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第九章 宮廷の陰謀と公爵夫人の計謀
1 公爵夫人の報告
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「なるほどねぇ。ついに公爵は告白してしまったわけねぇ」
ラクロワ伯爵夫人アレクサンドリーネがケラケラと甲高い笑い声を上げる。
「ついに? ついにってどういうこと!?」
紅茶を飲みかけていたベルティーユは茶器を円卓の上に戻すと、親友の顔を凝視した。
「あれほどの美貌と資産と地位を持っているがダンビエール公爵が、いつまで経ってもどこぞのご令嬢と婚約どころか恋人のひとりも作らないのは初恋に執着しているせいだってことは、知る人ぞ知る公然の秘密だったのよ。前のダンビエール公爵はなんどか他のご令嬢との結婚を勧めたのだけれど、独身を貫くと決意を固めた孫の気持ちは変えることができず、孫の初恋が実らないのは宰相のせいだと逆恨みして宰相の政敵になったという噂までまことしやかに流れたくらいよ」
笑いすぎてまなじりからこぼれだした出した涙を指先で拭いながら、アレクサンドリーネは答える。
「なにそれ!? そんな話、初めて聞いたわ!」
「そりゃ、誰もあなたの耳に入れたりしなかったからでしょう。王妃候補として勉学に励んでいるあなたに聞かせる話ではないもの。前のダンビエール公爵だって、遠回しに陛下とあなたの婚約を阻止しようと画策はしていたけれど、あなたに直接なにか手を出すことはしなかったようだし、宰相もあなたにそんな噂を知らせるわけがないものね」
熟した林檎のように真っ赤になっているベルティーユの顔を見ながら、アレクサンドリーネは楽しげに語る。
オリヴィエールから「僕に恋をして欲しい」と切望された二日後、ベルティーユはラクロワ伯爵邸を訪問した。
夫からの思ってもみなかった告白にどう返事をすれば良いかわからず、親友に助言を求めることにしたのだ。
「陛下がロザージュ王国の王女様と婚約発表した途端にダンビエール公爵があなたに求婚したと聞いたときは、世間の誰も驚きはしなかったはずよ。どちらかといえば、すぐに結婚せず先代の喪が明けるまで待ったことの方に驚いた人の方が多いんじゃないかしら?」
「身内の喪が明けるまで待つのは普通じゃないの!」
「それが普通だと思ったのはあなたくらいよ、ベル。あたくしなら世間体なんて気にせず、すぐに結婚するわ。公爵だって、さっさとあなたを屋敷にさらっていって口説き落としてしまえば良かったのよ」
さらりと答えるアレクサンドリーネに対して、ベルティーユは口をパクパクさせるしかなかった。
「公爵にとってあなたは、釣れるはずがない幻の人魚だったの。どんなに金銀宝石を餌に糸を垂らしてみても、人魚は公爵の餌にすら気づかないまま遠くで泳ぎ去っていくはずだったの。先代のダンビエール公爵だって、孫の初恋と公爵家の将来は大事だけれど、この国の将来を天秤にかけてまであなたを公爵夫人にすることはできないと考えていたのでしょうね。だって、ロザージュ王国との間で戦争が起きなければ、あなたほど国益にかなう王妃はいなかったんですもの」
「お褒めにあずかり、光栄ですわ」
「あなただって、自分が一番王妃にふさわしいってわかっていたんでしょう? だから、陛下以外は目に入れないようにしていたんでしょう?」
「目に入れないようにというか、目に入らなかったというか」
「王妃の座しか目に入らなかった、というところかしら」
アレクサンドリーネの指摘にベルティーユは黙り込む。
「ベル。あなたは陛下との結婚の可能性がなくなったところに都合良くダンビエール公爵が現れて求婚してくれたと思っているのかもしれないけれど、公爵はずっと前からあなたを狙っていたの。結婚後もまだあなたは陛下に多少未練を感じているようだけど、公爵はそんなあなたの気持ちを見透かしているんでしょうね」
「見透かしているというか……思いっきり宣言してしまったことが……ある、わ」
王の愛妾として王宮に上がるという野望をオリヴィエールの前で叫んだ日のことを思い出し、ベルティーユは頭を抱えた。
「まぁ! そのときの公爵の様子はどうだった?」
「笑顔だったと……思うけど」
記憶をたどってみると、よく思い出せないが、あの頃のオリヴィエールはいつも笑っていた。
