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第六章 公爵夫妻の蜜月
3 城館での夜 -浴室にて-
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ベルティーユがダンビエール公爵夫妻のために用意された客室に戻ると、すでにオリヴィエールは遊戯室から戻っていた。
多少疲れた表情を浮かべているのは、接待撞球で神経を磨り減らしたからだろう。
こういうものは年長者を立てることになっているので、最年少であるオリヴィエールは得意な競技であってもそこそこ手を抜くことが求められる。
「お疲れのようですね、旦那様」
「え? あ、うん。そうだね」
戻ってくるなりいつもとは違う様子のベルティーユに、オリヴィエールは調子が狂ったのか目を丸くした。
「では、お風呂に入って疲れを癒やしてくださいませ! わたしがお背中をお流ししますわ!」
「……貴女が? 一緒に入る、と?」
「はいっ!」
疲れているときは風呂に入ってゆっくり身体をほぐすのが一番だとベルティーユは考えた。
「お湯に香油を入れると、香りで気持ちが穏やかになりますし、肌にも優しいんですのよ。ミネット! わたしの荷物の中に加密列の香油があったわよね。あれを出してちょうだい」
「はい、奥様」
それから間もなく、簡素な日常着に着替えたベルティーユは笑顔で浴室にオリヴィエールを招き入れた。
琺瑯の湯船にはたっぷりの湯が注がれ、湯気が浴室に充満している。
ベルティーユが湯に入れた加密列の香油の柔らかな香りが辺りに漂っていた。
「さぁ! 旦那様。どうぞ入ってくださいませ!」
意気揚々とベルティーユは腕まくりをしながら湯船を手で示す。
「――――――はい」
すこしだけ残念そうな表情を浮かべたオリヴィエールは、部屋着を脱ぐと、湯船に入る。
侍女と家令はさっさと部屋から出て行っていた。ふたりはこの展開をほぼ正確に予想していたが、公爵夫人が疲れている夫を癒やそうとする心意気は強く感じていたので、特に止めることはしなかった。
風呂の中で公爵がのぼせやしないかだけを、家令は心配した。
「では、お身体を洗いますね」
湯気であまりよく見えないせいか、オリヴィエールが素早く湯船に入ったせいか、ベルティーユは蒸気で頬を火照らせながらもタオルを掴んで湯船に近づいた。
タオルに石鹸をつけると、ベルティーユはさっそくオリヴィエールの背中を擦り始める。人の身体を洗ったことなどないベルティーユがすると撫でるようなものだったが、オリヴィエールは気持ちよさそうに目を細めた。
「お湯加減はいかがですか? 旦那様」
「気持ち良いよ。すこしくすぐったいけど」
「そうですか! それはよろしゅうございましたわ!」
「できれば前の方も洗ってくれると嬉しいのだけど」
「まぁ、そうですね」
ベルティーユがタオルを握り直してオリヴィエールの胸を擦る。
「もうすこし、下の方も」
「あ、はい!」
快活にベルティーユが返事をして、さらに湯の中にタオルを浸けようとすると、その手首をオリヴィエールがさっと掴んだ。
「旦那様?」
「もしかして、ラクロワ伯爵夫人になにか妙な入れ知恵をされたのかな」
「入れ知恵?」
「どうも貴女らしくない」
「わたしらしくないとは?」
目を丸くしたベルティーユは鸚鵡返しに訊ねた。
湯船の中からは加密列と石鹸の香りが湯気に混じって漂っている。
灯りが乏しく薄暗い浴室では、オリヴィエールの表情がよく見えなかった。
「貴女になにか吹き込むとすれば伯爵夫人以外には考えにくいけれど……まさかあの護衛とか」
「誰がなにをわたしに吹き込んだとおっしゃるんですか?」
「おかしな『新妻の心得』みたいなものを、だよ」
