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第六章 公爵夫妻の蜜月
2 伯爵夫人による教示
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最初の訪問先であるケリング卿の城館に到着したのは、その日の夕刻のことだった。
「まぁ! ベル! どうして予定より一日遅れたの?」
城館に着くなり、ケリング卿夫人より先にラクロワ伯爵夫人アレクサンドリーネ・マルが飛んできて訊ねた。
「ごめんなさい。途中でわたしの調子が悪くなってしまって、宿で一日休んでいたの。でも、もうすっかり元気になったわ」
「そうだったのね。慣れない長旅で疲れたのね」
ケリング卿夫人が口を挟む隙を与えず、アレクサンドリーネはさっさと結論付けるとベルティーユが遅れた理由についてはそれ以上話題にしなかった。
ケリング卿の城館は、ラクロワ伯爵夫妻の他に、何組かの貴族が招待され滞在していた。
その中でも一番注目されたのはやはり新婚旅行中であるダンビエール公爵夫妻だ。
晩餐の間中、あちらこちらからダンビエール公爵夫人となったばかりのベルティーユにさまざまな質問が投げかけられた。
なぜ王妃の座を諦めて公爵の求婚を受け入れたのか、旅を楽しんでいるか、などに対して、ベルティーユは笑顔で当たり障りのない返事をし続けた。
「晩餐の間はろくに食事をする暇もなく喋らされたから疲れたでしょう、ベル」
皆が部屋に下がった後、ラクロワ伯爵夫妻の部屋を訪ねたベルティーユをアレクサンドリーネが労った。
ラクロワ伯爵は遊戯室で撞球に興じているらしく、まだしばらくは戻ってこないだろうとアレクサンドリーネは告げた。
「そこそこ食べることはできたわ。晩餐会で隙を狙って素早く食べるのは得意なの」
「さすがは元王妃候補だけあるわね」
「だって、食べなければお腹が空いてしまうじゃないの」
行儀悪くならない範囲で早く食べる作法はベルティーユの得意技だ。
晩餐や茶会で話題が尽きないように話をする方法、その場にいる人々といない人々に失礼にならないような話題選び、いかにさりげなく出席者の服装や装飾品を褒めるか、招待してくれた屋敷の主の城や調度品などをほどよく褒める方法などは、王妃候補でなくても社交界でそつなく振る舞うためには必須の会話術だ。
それらを駆使して、ベルティーユはダンビエール公爵夫人となった自分を上手に売り込んだ。
冬になって王都に戻った頃には、ケリング卿夫妻を初めとしてこの城館に集まった人々が、ダンビエール公爵夫人についての良い評判を広めてくれていることだろう。
もちろんそのために、ベルティーユはケリング卿夫妻や他の招待客たちにたくさんの土産物を配っている。
ラクロワ伯爵夫妻にももちろん渡したが、大仰ではないていどの土産物を配ることは貴族の付き合いの中では重要だ。
「さすがは生粋の貴族令嬢ね。そういうところはあたくし、これからますますあなたに教わらなければならないわね」
アレクサンドリーネはベルティーユが配った土産の箱を開けながら微笑む。
箱の中身はダンビエール公爵家の領地で作られた林檎酒だ。
ケリング卿の城館を訪問することが決まった際に、オリヴィエールが手配をして取り寄せたものだった。
「そういえばアレクサンドリーネ。あなた、ディスに新婚激甘夫婦の心得の書き付けを渡してくれていたでしょう?」
「あぁ! あれね。ちゃんとあなたの手に渡ったのね。良かったわ」
「えぇ、受け取ったわ。それで、あなたに相談したかったの」
「相談?」
椅子に座って紅茶を飲んでいたベルティーユは、ずいっとアレクサンドリーネに躙り寄った。
「わたし、ちゃんと新婚激甘夫婦として振る舞えているかしら? あなたからの書き付けをなんども読み返しているけれど、まだまだ『激甘』とはほど遠いような気がするのよ。でも、どんな風にすれば『激甘』になれるのかがよくわからないわ」
「それはつまり、実践する気があるってことね?」
「あるわ。だって、新婚激甘夫婦として振る舞う必要があるんですもの」
「必要?」
「えっと、例えば、わたしが本当に陛下の妃になるのを諦めたということを世間の人に知ってもらうというか、ちゃんとオリヴィエールと夫婦らしく見えるようになりたいというか」
ベルティーユがしどろもどろで答えると、アレクサンドリーネは「ふうん」と目を細めながら口元に手を当てた。
「新婚らしく見せるなら、とにかくべったりくっついているべきね。明日の朝、庭を散歩する際に腕を組んで身体をぴったりと密着させて歩いてみなさいな。そうすれば、誰もが『新婚夫婦の頃は確かにあんな感じでいちゃいちゃしてたな』って思うものだから」
