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第八章 公爵夫人の計画
7 公爵夫妻と恋愛小説
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「なにを贈れば、なにを捧げれば、なにを捨てれば、どうすれば……僕だけを見てくれる? 王妃になりたいなら、王位を簒奪して僕が王になるよ。女王になりたいなら貴女に王位を贈ろう。それで貴女が僕に恋してくれるなら、いくらでも貴女の望みをかなえるよ」
「――オリヴィエール?」
恋を囁かれているとは到底思えない言葉の数々にベルティーユが目を丸くしたときだった。
ガタンッと音を立てて、馬車が止まった。
無事、ダンビエール公爵邸に到着したらしい。
「あぁ、もう着いてしまったんだね」
妻を拘束していた腕をそっとほどくと、オリヴィエールはさきほどまでの熱っぽい睦言など忘れたような穏やかな表情で足下に落ちた妻の帽子を拾い上げた。
従者が馬車の扉を開けると、冷たい外気が中に流れ込んでくる。
ひやりとした風がベルティーユの火照った頬を冷やし、沸騰しかけた頭を落ち着かせた。
(し、心臓が破裂するかと思ったわ……)
予測不能の夫の言動に、ベルティーユはまだ混乱していた。
「ベル。さぁ、下りて」
先に馬車から下りていたオリヴィエールが、手袋をはめた手を差し出す。
その手に掴まって馬車を下りながら、さきほど聞こえた夫の言葉は幻聴だったのだろうかとベルティーユは思わずにいられなかった。
*
夫婦水入らずの晩餐は普段と変わらないものだった。
食事中のオリヴィエールとの会話は終始なごやかなものとなった。
(馬車の中のオリヴィエールの態度は、わたしをからかっただけかしら。恋愛小説で恋を知ることなんてできないって言いたかっただけなのかしら)
食後、自室に戻ったベルティーユは、入浴を済ませ、今日届いた手紙を読んで返事が必要な相手に対して手紙をしたため、公爵夫人として今夜中にすべき仕事を片付けると、兄から借りた本を手に取って長椅子に座った。
緋色と白の大輪の薔薇模様があしらわれた表紙には『麗しの花園の妖精』と題名が記されている。
妖精が女主人公と恋をするのか、女主人公が妖精なのかは題名からはわからない。
(せっかくお兄様が貸してくださったのだから、勉強になるかどうかは別として、とにかく読んでみましょう)
就寝前に軽めの内容の小説を読んでから眠るのも悪くない、と考えた。
革表紙を開き、ページをめくる。
『あぁ、愛しい僕の妖精。どうすれば貴女は僕に恋をしてくれますか?』
冒頭の一行目の文字に、ベルティーユは固まった。
『なにを贈れば、なにを捧げれば、なにを捨てれば、どうすれば……僕だけを見てくれますか?』
(これって……夕方オリヴィエールがわたしに囁いた言葉そのままじゃないの! ということは、オリヴィエールはこの本を読んだことがあって、わざとあんなことを言ったのね!)
なんてことだ、とベルティーユは勢いよく本を閉じた。
(オリヴィエールはわたしをからかったのね!)
一瞬でも彼の言動に右往左往した自分が恥ずかしくなった。
「奥様? どうなさいましたか?」
顔を真っ赤にして地団駄を踏んでいるベルティーユの様子に、ミネットは驚きながら訊ねる。
「な、なんでもないわ。ちょっと気持ちを落ち着かせるために身体を動かしていただけよ」
長椅子の上に本を放り出すと、肩で大きく息をしながらベルティーユは答える。
「そ、そうですか。お水でも召し上がりますか?」
「いただくわ!」
ミネットが運んできた水を一気に飲み干すと、ベルティーユは深呼吸を繰り返した。
水が喉を潤し、胃に流れ込むと、ようやく落ち着くことができた。
(ひとまず、この本はちゃんと読んでみましょう。その上で、実際に使えそうな台詞があったら試しにオリヴィエールに使ってみればいいんだわ)
からかわれたことに気づいた以上、なにかやり返さないことには気が済まなかった。
「奥様。他にご用事はございますか?」
「いいえ。ありがとう。もう休んでくれてかまわないわ」
ベルティーユはミネットに告げると、部屋から下がらせた。
後は眠くなるまでこの恋愛小説を読むだけだ。
物語はある貴族の屋敷に庭園に迷い込んだ青年貴族が、その庭園で出会った妖精のような令嬢に恋をし、彼女が妖精だと思い込んだ青年はなんとかして彼女が妖精の世界に帰るのを思いとどまらせようとする話だった。
なぜそういう勘違いが発生したのかは読み進んでみてもよくわからなかったが、とにかく青年が美辞麗句を並び立てて令嬢を口説くというのがこの恋愛小説の読みどころらしい。
『わたくしはあなたとは住む世界が違いますもの』
実家が没落し、遠縁の貴族の屋敷に身を寄せていた令嬢は、青年に対して冷ややかな態度を取る。本当は令嬢も青年に恋をしているが、自分は彼にふさわしくないからと身を引こうとしているのだ。その際に令嬢は、青年貴族が自分のことを妖精だと勘違いしていることを利用して彼に別れを告げようとする。
