは夜になると部屋で声を殺して連日のように泣いた。
カルサティ侯爵家で乳母を務めていた母を、幼い頃のミネットは嫌っていた。
家族全員が毎日衣食住に困らないのは、侯爵家で働いている母のおかげであることは知っていたが、滅多に母は家に帰ってこない上、貴族の子供の面倒は見るのに、自分が産んだ子供の面倒はまったく見ない酷い母親だと思っていた。
父親は大工をしていたけれど、腕は悪かった。よく怪我をしては、仕事を休んでいた。
母が住み込みの仕事をしなければならないのは父の稼ぎが少ないからだとはわかっていたが、母に代わって家事や幼い弟妹の世話をしなければならないミネットはいつも母を恨んでいた。
母が世話をしているという貴族の娘を妬んでいた。
そんなミネットが母に連れられてカルサティ侯爵邸に入ったのは、八つのときだった。
お嬢様の遊び相手として、雇われたのだ。
「あなたがミネットね。わたしはベルよ。なかよくしましょうね」
初めて会った侯爵令嬢は、ミネットがそれまで想像していたような子供ではなく、天使だった。
緩やかに波打つ亜麻色の髪と、長い睫に彩られ大きく輝く紺碧の瞳、白磁のように白くなめらかな肌。そして、鈴を転がすように美しい声。
弾けるような笑顔でミネットの手を掴んで「お庭へいきましょう」と誘われた瞬間、母を自分たちから奪った子供だという意識がすべて吹っ飛んだ。
白い子供服に身を包み、繻子のリボンを髪に結んで微笑む令嬢は、ミネットがこれまで出会った誰よりも美しかった。
「は、い。よろしくおねがいします」
この天使の世話をするために母は家に帰ってこないのだと知った瞬間、ミネットは納得し、母を許した。
自分の子供とは比べものにならないくらい美しく、聡明で、愛らしいこの天使の世話を任されるほど名誉なことはない。
侯爵令嬢に魅了されたミネットは、母親以上に仕事に没頭した。
ダンビエール公爵オリヴィエール・デュフィはミネットの中で警戒すべき独身貴族のひとりだった。
侯爵子息であるシルヴェストルの親友を自称しているが、侯爵家を訪ねてきたときはいつも子息よりも侯爵令嬢とばかり喋っていた。
まだ前ダンビエール公爵が健在だった頃、いずれはダンビエール公爵位を継ぐ青年であるということはミネットも聞いていたが、当時から王妃候補である侯爵令嬢にやたらと馴れ馴れしい男として警戒していた。
使用人たちの情報網を利用して調べた限りでは、オリヴィエール・デュフィには浮いた噂のひとつもなく、秘密の恋人もいる気配は見つけられなかった。
侯爵家を訪れる際はいつも侯爵令嬢への土産を携えていた。
それは花であったり流行りの菓子だったりしたが、「親友の妹は僕にとっても妹のようなものだから」と嘯くオリヴィエール・デュフィの本心を、ミネットは正しく見抜いていた。
それでも、侯爵令嬢が王妃候補に名を連ねている間は、オリヴィエール・デュフィは侯爵令嬢に対して「兄のような存在」であることを貫いていたから、黙認していた。
まさか、国王が他国の王女との婚約を正式に発表したその日に、待ち構えていたように侯爵令嬢に求婚するとは、さすがにミネットも想像していなかった。なにしろ彼女は、ダンビエール公爵のように国王とロザージュ王国王女との婚姻が内々に進められているとは知るよしもなかったのだ。
(あたしのお嬢様は公爵夫人で終わるような方ではないわ)
侯爵令嬢が国王の妾妃を目指すためにダンビエール公爵と結婚するという計画は悪くはないと思った。しかし、妾妃は王妃ではない。公爵夫人以上にはなれないのだ。
公爵は物わかりの良さそうな顔をして侯爵令嬢の愛妾計画を受け入れていたが、腹の中ではなにを考えているのかわかったものではない。
(あの公爵はとんだ食わせ物だわ。お嬢様を騙す、詐欺師だわ)
数年後、公爵がすんなりと侯爵令嬢を国王に妾妃として差し出す気があるとは思えなかった。
しかも、カルサティ侯爵から密か婚約の許しを得た途端、やたらと侯爵令嬢に馴れ馴れしく振る舞うようになった。
それがまたミネットには腹立たしい。
まだ世間には婚約を発表する前から、すっかり婚約者気取りなのだ。
しかも、ミネットが見ていないところで公爵は侯爵令嬢に不埒な振る舞いをしているふしがあるのだ。
婚約が決まっただけだというのに、ふたりきりで散歩をするなど言語道断だとミネットが注意した際、侯爵令嬢は頬を赤らめて黙り込んだ。その様子から、ふたりの間になにかよからぬことがあったことは明白だった。
(お嬢様から目を離さないようにしなければ!)