「……それって、歩きにくくないかしら?」
「別に散歩が目的ではなくて、新婚でべたべたしているところを見せびらかすのが目的なんだから良いのよ。あとは、ちょっと木陰で口づけをしてみるとか」
「……それはちょっと……恥ずかしいわ……」
「新婚夫婦の辞書に『恥ずかしい』なんて言葉はないものよ!」
ぴしゃりとアレクサンドリーネは言い切った。
「あと、夜も新婚らしく仲良くすること」
「仲良く?」
「少々激しすぎて部屋の外に声が漏れても『新婚夫婦の頃は確かにあんな感じで激しくあんあんしてたな』って思うものだから」
「……そ、そうかしら?」
「別に夜に限らず、昼間に楽しんでもいいのよ。庭の奥の四阿でしばらくふたりで楽しんでいるのを遠目に見かけても『新婚夫婦の頃は確かにあんな感じで昼夜を問わず盛ってたな』って思うだけだから」
「み、皆さん、そんな新婚生活を送っているもの……なの?」
「あたくしはそうだったわよ。釣った魚を飼うには餌が必要だもの。適度な刺激を夫に与えてあたくしの虜にするには、新婚生活も重要よ」
「そ、そういうものかしら――」
アレクサンドリーネはラクロワ伯爵と結婚するため、あの手この手を使い貴族の養女にもなり、結婚後も夫の周囲に他の女を寄せ付けないために様々な手練手管を使っているという。
その努力のほどはベルティーユもすこしだけ聞きかじっていた。
「あたくしが思うに、ベルが誘えばいつでもあの公爵は応じるはずよ。ただし、一回で終わらない覚悟はしておいた方がいいでしょうね」
「い、一回って、なにが?」
「もちろん、睦み合いが、よ。あたくしの見立てでは、あの公爵は最初こそ猫をかぶって子犬がじゃれるようにあなたに優しくするでしょうけれど、すぐに狼になるわよ」
「お、狼?」
「あたくしの夫のように歳を重ねるとそこそこ落ち着くものだけれど、あの公爵は血気盛んって感じですもの。昼間はお上品に振る舞っているからといって、閨でも同じだと思わないことね。あ、これをあなたにあげるわ。活力が出る薬草茶よ。あなたが飲みなさいね。間違っても公爵に飲ませたら、精力剤になってしまって大変なことになるから」
まくし立てるように一気に喋ったアレクサンドリーネは、ベルティーユに袋入りの茶葉を渡すとぽんと肩を叩いた。
「頑張るのよ、ダンビエール公爵夫人」
(――いま、わたしはなにについて応援されているのかしら)
頭の中がいっぱいになるのを自分でも感じながら、ベルティーユはラクロワ伯爵夫妻の部屋を後にした。
「まぁ! ベル! どうして予定より一日遅れたの?」
城館に着くなり、ケリング卿夫人より先にラクロワ伯爵夫人アレクサンドリーネ・マルが飛んできて訊ねた。
「ごめんなさい。途中でわたしの調子が悪くなってしまって、宿で一日休んでいたの。でも、もうすっかり元気になったわ」
「そうだったのね。慣れない長旅で疲れたのね」
ケリング卿夫人が口を挟む隙を与えず、アレクサンドリーネはさっさと結論付けるとベルティーユが遅れた理由についてはそれ以上話題にしなかった。
ケリング卿の城館は、ラクロワ伯爵夫妻の他に、何組かの貴族が招待され滞在していた。
その中でも一番注目されたのはやはり新婚旅行中であるダンビエール公爵夫妻だ。
晩餐の間中、あちらこちらからダンビエール公爵夫人となったばかりのベルティーユにさまざまな質問が投げかけられた。
なぜ王妃の座を諦めて公爵の求婚を受け入れたのか、旅を楽しんでいるか、などに対して、ベルティーユは笑顔で当たり障りのない返事をし続けた。
「晩餐の間はろくに食事をする暇もなく喋らされたから疲れたでしょう、ベル」
皆が部屋に下がった後、ラクロワ伯爵夫妻の部屋を訪ねたベルティーユをアレクサンドリーネが労った。
ラクロワ伯爵は遊戯室で撞球に興じているらしく、まだしばらくは戻ってこないだろうとアレクサンドリーネは告げた。
「そこそこ食べることはできたわ。晩餐会で隙を狙って素早く食べるのは得意なの」
「さすがは元王妃候補だけあるわね」
「だって、食べなければお腹が空いてしまうじゃないの」
行儀悪くならない範囲で早く食べる作法はベルティーユの得意技だ。
晩餐や茶会で話題が尽きないように話をする方法、その場にいる人々といない人々に失礼にならないような話題選び、いかにさりげなく出席者の服装や装飾品を褒めるか、招待してくれた屋敷の主の城や調度品などをほどよく褒める方法などは、王妃候補でなくても社交界でそつなく振る舞うためには必須の会話術だ。
それらを駆使して、ベルティーユはダンビエール公爵夫人となった自分を上手に売り込んだ。