(ものすごーくお兄様好みの恋愛小説であることはわかりましたわ)
多分最後は大団円なのだろうなと思いながら読んでいると、いったんは令嬢が青年の前から姿を消してしまった。
「おや、熱心に読みふけっているようだね」
ふっとページの上に影が落ちてきたかと思うと、頭上から声が降ってきた。
「それ、面白い?」
『麗しの花園の妖精』の世界に浸っていたベルティーユは、急に現実に引き戻された。
「オリヴィエール! あなた、この本を読んだことがあったのね! だから、馬車の中であんなことをおっしゃったのね!」
部屋着姿の夫の顔を見た途端、ベルティーユはかみつかんばかりに声を上げた。
「うん、読んだことがあるよ。シルヴェストルお薦めの作品だからね。僕は小説をほとんど読まないけど、シルヴェストルに薦められた本だけは読んでみることにしているんだ。彼が薦めてくるのはいつも恋愛ものばかりだけどね」
いたずらが見つかった子供のような顔でオリヴィエールは答える。
「貴女を口説くのにどんな言葉を使ったらいいんだろうって悩むと、いつも彼が貸してくれた恋愛小説の中の台詞が脳裏に浮かんでくるんだ」
「あなた、小説は虚構世界だっておっしゃってましたよね!?」
「だから、現実世界で試してみているんだ。貴女に対してはなかなか効果的なようだから、使えそうだね」
ふふっと楽しげに笑いながら、オリヴィエールは妻の隣に座った。
そのまま妻の肩に顎を乗せると、本をのぞき込む。
「ぜひ、この勉強の成果を僕で試して欲しいな。『麗しい僕の妖精。貴女に恋をしてしまった僕はもう、貴女のいない世界では生きられない』」
「『ではわたしの世界にいらしてくださるかしら、愛しい方。あなたがご自身の世界を捨てることができたなら、わたしはあなたとともに生きることができますわ』」
「『喜んで。あなたがいる世界が僕の生きる世界なのだから』」
ベルティーユは棒読みでページの中の台詞を声に出したのに、オリヴィエールは耳元で切なげに読み上げる。
(完全にからかわれているわよね!)
楽しそうなオリヴィエールを横目に、ベルティーユは恥ずかしさのあまり身もだえしそうだった。
(これはもう絶対お兄様にはめられたわ!)
この状況は兄から借りた恋愛小説のせいなのだから、あるていど兄も予測していたのではないかと疑わずにはいられない。
(わたし、朗読係は向いていないわ)
国王の前で恋愛小説の音読をする羽目になったら、とてもまともに読めそうにないと悟った。
「――オリヴィエール?」
恋を囁かれているとは到底思えない言葉の数々にベルティーユが目を丸くしたときだった。
ガタンッと音を立てて、馬車が止まった。
無事、ダンビエール公爵邸に到着したらしい。
「あぁ、もう着いてしまったんだね」
妻を拘束していた腕をそっとほどくと、オリヴィエールはさきほどまでの熱っぽい睦言など忘れたような穏やかな表情で足下に落ちた妻の帽子を拾い上げた。
従者が馬車の扉を開けると、冷たい外気が中に流れ込んでくる。
ひやりとした風がベルティーユの火照った頬を冷やし、沸騰しかけた頭を落ち着かせた。
(し、心臓が破裂するかと思ったわ……)
予測不能の夫の言動に、ベルティーユはまだ混乱していた。
「ベル。さぁ、下りて」
先に馬車から下りていたオリヴィエールが、手袋をはめた手を差し出す。
その手に掴まって馬車を下りながら、さきほど聞こえた夫の言葉は幻聴だったのだろうかとベルティーユは思わずにいられなかった。
*
夫婦水入らずの晩餐は普段と変わらないものだった。
食事中のオリヴィエールとの会話は終始なごやかなものとなった。
(馬車の中のオリヴィエールの態度は、わたしをからかっただけかしら。恋愛小説で恋を知ることなんてできないって言いたかっただけなのかしら)
食後、自室に戻ったベルティーユは、入浴を済ませ、今日届いた手紙を読んで返事が必要な相手に対して手紙をしたため、公爵夫人として今夜中にすべき仕事を片付けると、兄から借りた本を手に取って長椅子に座った。
緋色と白の大輪の薔薇模様があしらわれた表紙には『麗しの花園の妖精』と題名が記されている。
妖精が女主人公と恋をするのか、女主人公が妖精なのかは題名からはわからない。
(せっかくお兄様が貸してくださったのだから、勉強になるかどうかは別として、とにかく読んでみましょう)
就寝前に軽めの内容の小説を読んでから眠るのも悪くない、と考えた。
革表紙を開き、ページをめくる。
『あぁ、愛しい僕の妖精。どうすれば貴女は僕に恋をしてくれますか?』
冒頭の一行目の文字に、ベルティーユは固まった。
『なにを贈れば、なにを捧げれば、なにを捨てれば、どうすれば……僕だけを見てくれますか?』
(これって……夕方オリヴィエールがわたしに囁いた言葉そのままじゃないの! ということは、オリヴィエールはこの本を読んだことがあって、わざとあんなことを言ったのね!)
