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第七章 王太后の計画
4 次官の報告
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「お前が陛下と正式に婚約できなかったのは、先代と現在のダンビエール公爵が邪魔したせいだ。特に先代の公爵は、孫可愛さと儂に対する敵対心からお前が王妃に内定してもなお婚約を阻止しようとあの手この手で発表を邪魔し続け、ようやくくたばったかと思えば孫の方がお前をさっさと娶っていったのだぞ!?」
「――初めて聞きました」
「当然だ。初めて話したからな。先代の公爵は、儂が結婚するときも……」
「閣下。そろそろ閣議の時間です」
あふれ出る先代ダンビエール公爵との確執話を止めたのは、やはり次官だった。
「なに? もうそんな時刻か」
はっと我に返った宰相は、ふうっと深呼吸をひとつして、通常の宰相の顔に戻った。
「とにかく、陛下のおそばに上がることは、できるだけ公爵には黙っておくことだ。いくら隠していてもいずれ、公爵の耳に入るだろうが」
「――わかりました」
ベルティーユは伯父の忠告に対して、素直に頷いた。
黙っていればしばらくの間は王太后の計画が明るみに出ることはない、とふたりは考えていた。
「あとは、王太后様が周囲にいつまで計画を秘密裏にしておけるか、ですね」
ぼそり、と次官が呟いた。
「もっとも、公爵家の密偵がすでに王太后様の動きを嗅ぎつけているでしょうから、すぐに公爵に報告が入るでしょうが」
「公爵家の密偵!? そんなのがいるの!?」
初めて聞く存在に、ベルティーユは声を上げた。
「いますよ」
なにをいまさら、といった表情で次官はさらりと答える。
「王宮内で情報収集をしているのは閣下だけではありません。王宮内には閣下の政敵の息がかかった密偵や使用人、各国の大使と通じている官人や女官などが数多うろうろしています。ダンビエール公爵家も陛下のおそばや王太后様のおそばに仕える者を買収しているようです。さきほど公爵夫人を案内していた女官は、まさしくダンビエール公爵家と通じている者ですよ」
「あの女官は、王太后様の居室には入っていないわよ?」
「入っていなくても、壁越しでも耳を澄ませば聞こえてくるものです。王宮内で密談をするなら、筆談をお薦めいたします。閣下と私が機密事項について話をする際は、常に筆談です。とはいえ、沈黙が続いていては怪しまれるので、声に出してまったく別の話題を、例えば今年の麦の収穫量の話などをしながら、筆談では大臣の罷免について話し合うことなど日常茶飯事です」
「――器用ねぇ」
頭の中でふたつの話題を同時進行で考えながら、口と手でまったく別の会話をするなどとてもできたものではない。
思わず感心したベルティーユだったが、それどころではないことに気付いた。
「公爵家の密偵が夫に報告しないよう、買収した方が良いのかしら」
「無理でしょう。奥様の財布の中身よりも公爵の財布の中身の方が多いでしょうから」
「も、持っているわよ!? 結婚前に比べて、お小遣いは増えているわよ!?」
公爵夫人としてなにかと物入りだろうと、オリヴィエールは毎月たくさんの小遣いをくれている。
清貧だった侯爵令嬢時代の節約癖が抜けきらないこともあり、こつこつと貯めてはいるが、自由になる小遣いはたくさんある。
少なくとも、一回だけ密偵を買収するくらいならできるはずだ。
「密偵を買収しようなどと、やめておくことです。それくらいなら、公爵を言い包めてしまう方がよろしいかと」
「夫を言い包める?」
「陛下のおそばにたびたび上がられることを、公爵に邪魔されないようにするためです」
「邪魔、するかしら」
ベルティーユが首を傾げると、宰相と次官は同時に断言した。
「邪魔するだろうな」
「邪魔されますよ」
それはもう、未来を見てきたような言い方だった。
「そ、そうかしら?」
宰相とその部下の間でのダンビエール公爵に対する認識は、どうやらベルティーユのものとは大きな違いがあるらしい。
(とにかく、王宮内に公爵家の密偵がいることだけはわかったから、気をつけることにしましょう。これまで以上に迂闊なことは言わないようにしなければ)
宰相と次官の顔を見比べながら、ベルティーユは決意を固めた。
*
次官とともに宰相の執務室を出た頃には、すでに日没を過ぎていた。
大きな窓がある廊下から中庭に視線を向けると、外の篝火に照らされて地面の雪がきらきらと輝いているのが見える。
王宮に滞在している間に、かなりの雪が積もったようだ。
(この雪の中、馬車は走れるかしら)
まだ闇夜の中で雪は降り続いている。