「『おかしな』? なにかわたしはおかしなことをしましたか?」
軽く首を傾げ、ベルティーユはとぼける。
アレクサンドリーネやディスからの助言があったことは確かだが、それが『おかしな』ものであるという意識は彼女の中にはなかった。
とはいえ、オリヴィエールがアレクサンドリーネの助言をあまり快く思っていない様子である以上、親友からはなにも聞いていないふりをするのが得策だと考えた。
「僕をのぼせさせようって魂胆かな」
「のぼせさせる……旦那様は熱いお風呂でのぼせやすい方ですの?」
「その『旦那様』という呼び方もなんか引っ掛かるのだけど、そうではなく、貴女は僕を溺れさせてどうするつもりかってことだよ」
「溺れるほどお湯は入っていませんけど?」
浴槽の中の湯はオリヴィエールの胸の下が浸かるていどだ。
顔を沈めれば溺れることもあるだろうが、大人が簡単に溺れる深さではない。
「僕が、貴女に溺れて死にそうなんだ」
オリヴィエールは空いている片手でベルティーユの腰を掴むと、そのまま浴槽の中に引きずり込んだ。
「きゃっ」
服のまま浴槽の中に飛び込んでしまったベルティーユは、水を吸って重くなったスカートが足に絡みついてきたので焦った。
すこし冷め始めている湯はそう熱くはなかったが、狭い浴槽の中で水飛沫が顔にかかり、戸惑う。
「その様子だと、伯爵夫人は具体的な指示を出したわけでないようだね」
「だから、なんのことをおっしゃってるの!?」
服が濡れて肌に貼り付き不快だった。
ベルティーユは多少苛立ちながらオリヴィエールの腕を振り払おうとしたが、そのまま強く抱きすくめられる。
「溺れる者は藁をも掴むって言うけど、僕の場合は貴女だな」
「ちっとも溺れていらっしゃらないじゃないですか!」
ベルティーユは抗議したが、オリヴィエールは薄く微笑んだだけだった。
「溺れて息ができなくて死にそうだよ。ほら――」
片手でベルティーユの顎を掴むと、オリヴィエールは口づけた。
「ふっ……んっ」
唇に噛み付くように口づけてきたオリヴィエールは、ベルティーユの呼吸を奪うように熱い舌を差し込んできた。
さらに、浴槽の隅にベルティーユを追い込むと、胸板を押し付けて動きを奪う。
湯の中でうまく動けない彼女の下穿きをすこし手間取りながらも脱がせ、オリヴィエールは彼女の細い腰を抱き寄せた。
ベルティーユは内股にオリヴィエールの大きな手が這うの感じたが、抵抗しようにも唇は封じられ、息も絶え絶えの状態だ。
相手の太い指が秘所に触れるのを感じた途端、全身に震えが走る。
指だけではなく、固く熱いものが内股を刺激するのを感じた。
「貴女の白い肌が薔薇色に染まっているのは湯のせい? それとも、この行為のせい?」
わずかに唇を離し、オリヴィエールはベルティーユの瞳を凝視しながら訊ねる。
「本当に貴女が無意識で僕を溺れさせようとしているのだとしたら、溺れる僕は貴女を掴んで離さないから――覚悟して」
「え?」
意味がわからず問い返そうとするベルティーユの唇を再び塞ぐと、オリヴィエールの指は彼女の秘裂の中に入った。
「濡れてる、のかな。僕の方がそろそろ限界だから――」
ベルティーユの中を指で擦って刺激していたオリヴィエールは、耳たぶを軽く噛むと、舌を首筋に這わせた。
熱い舌が鎖骨から胸元へと下がったところで、オリヴィエールはそこに顔を埋めた。
同時に、ベルティーユの中から指が抜かれ、腰が湯の中でふわりと浮く。
「あ……んっ!」
ずっしりとした熱の塊が一気にベルティーユの中に押し込まれた。
目の前で火花が散り息が詰まりそうになる。
思わずオリヴィエールの頭にしがみつく。
「そんなに、締め付けない、で――」
オリヴィエールが苦しげに訴えるが、ベルティーユはどうすることもできない。
「……貴女が誰かの入れ知恵でこんな振る舞いをしているのでなければ、嬉しいのだけど」