なんてことだ、とベルティーユは勢いよく本を閉じた。
(オリヴィエールはわたしをからかったのね!)
一瞬でも彼の言動に右往左往した自分が恥ずかしくなった。
「奥様? どうなさいましたか?」
顔を真っ赤にして地団駄を踏んでいるベルティーユの様子に、ミネットは驚きながら訊ねる。
「な、なんでもないわ。ちょっと気持ちを落ち着かせるために身体を動かしていただけよ」
長椅子の上に本を放り出すと、肩で大きく息をしながらベルティーユは答える。
「そ、そうですか。お水でも召し上がりますか?」
「いただくわ!」
ミネットが運んできた水を一気に飲み干すと、ベルティーユは深呼吸を繰り返した。
水が喉を潤し、胃に流れ込むと、ようやく落ち着くことができた。
(ひとまず、この本はちゃんと読んでみましょう。その上で、実際に使えそうな台詞があったら試しにオリヴィエールに使ってみればいいんだわ)
からかわれたことに気づいた以上、なにかやり返さないことには気が済まなかった。
「奥様。他にご用事はございますか?」
「いいえ。ありがとう。もう休んでくれてかまわないわ」
ベルティーユはミネットに告げると、部屋から下がらせた。
後は眠くなるまでこの恋愛小説を読むだけだ。
物語はある貴族の屋敷に庭園に迷い込んだ青年貴族が、その庭園で出会った妖精のような令嬢に恋をし、彼女が妖精だと思い込んだ青年はなんとかして彼女が妖精の世界に帰るのを思いとどまらせようとする話だった。
なぜそういう勘違いが発生したのかは読み進んでみてもよくわからなかったが、とにかく青年が美辞麗句を並び立てて令嬢を口説くというのがこの恋愛小説の読みどころらしい。
『わたくしはあなたとは住む世界が違いますもの』
実家が没落し、遠縁の貴族の屋敷に身を寄せていた令嬢は、青年に対して冷ややかな態度を取る。本当は令嬢も青年に恋をしているが、自分は彼にふさわしくないからと身を引こうとしているのだ。その際に令嬢は、青年貴族が自分のことを妖精だと勘違いしていることを利用して彼に別れを告げようとする。
(ものすごーくお兄様好みの恋愛小説であることはわかりましたわ)
多分最後は大団円なのだろうなと思いながら読んでいると、いったんは令嬢が青年の前から姿を消してしまった。
「おや、熱心に読みふけっているようだね」
ふっとページの上に影が落ちてきたかと思うと、頭上から声が降ってきた。
「それ、面白い?」
『麗しの花園の妖精』の世界に浸っていたベルティーユは、急に現実に引き戻された。
「オリヴィエール! あなた、この本を読んだことがあったのね! だから、馬車の中であんなことをおっしゃったのね!」
部屋着姿の夫の顔を見た途端、ベルティーユはかみつかんばかりに声を上げた。
「うん、読んだことがあるよ。シルヴェストルお薦めの作品だからね。僕は小説をほとんど読まないけど、シルヴェストルに薦められた本だけは読んでみることにしているんだ。彼が薦めてくるのはいつも恋愛ものばかりだけどね」
いたずらが見つかった子供のような顔でオリヴィエールは答える。
「貴女を口説くのにどんな言葉を使ったらいいんだろうって悩むと、いつも彼が貸してくれた恋愛小説の中の台詞が脳裏に浮かんでくるんだ」
「あなた、小説は虚構世界だっておっしゃってましたよね!?」
「だから、現実世界で試してみているんだ。貴女に対してはなかなか効果的なようだから、使えそうだね」
ふふっと楽しげに笑いながら、オリヴィエールは妻の隣に座った。
そのまま妻の肩に顎を乗せると、本をのぞき込む。
「ぜひ、この勉強の成果を僕で試して欲しいな。『麗しい僕の妖精。貴女に恋をしてしまった僕はもう、貴女のいない世界では生きられない』」
「『ではわたしの世界にいらしてくださるかしら、愛しい方。あなたがご自身の世界を捨てることができたなら、わたしはあなたとともに生きることができますわ』」
「『喜んで。あなたがいる世界が僕の生きる世界なのだから』」
ベルティーユは棒読みでページの中の台詞を声に出したのに、オリヴィエールは耳元で切なげに読み上げる。
(完全にからかわれているわよね!)
楽しそうなオリヴィエールを横目に、ベルティーユは恥ずかしさのあまり身もだえしそうだった。
(これはもう絶対お兄様にはめられたわ!)
この状況は兄から借りた恋愛小説のせいなのだから、あるていど兄も予測していたのではないかと疑わずにはいられない。
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