前ダンビエール公爵の喪が明けて間もなく、ダンビエール公爵とカルサティ侯爵令嬢の婚約は公表された。
正式に婚約すると、ダンビエール公爵はすぐに大きな青玉を填めこんだ婚約指輪を侯爵令嬢に贈った。
さらに侯爵令嬢の十八歳の誕生日に、ダンビエール公爵は紅玉と翡翠、琥珀などを散りばめた見事な首飾りを贈った。
贅の限りを尽くして婚約者を着飾らせようという魂胆か、とミネットは忌ま忌ましく思った。
(お嬢様は宝石など身につけなくても美しい方なんだから!)
これだから貴族の男は、と使用人部屋でミネットが憤っていると、同室の侯爵夫人の侍女が呆れ返った。
「ミネット。あなた、そんなにダンビエール公爵を敵視してどうするの。来週には嫁がれるお嬢様と一緒に公爵家へ行くんでしょう?」
「お嬢様をあの公爵の好きにはさせないわ!」
「お嬢様の旦那様になられる方だから、お嬢様を好きになさるんじゃないかしら」
「誰がそんなことさせるもんですか!」
「つまり、公爵のすべてが気にくわないってことね」
「当然よ!」
鼻息荒くミネットが宣言すると、相手はお手上げだと言わんばかりに肩をすくめた。
ダンビエール公爵とカルサティ侯爵令嬢の結婚式は、数日後に迫っていた。
臆面もなく「うちのお嬢様は世界一」と誰彼かまわず吹聴できるほど侯爵令嬢を敬愛している。
幼い頃より王妃候補として期待され、周囲の期待に応えるべく勉学に励んできた侯爵令嬢の努力を、ミネットはずっとそばで見続けてきた。
侯爵令嬢の教育係に選ばれた家庭教師たちの中には、令嬢を厳しく指導することが自分の使命だと勘違いしている者もいれば、女に小難しい授業をしても理解できるはずがないから適当にしようとする者もおり、侯爵令嬢の才能を見抜けず教育者としての資質を疑うような者もいたが、そんな家庭教師たちに対しても平等に接する令嬢をミネットは尊敬していた。
そして、そんな家庭教師たちの振る舞いを侯爵に逐一報告するのが、ミネットの役目だった。
「旦那様。あの語学の教師は、お嬢様に挨拶以上の言葉を教えようとしていません」
「旦那様。あの声楽の教師は、お嬢様に最新の流行歌だと言って下町で流行っている下品な歌を教えています」
「旦那様。あの舞踏の教師は、お嬢様と一緒に踊る際に不必要にべたべたお嬢様に触っています」
ミネットの報告によって失職した教師たちの数は両手の指よりも多い。
ときとして家庭教師たちはミネットの存在を疎んじた。
「旦那様。あの歴史の教師は、あたしが勉強部屋の隅に立っているとお嬢様の気が散ると言ってあたしを追い出しました。勉強にかこつけてお嬢様とふたりきりになろうとするなんて、間違いなくよからぬことを考えています!」
娘を国王妃にするために国内外から優秀な家庭教師を探し出しては高額な報酬で雇っていた侯爵は、ミネットが教師たちの行状を報告するたび、新しい家庭教師探しに奔走した。
ミネットは、侯爵令嬢が他の貴族令嬢たちよりも群を抜いて王妃候補にふさわしい人物であるように、陰ながら支えていた。
だから、国王が他国の王女を妃として迎えると聞いたときは、侯爵令嬢以上に嘆き悲しんだ。
戦争のせいだから仕方がないとか、お嬢様に問題があるわけではないとか、使用人仲間たちは憤るミネットをなんとか慰めようとしたが、彼女の耳には届かなかった。
その侯爵令嬢がダンビエール公爵の求婚を受け入れたときは、正直落胆したものだ。
それが国王の愛妾になるための布石の結婚だとしても、侯爵令嬢が王妃になる道は閉ざされたという現実を見せつけられるようで、ミネットは夜になると部屋で声を殺して連日のように泣いた。
カルサティ侯爵家で乳母を務めていた母を、幼い頃のミネットは嫌っていた。
家族全員が毎日衣食住に困らないのは、侯爵家で働いている母のおかげであることは知っていたが、滅多に母は家に帰ってこない上、貴族の子供の面倒は見るのに、自分が産んだ子供の面倒はまったく見ない酷い母親だと思っていた。
父親は大工をしていたけれど、腕は悪かった。よく怪我をしては、仕事を休んでいた。
母が住み込みの仕事をしなければならないのは父の稼ぎが少ないからだとはわかっていたが、母に代わって家事や幼い弟妹の世話をしなければならないミネットはいつも母を恨んでいた。
母が世話をしているという貴族の娘を妬んでいた。
そんなミネットが母に連れられてカルサティ侯爵邸に入ったのは、八つのときだった。
お嬢様の遊び相手として、雇われたのだ。
「あなたがミネットね。わたしはベルよ。なかよくしましょうね」
初めて会った侯爵令嬢は、ミネットがそれまで想像していたような子供ではなく、天使だった。
緩やかに波打つ亜麻色の髪と、長い睫に彩られ大きく輝く紺碧の瞳、白磁のように白くなめらかな肌。そして、鈴を転がすように美しい声。