ゆっくりとベルティーユの中を揺らしながら、オリヴィエールはそっと囁く。
それがなにを意味しているのか考えられるほどの余裕が、ベルティーユにはなかった。
多少疲れた表情を浮かべているのは、接待撞球で神経を磨り減らしたからだろう。
こういうものは年長者を立てることになっているので、最年少であるオリヴィエールは得意な競技であってもそこそこ手を抜くことが求められる。
「お疲れのようですね、旦那様」
「え? あ、うん。そうだね」
戻ってくるなりいつもとは違う様子のベルティーユに、オリヴィエールは調子が狂ったのか目を丸くした。
「では、お風呂に入って疲れを癒やしてくださいませ! わたしがお背中をお流ししますわ!」
「……貴女が? 一緒に入る、と?」
「はいっ!」
疲れているときは風呂に入ってゆっくり身体をほぐすのが一番だとベルティーユは考えた。
「お湯に香油を入れると、香りで気持ちが穏やかになりますし、肌にも優しいんですのよ。ミネット! わたしの荷物の中に加密列の香油があったわよね。あれを出してちょうだい」
「はい、奥様」
それから間もなく、簡素な日常着に着替えたベルティーユは笑顔で浴室にオリヴィエールを招き入れた。
琺瑯の湯船にはたっぷりの湯が注がれ、湯気が浴室に充満している。
ベルティーユが湯に入れた加密列の香油の柔らかな香りが辺りに漂っていた。
「さぁ! 旦那様。どうぞ入ってくださいませ!」
意気揚々とベルティーユは腕まくりをしながら湯船を手で示す。
「――――――はい」
すこしだけ残念そうな表情を浮かべたオリヴィエールは、部屋着を脱ぐと、湯船に入る。
侍女と家令はさっさと部屋から出て行っていた。ふたりはこの展開をほぼ正確に予想していたが、公爵夫人が疲れている夫を癒やそうとする心意気は強く感じていたので、特に止めることはしなかった。
風呂の中で公爵がのぼせやしないかだけを、家令は心配した。
「では、お身体を洗いますね」
湯気であまりよく見えないせいか、オリヴィエールが素早く湯船に入ったせいか、ベルティーユは蒸気で頬を火照らせながらもタオルを掴んで湯船に近づいた。
タオルに石鹸をつけると、ベルティーユはさっそくオリヴィエールの背中を擦り始める。人の身体を洗ったことなどないベルティーユがすると撫でるようなものだったが、オリヴィエールは気持ちよさそうに目を細めた。
「お湯加減はいかがですか? 旦那様」
「気持ち良いよ。すこしくすぐったいけど」
「そうですか! それはよろしゅうございましたわ!」
「できれば前の方も洗ってくれると嬉しいのだけど」
「まぁ、そうですね」
ベルティーユがタオルを握り直してオリヴィエールの胸を擦る。
「もうすこし、下の方も」
「あ、はい!」
快活にベルティーユが返事をして、さらに湯の中にタオルを浸けようとすると、その手首をオリヴィエールがさっと掴んだ。
「旦那様?」
「もしかして、ラクロワ伯爵夫人になにか妙な入れ知恵をされたのかな」
「入れ知恵?」
「どうも貴女らしくない」
「わたしらしくないとは?」
目を丸くしたベルティーユは鸚鵡返しに訊ねた。
湯船の中からは加密列と石鹸の香りが湯気に混じって漂っている。
灯りが乏しく薄暗い浴室では、オリヴィエールの表情がよく見えなかった。
「貴女になにか吹き込むとすれば伯爵夫人以外には考えにくいけれど……まさかあの護衛とか」
「誰がなにをわたしに吹き込んだとおっしゃるんですか?」
「おかしな『新妻の心得』みたいなものを、だよ」
「『おかしな』? なにかわたしはおかしなことをしましたか?」
軽く首を傾げ、ベルティーユはとぼける。
アレクサンドリーネやディスからの助言があったことは確かだが、それが『おかしな』ものであるという意識は彼女の中にはなかった。