昼間よりもかなり激しく降っているようだ。
(オリヴィエールはもう帰宅している頃かもしれないわ。彼よりも先に帰るつもりだったけど、伯父様のところで長居しすぎてしまったようね)
王太后に呼ばれて王宮に出向いたことを夫に隠すつもりはないが、茶話会に招かれたていどで誤魔化すつもりでいた。
なのに、晩餐の時刻よりも遅れて帰宅するとなると、話が盛り上がって遅くなっただけだとは言い訳しづらい。
(執事にも日没までには帰ると伝えてあったのに、遅くなってしまったわ)
行き先は伝えてあるので問題ないが、予定よりも帰りが遅いとなると心配している可能性もある。
窓の外に視線を向けたままベルティーユがぼんやりと考えていたときだった。
「おや、そこにいるのは――ダンビエール公爵夫人かな」
聞き覚えのある声が前方から投げかけられた。
天井から吊り下げられた硝子の装飾照明具の灯りがきらきらと廊下を照らすそこには、見覚えのある肖像画から抜け出てきたような人物の姿があった。
「アントワーヌ五世陛下……」
王宮内とはいえ、王とまみえる機会などそうあるものではない。
かつては王妃候補だったベルティーユも、これまでアントワーヌ五世と直接会ったのは数えるほどだったし、話をしても二言三言ていどだ。
王に謁見する貴族は毎日百人を超えているし、ベルティーユのように年に一度王に拝謁することができれば幸運だという貴族も多い。
だというのに、王が自分の顔を覚えていてくれていただけではなく、現在はダンビエール公爵夫人であることを知ってくれていたことにベルティーユは感激した。
(陛下が、わたしのことをまだ覚えていてくださったなんて……嬉しいわ……)
「久しぶりだね。元気そうでなによりだ」
「陛下こそ、ご健勝のことと存じます」
次官はさっと廊下の隅に移動し、ベルティーユはドレスの裾を優雅にさばいてお辞儀をした。
(相変わらず気高く、お優しく、爽やかな方だわ)
足早に近づいてきたアントワーヌ五世の背後には、数名の侍従が控えている。
彼らはベルティーユにちらりと視線を向けたが、特に表情を変えることはなく、必要以上に近づいてくることもなかった。
「今日はまたどうして、王宮に?」
「王太后様にお招きいただきましたので、参上した次第です。その帰りに伯父に呼ばれまして」
「母と宰相に? それはまた、大変な目に遭ったようだね」
くすっと笑うと、アントワーヌ五世は相好を崩した。
「雪が激しくなってきているから、気をつけて帰りなさい」
「はい。ありがとうございます」
紳士的な態度を崩さず、かつての王妃候補だったベルティーユにこれまでと変わらない気配りを見せたアントワーヌ五世は、「またいつでも王宮にいらっしゃい」と優しく声を掛けて去って行った。
(さすが陛下! 君主の鑑のような方だわ!)
あらゆる貴族の顔と名前を記憶し、家族や親戚に関する情報を瞬時に思い出し会話の中に差し込む芸当は、誰でもできるわけではない。
多少博愛主義精神が強く、たまに八方美人と皮肉られることもあるが、王である以上はできるだけ公平に臣民に接しようというアントワーヌ五世の姿勢をベルティーユは評価していたし、そんな王だからこそいまでも敬愛しているのだ。
(あぁ、やはりおそばでお支えできないことがすこしだけ心残りだわ。王という重責を担い、日々伯父様のような油断ならない家臣たちと丁々発止と渡り合わなければならないのに、お助けできないとは――)
アントワーヌ五世の姿が消えた廊下をじっと見つめながらベルティーユが複雑な胸中を抱えているときだった。
「ダンビエール公爵夫人」
それまで廊下の隅に控えていた次官が、そっと呼び掛けてきた。
「なにやら思いに耽っていらっしゃるご様子ではございますが、あそこの廊下の角に見える影は御夫君のものではないか、と」
「え!?」
その一言に、ベルティーユは我に返った。
「十中八九、いえ、九割九分九厘、ダンビエール公爵だと思われます」
「夫ではない一厘の可能性はあるの?」
「――失礼いたしました。御夫君で間違いありませんね」
それまで人の気配がなかった廊下の角から、ゆっくりと長身の人影が現れる。
(なんでオリヴィエールがここにいるの!? いえ、別にいてもいいのだけど! まったくやましいことはないのだけれど!!)
緋色の絨毯が敷かれた廊下を、足音を消すように歩く略装姿のダンビエール公爵オリヴィエールの表情は薄暗くてよく見えない。
なのに、ベルティーユの心中はざわついていた。
(陛下とちょっとだけお話をしたところを見られても、全然平気のはずなのに!)
近づいてきたオリヴィエールは穏やかな表情を浮かべているのに、なぜか不機嫌な気配を漂わせているように見える。
(な、なぜこの人はここにいるのかしら!?)