「ま、あなたの気持ちがどうであれ、結婚してしまえばなんとか自分に目を向けさせることができると高を括っていたんでしょうね。それがいつまで経っても最愛の妻は陛下一筋なものだから焦りだしたってところかしら」
「焦るって? そういう感じではないと思うのだけど……」
「全精力をかけて溺愛しても妻を陥落できないから、男としての誇りをかなぐり捨ててあなたが自分の初恋であると告白したのよ! 自分がいかに妻を愛しているかを言葉にしなければ、鈍いあなたには一生気づいてもらえそうにないものね。って、あたくしがわざわざ詳細に解説してもまだピンときていないようだけれど」
確かに、ベルティーユにはまだよく状況が飲み込めていなかった。
オリヴィエールはいつも愛を囁いてくれるけれど、ときどきそれはからかっているような口調だったり、その場の雰囲気で言っているようだったり、夫としての義務として言っているようであったりしたのだ。
あれほど苦しげに「恋をしてくれないか」と言われたのは初めてだった。
オリヴィエールの告白を聞いた夜、ベルティーユはどう答えれば良いのかわからず考え込んでしまった。
なにも答えない彼女の態度を拒絶と受け取ったのか、オリヴィエールは小さくため息をつくと、彼女を抱き上げて寝室に運び、「おやすみ」と額に口づけをしてそのままふたりで眠った。
朝になってベルティーユが目を覚ますと、寝台にオリヴィエールの姿はなかった。
昨夜の出来事は夢だったのだろうかと考えつつみづくろいをして食堂へ向かうと、身支度を調えたオリヴィエールがさきに朝餉を食べていた。
ベルティーユから挨拶をすると、彼の返事がいつになく素っ気なかったことに目を瞠った。
どうやら自分は彼の機嫌を損ねてしまったらしい。
そうはいっても「恋をしてくれないか」と言われて「わかりました」と言うのも違う気がした。
その日は一日中屋敷の中で過ごしたが、オリヴィエールと普段のように会話をすることができなかった。自分からどんな風に声をかければ良いのかわからなかったし、彼から避けられているような雰囲気も感じたためだ。
結局、どうすれば良かったのかわからず、ベルティーユはアレクサンドリーネに相談することに決め、翌日になってラクロワ伯爵邸を訪ねた。
「わたしは、オリヴィエールのことが、好きよ?」
ベルティーユは紅茶の水面に映る自分の顔を見つめながら呟いた。
なぜ自分はこんなに情けない表情をしているのか。まるで迷子になって帰る家を見つけられない幼子のようだ。
「なら、公爵にそうおっしゃいな」
アレクサンドリーネにうながされるが、ベルティーユは椅子から立つことができなかった。
「でも、彼が求めているものは……もう少し違うものなんでしょう?」
「そうね。公爵は贅沢にも、ご両親や兄君に対する『好き』とは違うものを望んでいるわ」
あけすけなアレクサンドリーネの物言いに、ベルティーユはおずおずと目線を上げた。
「贅沢……なの?」
「決まってるじゃないの! 贅沢よ! 高望みしすぎなのよ! ベルと結婚できただけでも人生すべての幸運を使い果たしたくらいに思わなきゃいけないのに、さらに自分の恋愛を成就させたいなんて、贅沢以外のなにものでもないわ! 公爵ったら、あなたと結婚できたものだから感覚が麻痺してしまって、自分が望めばなんでも手に入るくらいに思っているんじゃないかしら」
「そ、そうなの?」
「そうよ! あたくしが思うに、あなたは公爵を甘やかしすぎたのよ。あの怪魚が望むままに餌をやり過ぎて、図に乗らせてしまったのよ! だから、しばらくは放っておくべきよ。そうすれば、公爵も頭を冷やして自分が無茶な要求をしたことに気づくでしょう」
「無茶な要求かしら」
「別にあなたが公爵に恋をすべきじゃないって言っているわけじゃないのよ。公爵に要求されたから『恋をしなければならないんじゃないか』って考える必要はないって言ってるだけ」
ふふんっとアレクサンドリーネは鼻を鳴らした。
「初恋をこじらせた面倒な男の言動に振り回されるなんて、淑女がすることじゃないわ。公爵を無視し続けると新たな面倒ごとに発展するかもしれないから、適当に相手をしつつも餌は控えておいてはどうかしらね。そうでなければ、あなたは公爵の『初恋』という底なし沼に引きずり込まれないとも限らないからね。いい? これは、親友としての忠告よ」