とはいえ、オリヴィエールがアレクサンドリーネの助言をあまり快く思っていない様子である以上、親友からはなにも聞いていないふりをするのが得策だと考えた。
「僕をのぼせさせようって魂胆かな」
「のぼせさせる……旦那様は熱いお風呂でのぼせやすい方ですの?」
「その『旦那様』という呼び方もなんか引っ掛かるのだけど、そうではなく、貴女は僕を溺れさせてどうするつもりかってことだよ」
「溺れるほどお湯は入っていませんけど?」
浴槽の中の湯はオリヴィエールの胸の下が浸かるていどだ。
顔を沈めれば溺れることもあるだろうが、大人が簡単に溺れる深さではない。
「僕が、貴女に溺れて死にそうなんだ」
オリヴィエールは空いている片手でベルティーユの腰を掴むと、そのまま浴槽の中に引きずり込んだ。
「きゃっ」
服のまま浴槽の中に飛び込んでしまったベルティーユは、水を吸って重くなったスカートが足に絡みついてきたので焦った。
すこし冷め始めている湯はそう熱くはなかったが、狭い浴槽の中で水飛沫が顔にかかり、戸惑う。
「その様子だと、伯爵夫人は具体的な指示を出したわけでないようだね」
「だから、なんのことをおっしゃってるの!?」
服が濡れて肌に貼り付き不快だった。
ベルティーユは多少苛立ちながらオリヴィエールの腕を振り払おうとしたが、そのまま強く抱きすくめられる。
「溺れる者は藁をも掴むって言うけど、僕の場合は貴女だな」
「ちっとも溺れていらっしゃらないじゃないですか!」
ベルティーユは抗議したが、オリヴィエールは薄く微笑んだだけだった。
「溺れて息ができなくて死にそうだよ。ほら――」
片手でベルティーユの顎を掴むと、オリヴィエールは口づけた。
「ふっ……んっ」
唇に噛み付くように口づけてきたオリヴィエールは、ベルティーユの呼吸を奪うように熱い舌を差し込んできた。
さらに、浴槽の隅にベルティーユを追い込むと、胸板を押し付けて動きを奪う。
湯の中でうまく動けない彼女の下穿きをすこし手間取りながらも脱がせ、オリヴィエールは彼女の細い腰を抱き寄せた。
ベルティーユは内股にオリヴィエールの大きな手が這うの感じたが、抵抗しようにも唇は封じられ、息も絶え絶えの状態だ。
相手の太い指が秘所に触れるのを感じた途端、全身に震えが走る。
指だけではなく、固く熱いものが内股を刺激するのを感じた。
「貴女の白い肌が薔薇色に染まっているのは湯のせい? それとも、この行為のせい?」
わずかに唇を離し、オリヴィエールはベルティーユの瞳を凝視しながら訊ねる。
「本当に貴女が無意識で僕を溺れさせようとしているのだとしたら、溺れる僕は貴女を掴んで離さないから――覚悟して」
「え?」
意味がわからず問い返そうとするベルティーユの唇を再び塞ぐと、オリヴィエールの指は彼女の秘裂の中に入った。
「濡れてる、のかな。僕の方がそろそろ限界だから――」
ベルティーユの中を指で擦って刺激していたオリヴィエールは、耳たぶを軽く噛むと、舌を首筋に這わせた。
熱い舌が鎖骨から胸元へと下がったところで、オリヴィエールはそこに顔を埋めた。
同時に、ベルティーユの中から指が抜かれ、腰が湯の中でふわりと浮く。
「あ……んっ!」
ずっしりとした熱の塊が一気にベルティーユの中に押し込まれた。
目の前で火花が散り息が詰まりそうになる。
思わずオリヴィエールの頭にしがみつく。
「そんなに、締め付けない、で――」
オリヴィエールが苦しげに訴えるが、ベルティーユはどうすることもできない。
「……貴女が誰かの入れ知恵でこんな振る舞いをしているのでなければ、嬉しいのだけど」
ゆっくりとベルティーユの中を揺らしながら、オリヴィエールはそっと囁く。
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