冬になって王都に戻った頃には、ケリング卿夫妻を初めとしてこの城館に集まった人々が、ダンビエール公爵夫人についての良い評判を広めてくれていることだろう。
もちろんそのために、ベルティーユはケリング卿夫妻や他の招待客たちにたくさんの土産物を配っている。
ラクロワ伯爵夫妻にももちろん渡したが、大仰ではないていどの土産物を配ることは貴族の付き合いの中では重要だ。
「さすがは生粋の貴族令嬢ね。そういうところはあたくし、これからますますあなたに教わらなければならないわね」
アレクサンドリーネはベルティーユが配った土産の箱を開けながら微笑む。
箱の中身はダンビエール公爵家の領地で作られた林檎酒だ。
ケリング卿の城館を訪問することが決まった際に、オリヴィエールが手配をして取り寄せたものだった。
「そういえばアレクサンドリーネ。あなた、ディスに新婚激甘夫婦の心得の書き付けを渡してくれていたでしょう?」
「あぁ! あれね。ちゃんとあなたの手に渡ったのね。良かったわ」
「えぇ、受け取ったわ。それで、あなたに相談したかったの」
「相談?」
椅子に座って紅茶を飲んでいたベルティーユは、ずいっとアレクサンドリーネに躙り寄った。
「わたし、ちゃんと新婚激甘夫婦として振る舞えているかしら? あなたからの書き付けをなんども読み返しているけれど、まだまだ『激甘』とはほど遠いような気がするのよ。でも、どんな風にすれば『激甘』になれるのかがよくわからないわ」
「それはつまり、実践する気があるってことね?」
「あるわ。だって、新婚激甘夫婦として振る舞う必要があるんですもの」
「必要?」
「えっと、例えば、わたしが本当に陛下の妃になるのを諦めたということを世間の人に知ってもらうというか、ちゃんとオリヴィエールと夫婦らしく見えるようになりたいというか」
ベルティーユがしどろもどろで答えると、アレクサンドリーネは「ふうん」と目を細めながら口元に手を当てた。
「新婚らしく見せるなら、とにかくべったりくっついているべきね。明日の朝、庭を散歩する際に腕を組んで身体をぴったりと密着させて歩いてみなさいな。そうすれば、誰もが『新婚夫婦の頃は確かにあんな感じでいちゃいちゃしてたな』って思うものだから」
「……それって、歩きにくくないかしら?」
「別に散歩が目的ではなくて、新婚でべたべたしているところを見せびらかすのが目的なんだから良いのよ。あとは、ちょっと木陰で口づけをしてみるとか」
「……それはちょっと……恥ずかしいわ……」
「新婚夫婦の辞書に『恥ずかしい』なんて言葉はないものよ!」
ぴしゃりとアレクサンドリーネは言い切った。
「あと、夜も新婚らしく仲良くすること」
「仲良く?」
「少々激しすぎて部屋の外に声が漏れても『新婚夫婦の頃は確かにあんな感じで激しくあんあんしてたな』って思うものだから」
「……そ、そうかしら?」
「別に夜に限らず、昼間に楽しんでもいいのよ。庭の奥の四阿でしばらくふたりで楽しんでいるのを遠目に見かけても『新婚夫婦の頃は確かにあんな感じで昼夜を問わず盛ってたな』って思うだけだから」
「み、皆さん、そんな新婚生活を送っているもの……なの?」
「あたくしはそうだったわよ。釣った魚を飼うには餌が必要だもの。適度な刺激を夫に与えてあたくしの虜にするには、新婚生活も重要よ」
「そ、そういうものかしら――」
アレクサンドリーネはラクロワ伯爵と結婚するため、あの手この手を使い貴族の養女にもなり、結婚後も夫の周囲に他の女を寄せ付けないために様々な手練手管を使っているという。
その努力のほどはベルティーユもすこしだけ聞きかじっていた。
「あたくしが思うに、ベルが誘えばいつでもあの公爵は応じるはずよ。ただし、一回で終わらない覚悟はしておいた方がいいでしょうね」
「い、一回って、なにが?」
「もちろん、睦み合いが、よ。あたくしの見立てでは、あの公爵は最初こそ猫をかぶって子犬がじゃれるようにあなたに優しくするでしょうけれど、すぐに狼になるわよ」
「お、狼?」
「あたくしの夫のように歳を重ねるとそこそこ落ち着くものだけれど、あの公爵は血気盛んって感じですもの。昼間はお上品に振る舞っているからといって、閨でも同じだと思わないことね。あ、これをあなたにあげるわ。活力が出る薬草茶よ。あなたが飲みなさいね。間違っても公爵に飲ませたら、精力剤になってしまって大変なことになるから」
まくし立てるように一気に喋ったアレクサンドリーネは、ベルティーユに袋入りの茶葉を渡すとぽんと肩を叩いた。
「頑張るのよ、ダンビエール公爵夫人」
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