「わかったわ。ありがとう、アレクサンドリーネ」
なぜ『初恋』が底なし沼なのかはよくわからなかったが、ベルティーユは幾分気持ちが軽くなったことに喜びながら微笑んだ。
ラクロワ伯爵夫人アレクサンドリーネがケラケラと甲高い笑い声を上げる。
「ついに? ついにってどういうこと!?」
紅茶を飲みかけていたベルティーユは茶器を円卓の上に戻すと、親友の顔を凝視した。
「あれほどの美貌と資産と地位を持っているがダンビエール公爵が、いつまで経ってもどこぞのご令嬢と婚約どころか恋人のひとりも作らないのは初恋に執着しているせいだってことは、知る人ぞ知る公然の秘密だったのよ。前のダンビエール公爵はなんどか他のご令嬢との結婚を勧めたのだけれど、独身を貫くと決意を固めた孫の気持ちは変えることができず、孫の初恋が実らないのは宰相のせいだと逆恨みして宰相の政敵になったという噂までまことしやかに流れたくらいよ」
笑いすぎてまなじりからこぼれだした出した涙を指先で拭いながら、アレクサンドリーネは答える。
「なにそれ!? そんな話、初めて聞いたわ!」
「そりゃ、誰もあなたの耳に入れたりしなかったからでしょう。王妃候補として勉学に励んでいるあなたに聞かせる話ではないもの。前のダンビエール公爵だって、遠回しに陛下とあなたの婚約を阻止しようと画策はしていたけれど、あなたに直接なにか手を出すことはしなかったようだし、宰相もあなたにそんな噂を知らせるわけがないものね」
熟した林檎のように真っ赤になっているベルティーユの顔を見ながら、アレクサンドリーネは楽しげに語る。
オリヴィエールから「僕に恋をして欲しい」と切望された二日後、ベルティーユはラクロワ伯爵邸を訪問した。
夫からの思ってもみなかった告白にどう返事をすれば良いかわからず、親友に助言を求めることにしたのだ。
「陛下がロザージュ王国の王女様と婚約発表した途端にダンビエール公爵があなたに求婚したと聞いたときは、世間の誰も驚きはしなかったはずよ。どちらかといえば、すぐに結婚せず先代の喪が明けるまで待ったことの方に驚いた人の方が多いんじゃないかしら?」
「身内の喪が明けるまで待つのは普通じゃないの!」
「それが普通だと思ったのはあなたくらいよ、ベル。あたくしなら世間体なんて気にせず、すぐに結婚するわ。公爵だって、さっさとあなたを屋敷にさらっていって口説き落としてしまえば良かったのよ」
さらりと答えるアレクサンドリーネに対して、ベルティーユは口をパクパクさせるしかなかった。
「公爵にとってあなたは、釣れるはずがない幻の人魚だったの。どんなに金銀宝石を餌に糸を垂らしてみても、人魚は公爵の餌にすら気づかないまま遠くで泳ぎ去っていくはずだったの。先代のダンビエール公爵だって、孫の初恋と公爵家の将来は大事だけれど、この国の将来を天秤にかけてまであなたを公爵夫人にすることはできないと考えていたのでしょうね。だって、ロザージュ王国との間で戦争が起きなければ、あなたほど国益にかなう王妃はいなかったんですもの」
「お褒めにあずかり、光栄ですわ」
「あなただって、自分が一番王妃にふさわしいってわかっていたんでしょう? だから、陛下以外は目に入れないようにしていたんでしょう?」
「目に入れないようにというか、目に入らなかったというか」
「王妃の座しか目に入らなかった、というところかしら」
アレクサンドリーネの指摘にベルティーユは黙り込む。
「ベル。あなたは陛下との結婚の可能性がなくなったところに都合良くダンビエール公爵が現れて求婚してくれたと思っているのかもしれないけれど、公爵はずっと前からあなたを狙っていたの。結婚後もまだあなたは陛下に多少未練を感じているようだけど、公爵はそんなあなたの気持ちを見透かしているんでしょうね」
「見透かしているというか……思いっきり宣言してしまったことが……ある、わ」
王の愛妾として王宮に上がるという野望をオリヴィエールの前で叫んだ日のことを思い出し、ベルティーユは頭を抱えた。
「まぁ! そのときの公爵の様子はどうだった?」
「笑顔だったと……思うけど」
記憶をたどってみると、よく思い出せないが、あの頃のオリヴィエールはいつも笑っていた。