助けを求めるようにベルティーユが次官に眼差しを向けると、珍しく次官は緊張した面持ちでオリヴィエールを見ていた。
「……御夫君は、敵に回すと閣下よりかなり面倒ですね」
(なんであなたまで逃げ腰なのよ!?)
次官の呟きに、ベルティーユは目を見開き無言で叫んだ。
「――初めて聞きました」
「当然だ。初めて話したからな。先代の公爵は、儂が結婚するときも……」
「閣下。そろそろ閣議の時間です」
あふれ出る先代ダンビエール公爵との確執話を止めたのは、やはり次官だった。
「なに? もうそんな時刻か」
はっと我に返った宰相は、ふうっと深呼吸をひとつして、通常の宰相の顔に戻った。
「とにかく、陛下のおそばに上がることは、できるだけ公爵には黙っておくことだ。いくら隠していてもいずれ、公爵の耳に入るだろうが」
「――わかりました」
ベルティーユは伯父の忠告に対して、素直に頷いた。
黙っていればしばらくの間は王太后の計画が明るみに出ることはない、とふたりは考えていた。
「あとは、王太后様が周囲にいつまで計画を秘密裏にしておけるか、ですね」
ぼそり、と次官が呟いた。
「もっとも、公爵家の密偵がすでに王太后様の動きを嗅ぎつけているでしょうから、すぐに公爵に報告が入るでしょうが」
「公爵家の密偵!? そんなのがいるの!?」
初めて聞く存在に、ベルティーユは声を上げた。
「いますよ」
なにをいまさら、といった表情で次官はさらりと答える。
「王宮内で情報収集をしているのは閣下だけではありません。王宮内には閣下の政敵の息がかかった密偵や使用人、各国の大使と通じている官人や女官などが数多うろうろしています。ダンビエール公爵家も陛下のおそばや王太后様のおそばに仕える者を買収しているようです。さきほど公爵夫人を案内していた女官は、まさしくダンビエール公爵家と通じている者ですよ」
「あの女官は、王太后様の居室には入っていないわよ?」
「入っていなくても、壁越しでも耳を澄ませば聞こえてくるものです。王宮内で密談をするなら、筆談をお薦めいたします。閣下と私が機密事項について話をする際は、常に筆談です。とはいえ、沈黙が続いていては怪しまれるので、声に出してまったく別の話題を、例えば今年の麦の収穫量の話などをしながら、筆談では大臣の罷免について話し合うことなど日常茶飯事です」
「――器用ねぇ」
頭の中でふたつの話題を同時進行で考えながら、口と手でまったく別の会話をするなどとてもできたものではない。
思わず感心したベルティーユだったが、それどころではないことに気付いた。
「公爵家の密偵が夫に報告しないよう、買収した方が良いのかしら」
「無理でしょう。奥様の財布の中身よりも公爵の財布の中身の方が多いでしょうから」
「も、持っているわよ!? 結婚前に比べて、お小遣いは増えているわよ!?」
公爵夫人としてなにかと物入りだろうと、オリヴィエールは毎月たくさんの小遣いをくれている。
清貧だった侯爵令嬢時代の節約癖が抜けきらないこともあり、こつこつと貯めてはいるが、自由になる小遣いはたくさんある。
少なくとも、一回だけ密偵を買収するくらいならできるはずだ。
「密偵を買収しようなどと、やめておくことです。それくらいなら、公爵を言い包めてしまう方がよろしいかと」
「夫を言い包める?」
「陛下のおそばにたびたび上がられることを、公爵に邪魔されないようにするためです」
「邪魔、するかしら」
ベルティーユが首を傾げると、宰相と次官は同時に断言した。
「邪魔するだろうな」
「邪魔されますよ」
それはもう、未来を見てきたような言い方だった。
「そ、そうかしら?」
宰相とその部下の間でのダンビエール公爵に対する認識は、どうやらベルティーユのものとは大きな違いがあるらしい。
(とにかく、王宮内に公爵家の密偵がいることだけはわかったから、気をつけることにしましょう。これまで以上に迂闊なことは言わないようにしなければ)
宰相と次官の顔を見比べながら、ベルティーユは決意を固めた。
*
次官とともに宰相の執務室を出た頃には、すでに日没を過ぎていた。
大きな窓がある廊下から中庭に視線を向けると、外の篝火に照らされて地面の雪がきらきらと輝いているのが見える。
王宮に滞在している間に、かなりの雪が積もったようだ。
(この雪の中、馬車は走れるかしら)
まだ闇夜の中で雪は降り続いている。
昼間よりもかなり激しく降っているようだ。
(オリヴィエールはもう帰宅している頃かもしれないわ。彼よりも先に帰るつもりだったけど、伯父様のところで長居しすぎてしまったようね)
王太后に呼ばれて王宮に出向いたことを夫に隠すつもりはないが、茶話会に招かれたていどで誤魔化すつもりでいた。
