公爵夫人は国王陛下の愛妾を目指す

友鳥ことり

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第四章 公爵と侯爵令嬢の結婚

3 小夜啼鳥

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 下着も脱がされると、ベルティーユの両胸があらわになった。

「み、見ないで」

 羞恥心のあまりベルティーユは相手の視線から逃げようとしたが、オリヴィエールは片方の胸をそっと手で包むと、もう片方の乳房を口に含んだ。

「あっ……ん」

 初めての刺激にベルティーユは喘ぐ。
 触れられているのは胸なのに、なぜか下腹部が熱く感じる。足のつけ根辺りもおかしい。
 自分の身体にどんな変化が起きているのか、自分自身でもよくわからず、戸惑っていた。

「あぁ、美しい声だ。もっと啼いてくれないか?」

 愉悦に満ちた顔でオリヴィエールは呟くと、舌先で乳首を舐める。温かい唾液が乳房を濡らす。
 その眼差しは愛欲に満ちていて、ベルティーユは初めて見るオリヴィエールの態度に恐れを感じた。
 花嫁の身体がさらに緊張で強張るのに気付いたオリヴィエールは、すぐさまベルティーユを優しく抱きしめる。

「恐がらないで。これは、結婚した夫婦の誰もがすることだから」
「……そうなの?」

 怯えた声音でベルティーユが訊ねると、さらにオリヴィエールがやさしく言葉を紡ぐ。

「ゆっくりと呼吸してごらん。気持ちが楽になるから」

 落ち着いた声音でオリヴィエールは囁いたが、その半分もベルティーユの耳には届いていなかった。
 薄暗い寝台の上ではなにが起きているのかよくわからず、初めて肌に触れる相手の逞しい身体と熱が彼女を翻弄していた。
 しかも、ベルティーユの胸に触れていた片手は彼女の素肌の感触を楽しむように腹部を撫でながら、手は足のつけ根まで滑り落ち、股の間に指が入り込んでいく。
 慌ててベルティーユは足を閉じようとするが、相手の片足が彼女の両足の間に割り込んできた。
 オリヴィエールの長く太い指の先がするりとベルティーユの秘所を撫でる。
 途端に、びくっと身体を震わせたベルティーユは、触れられている部分がじんわりと熱くなり、濡れるのを感じた。

「だ……だめ……」

 なんとか身体をよじって相手の手からのがれようとするが、身悶えする暇もなく指はまだ誰も侵入したことがないところへと差し込まれた。
 ベルティーユの心臓は早鐘を打ち始め、呼吸が荒くなる。
 指が中で動く刺激で、奥が濡れていくのが感じられた。
 目眩でくらくらした。
 挿入された指がいつのまにか二本になっていることに、ベルティーユが気付く余裕はなかった。

「もう、いいだろうか?」

 ベルティーユに訊ねているのか、オリヴィエールが自身に確認しているのかわからないような声を発し、彼はさらに妻の両足を大きく押し広げた。

「んっ……んんっ!」

 指が抜かれた次の瞬間には股の間に信じられないくらい熱い切っ先が押し当てられたかと思うと、身体を引き裂くような勢いで太く固い棒がゆっくりと侵入してきた。
 頭の中がちかちかするほどの衝撃だった。
 荒い呼吸を繰り返して、オリヴィエールは徐々にベルティーユの奥へと入っていった。
 彼女が痛みを覚えて小さな悲鳴を上げるたび、一度は動きを止めるが、すぐにまた身体を動かす。
 それをなんどか繰り返すうち、彼は最奥まで辿り着いた。
 指で慣らされた中が濡れているとはいえ、太く固いものに無理矢理押し広げられた状態で、ベルティーユは息も絶え絶えだった。
 さらにオリヴィエールが腰を前後に動かし始めたときは、苦しいのか痛いのかきついのかよくわからない状態だった。

「は……あっ!」

 ベルティーユの髪に顔を埋めるようにして、身体を震わせたオリヴィエールが獣のような呻き声を上げた瞬間、熱い飛沫が身体の奥に注ぎ込まれたのを感じた。
 それがいったいなんなのか、この行為にどんな意味や目的があるのか、ベルティーユには考える余裕などなかった。
 ただ、さきほどまで固かったものが力を失い、ゆっくりと引き抜かれるのを感じると、この一連の行為がひとまず終わったようだということだけはわかった。

 その後のことは、ベルティーユはまったく記憶していない。
 疲労と緊張とわけがわからない状況による混乱で、ベルティーユはもうろうとする意識を手放したのだった。
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