「ま、あなたの気持ちがどうであれ、結婚してしまえばなんとか自分に目を向けさせることができると高を括っていたんでしょうね。それがいつまで経っても最愛の妻は陛下一筋なものだから焦りだしたってところかしら」
「焦るって? そういう感じではないと思うのだけど……」
「全精力をかけて溺愛しても妻を陥落できないから、男としての誇りをかなぐり捨ててあなたが自分の初恋であると告白したのよ! 自分がいかに妻を愛しているかを言葉にしなければ、鈍いあなたには一生気づいてもらえそうにないものね。って、あたくしがわざわざ詳細に解説してもまだピンときていないようだけれど」
確かに、ベルティーユにはまだよく状況が飲み込めていなかった。
オリヴィエールはいつも愛を囁いてくれるけれど、ときどきそれはからかっているような口調だったり、その場の雰囲気で言っているようだったり、夫としての義務として言っているようであったりしたのだ。
あれほど苦しげに「恋をしてくれないか」と言われたのは初めてだった。
オリヴィエールの告白を聞いた夜、ベルティーユはどう答えれば良いのかわからず考え込んでしまった。
なにも答えない彼女の態度を拒絶と受け取ったのか、オリヴィエールは小さくため息をつくと、彼女を抱き上げて寝室に運び、「おやすみ」と額に口づけをしてそのままふたりで眠った。
朝になってベルティーユが目を覚ますと、寝台にオリヴィエールの姿はなかった。
昨夜の出来事は夢だったのだろうかと考えつつみづくろいをして食堂へ向かうと、身支度を調えたオリヴィエールがさきに朝餉を食べていた。
ベルティーユから挨拶をすると、彼の返事がいつになく素っ気なかったことに目を瞠った。
どうやら自分は彼の機嫌を損ねてしまったらしい。
そうはいっても「恋をしてくれないか」と言われて「わかりました」と言うのも違う気がした。
その日は一日中屋敷の中で過ごしたが、オリヴィエールと普段のように会話をすることができなかった。自分からどんな風に声をかければ良いのかわからなかったし、彼から避けられているような雰囲気も感じたためだ。
結局、どうすれば良かったのかわからず、ベルティーユはアレクサンドリーネに相談することに決め、翌日になってラクロワ伯爵邸を訪ねた。
「わたしは、オリヴィエールのことが、好きよ?」
ベルティーユは紅茶の水面に映る自分の顔を見つめながら呟いた。
なぜ自分はこんなに情けない表情をしているのか。まるで迷子になって帰る家を見つけられない幼子のようだ。
「なら、公爵にそうおっしゃいな」
アレクサンドリーネにうながされるが、ベルティーユは椅子から立つことができなかった。
「でも、彼が求めているものは……もう少し違うものなんでしょう?」
「そうね。公爵は贅沢にも、ご両親や兄君に対する『好き』とは違うものを望んでいるわ」
あけすけなアレクサンドリーネの物言いに、ベルティーユはおずおずと目線を上げた。
「贅沢……なの?」
「決まってるじゃないの! 贅沢よ! 高望みしすぎなのよ! ベルと結婚できただけでも人生すべての幸運を使い果たしたくらいに思わなきゃいけないのに、さらに自分の恋愛を成就させたいなんて、贅沢以外のなにものでもないわ! 公爵ったら、あなたと結婚できたものだから感覚が麻痺してしまって、自分が望めばなんでも手に入るくらいに思っているんじゃないかしら」
「そ、そうなの?」
「そうよ! あたくしが思うに、あなたは公爵を甘やかしすぎたのよ。あの怪魚が望むままに餌をやり過ぎて、図に乗らせてしまったのよ! だから、しばらくは放っておくべきよ。そうすれば、公爵も頭を冷やして自分が無茶な要求をしたことに気づくでしょう」
「無茶な要求かしら」
「別にあなたが公爵に恋をすべきじゃないって言っているわけじゃないのよ。公爵に要求されたから『恋をしなければならないんじゃないか』って考える必要はないって言ってるだけ」
ふふんっとアレクサンドリーネは鼻を鳴らした。
「初恋をこじらせた面倒な男の言動に振り回されるなんて、淑女がすることじゃないわ。公爵を無視し続けると新たな面倒ごとに発展するかもしれないから、適当に相手をしつつも餌は控えておいてはどうかしらね。そうでなければ、あなたは公爵の『初恋』という底なし沼に引きずり込まれないとも限らないからね。いい? これは、親友としての忠告よ」
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