なのに、晩餐の時刻よりも遅れて帰宅するとなると、話が盛り上がって遅くなっただけだとは言い訳しづらい。
(執事にも日没までには帰ると伝えてあったのに、遅くなってしまったわ)
行き先は伝えてあるので問題ないが、予定よりも帰りが遅いとなると心配している可能性もある。
窓の外に視線を向けたままベルティーユがぼんやりと考えていたときだった。
「おや、そこにいるのは――ダンビエール公爵夫人かな」
聞き覚えのある声が前方から投げかけられた。
天井から吊り下げられた硝子の装飾照明具の灯りがきらきらと廊下を照らすそこには、見覚えのある肖像画から抜け出てきたような人物の姿があった。
「アントワーヌ五世陛下……」
王宮内とはいえ、王とまみえる機会などそうあるものではない。
かつては王妃候補だったベルティーユも、これまでアントワーヌ五世と直接会ったのは数えるほどだったし、話をしても二言三言ていどだ。
王に謁見する貴族は毎日百人を超えているし、ベルティーユのように年に一度王に拝謁することができれば幸運だという貴族も多い。
だというのに、王が自分の顔を覚えていてくれていただけではなく、現在はダンビエール公爵夫人であることを知ってくれていたことにベルティーユは感激した。
(陛下が、わたしのことをまだ覚えていてくださったなんて……嬉しいわ……)
「久しぶりだね。元気そうでなによりだ」
「陛下こそ、ご健勝のことと存じます」
次官はさっと廊下の隅に移動し、ベルティーユはドレスの裾を優雅にさばいてお辞儀をした。
(相変わらず気高く、お優しく、爽やかな方だわ)
足早に近づいてきたアントワーヌ五世の背後には、数名の侍従が控えている。
彼らはベルティーユにちらりと視線を向けたが、特に表情を変えることはなく、必要以上に近づいてくることもなかった。
「今日はまたどうして、王宮に?」
「王太后様にお招きいただきましたので、参上した次第です。その帰りに伯父に呼ばれまして」
「母と宰相に? それはまた、大変な目に遭ったようだね」
くすっと笑うと、アントワーヌ五世は相好を崩した。
「雪が激しくなってきているから、気をつけて帰りなさい」
「はい。ありがとうございます」
紳士的な態度を崩さず、かつての王妃候補だったベルティーユにこれまでと変わらない気配りを見せたアントワーヌ五世は、「またいつでも王宮にいらっしゃい」と優しく声を掛けて去って行った。
(さすが陛下! 君主の鑑のような方だわ!)
あらゆる貴族の顔と名前を記憶し、家族や親戚に関する情報を瞬時に思い出し会話の中に差し込む芸当は、誰でもできるわけではない。
多少博愛主義精神が強く、たまに八方美人と皮肉られることもあるが、王である以上はできるだけ公平に臣民に接しようというアントワーヌ五世の姿勢をベルティーユは評価していたし、そんな王だからこそいまでも敬愛しているのだ。
(あぁ、やはりおそばでお支えできないことがすこしだけ心残りだわ。王という重責を担い、日々伯父様のような油断ならない家臣たちと丁々発止と渡り合わなければならないのに、お助けできないとは――)
アントワーヌ五世の姿が消えた廊下をじっと見つめながらベルティーユが複雑な胸中を抱えているときだった。
「ダンビエール公爵夫人」
それまで廊下の隅に控えていた次官が、そっと呼び掛けてきた。
「なにやら思いに耽っていらっしゃるご様子ではございますが、あそこの廊下の角に見える影は御夫君のものではないか、と」
「え!?」
その一言に、ベルティーユは我に返った。
「十中八九、いえ、九割九分九厘、ダンビエール公爵だと思われます」
「夫ではない一厘の可能性はあるの?」
「――失礼いたしました。御夫君で間違いありませんね」
それまで人の気配がなかった廊下の角から、ゆっくりと長身の人影が現れる。
(なんでオリヴィエールがここにいるの!? いえ、別にいてもいいのだけど! まったくやましいことはないのだけれど!!)
緋色の絨毯が敷かれた廊下を、足音を消すように歩く略装姿のダンビエール公爵オリヴィエールの表情は薄暗くてよく見えない。
なのに、ベルティーユの心中はざわついていた。
(陛下とちょっとだけお話をしたところを見られても、全然平気のはずなのに!)
近づいてきたオリヴィエールは穏やかな表情を浮かべているのに、なぜか不機嫌な気配を漂わせているように見える。
(な、なぜこの人はここにいるのかしら!?)
助けを求めるようにベルティーユが次官に眼差しを向けると、珍しく次官は緊張した面持ちでオリヴィエールを見ていた。
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