弾けるような笑顔でミネットの手を掴んで「お庭へいきましょう」と誘われた瞬間、母を自分たちから奪った子供だという意識がすべて吹っ飛んだ。
白い子供服に身を包み、繻子のリボンを髪に結んで微笑む令嬢は、ミネットがこれまで出会った誰よりも美しかった。
「は、い。よろしくおねがいします」
この天使の世話をするために母は家に帰ってこないのだと知った瞬間、ミネットは納得し、母を許した。
自分の子供とは比べものにならないくらい美しく、聡明で、愛らしいこの天使の世話を任されるほど名誉なことはない。
侯爵令嬢に魅了されたミネットは、母親以上に仕事に没頭した。
ダンビエール公爵オリヴィエール・デュフィはミネットの中で警戒すべき独身貴族のひとりだった。
侯爵子息であるシルヴェストルの親友を自称しているが、侯爵家を訪ねてきたときはいつも子息よりも侯爵令嬢とばかり喋っていた。
まだ前ダンビエール公爵が健在だった頃、いずれはダンビエール公爵位を継ぐ青年であるということはミネットも聞いていたが、当時から王妃候補である侯爵令嬢にやたらと馴れ馴れしい男として警戒していた。
使用人たちの情報網を利用して調べた限りでは、オリヴィエール・デュフィには浮いた噂のひとつもなく、秘密の恋人もいる気配は見つけられなかった。
侯爵家を訪れる際はいつも侯爵令嬢への土産を携えていた。
それは花であったり流行りの菓子だったりしたが、「親友の妹は僕にとっても妹のようなものだから」と嘯くオリヴィエール・デュフィの本心を、ミネットは正しく見抜いていた。
それでも、侯爵令嬢が王妃候補に名を連ねている間は、オリヴィエール・デュフィは侯爵令嬢に対して「兄のような存在」であることを貫いていたから、黙認していた。
まさか、国王が他国の王女との婚約を正式に発表したその日に、待ち構えていたように侯爵令嬢に求婚するとは、さすがにミネットも想像していなかった。なにしろ彼女は、ダンビエール公爵のように国王とロザージュ王国王女との婚姻が内々に進められているとは知るよしもなかったのだ。
(あたしのお嬢様は公爵夫人で終わるような方ではないわ)
侯爵令嬢が国王の妾妃を目指すためにダンビエール公爵と結婚するという計画は悪くはないと思った。しかし、妾妃は王妃ではない。公爵夫人以上にはなれないのだ。
公爵は物わかりの良さそうな顔をして侯爵令嬢の愛妾計画を受け入れていたが、腹の中ではなにを考えているのかわかったものではない。
(あの公爵はとんだ食わせ物だわ。お嬢様を騙す、詐欺師だわ)
数年後、公爵がすんなりと侯爵令嬢を国王に妾妃として差し出す気があるとは思えなかった。
しかも、カルサティ侯爵から密か婚約の許しを得た途端、やたらと侯爵令嬢に馴れ馴れしく振る舞うようになった。
それがまたミネットには腹立たしい。
まだ世間には婚約を発表する前から、すっかり婚約者気取りなのだ。
しかも、ミネットが見ていないところで公爵は侯爵令嬢に不埒な振る舞いをしているふしがあるのだ。
婚約が決まっただけだというのに、ふたりきりで散歩をするなど言語道断だとミネットが注意した際、侯爵令嬢は頬を赤らめて黙り込んだ。その様子から、ふたりの間になにかよからぬことがあったことは明白だった。
(お嬢様から目を離さないようにしなければ!)
前ダンビエール公爵の喪が明けて間もなく、ダンビエール公爵とカルサティ侯爵令嬢の婚約は公表された。
正式に婚約すると、ダンビエール公爵はすぐに大きな青玉を填めこんだ婚約指輪を侯爵令嬢に贈った。
さらに侯爵令嬢の十八歳の誕生日に、ダンビエール公爵は紅玉と翡翠、琥珀などを散りばめた見事な首飾りを贈った。
贅の限りを尽くして婚約者を着飾らせようという魂胆か、とミネットは忌ま忌ましく思った。
(お嬢様は宝石など身につけなくても美しい方なんだから!)
これだから貴族の男は、と使用人部屋でミネットが憤っていると、同室の侯爵夫人の侍女が呆れ返った。
「ミネット。あなた、そんなにダンビエール公爵を敵視してどうするの。来週には嫁がれるお嬢様と一緒に公爵家へ行くんでしょう?」
「お嬢様をあの公爵の好きにはさせないわ!」
「お嬢様の旦那様になられる方だから、お嬢様を好きになさるんじゃないかしら」
「誰がそんなことさせるもんですか!」
「つまり、公爵のすべてが気にくわないってことね」
「当然よ!」
鼻息荒くミネットが宣言すると、相手はお手上げだと言わんばかりに肩をすくめた。
ダンビエール公爵とカルサティ侯爵令嬢の結婚式は、数日後に迫っていた。
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