64 / 73
第九章 宮廷の陰謀と公爵夫人の計謀
10 公爵夫人の願い
しおりを挟む
「な、なんてことをしてくれたんですか!」
王女の姿が見えなくなると、女官たちは一斉にベルティーユにかみついた。
「なにがでしょう?」
ベルティーユはなんとか王女を王の寝室に押し込めたことに胸をなで下ろしながら、女官たちに笑顔を向けた。
「このままでは王女様が……」
「王妃様になるだけですから、なにも問題はありませんわ。それとも、あなた方はこの婚姻が破綻することをお望みだったのですか? だとしたら、聞き捨てなりませんわね。すぐにでも宰相閣下に報告しなければ」
親類縁者の権力ならいくらでも乱用できるベルティーユは、笑顔のまま女官たちと対峙した。
(そもそもこの後、陛下が王女様とどうお過ごしになるかまでは陛下にお任せしているから、なにがどうなるかはまったくわからないけれど)
後のことはアントワーヌ五世に丸投げしてあるので、ベルティーユは気にしないことにした。
自分は無事、王の寝室から抜け出したのだから、女官に非難されようと痛くも痒くもない。
王宮での人間関係は、強く出た者が勝つのだ。
「さぁ、どなたかおひとりだけここに残って、後は皆で下がりましょうか」
「なぜあなたが指図するのです! 王女様の女官でもないくせに!」
「王女様はわたくしの話を聞いてくださいましたわ。あれが、わたくしを女官として認めてくださった証拠だと思いませんこと? それに、この場で一番身分が高いのはわたくしだと思いますが」
女官たちの顔を見回し、ベルティーユは余裕の表情を浮かべる。
ロザージュ王国での彼女たちの家柄は把握していないが、ラルジュ王国の公爵夫人であるベルティーユよりも格上の女性は数えるほどしかいない。
「――では、わたしが残りましょう」
一番年上の女官が、名乗りを上げた。
「皆は、部屋に戻って休みなさい」
「しかし……」
「ここで騒いでいては、王女様にご迷惑をおかけすることになります」
年上の女官は、他の女官をなだめた。
「そちらの公爵夫人と一緒に下がりなさい。後のことは、王女様がお決めになるでしょう」
「――――――わかりました」
渋々と他の女官たちは承諾する。
それからまもなく、ベルティーユは他の女官たちと一緒に、堂々と王の私室から出ることに成功した。
(わたしが陛下の部屋から出てきたことよりも、陛下の部屋に入った王女様が朝まで出てこないことの方が皆に注目されるわ。明日の朝には王宮中で噂が流れていることでしょうね)
怪我の功名と言うべきか、かなり無理矢理屁理屈をこねて王女とアントワーヌ五世の寝室に連れ込ませたが、多分失敗はしていないはずだ。
(王太后様には申し訳ないけれど、こうなったらもう実力行使しかなかったんですもの)
兄が勧める恋愛小説を読みすぎたせいか、もしくはアレクサンドリーネに感化されたのか、我ながら無茶をしたものだと思いながら、ベルティーユは廊下を歩く。
(陛下。明日は自力でなんとか強行突破してください)
王妃の女官に任命される日はこないかもしれないので、とアントワーヌ五世の健闘を心の中で祈った。
*
(それにしても、ここはどこかしら)
ファンティーヌ王女の女官たちと別れたベルティーユは、夜更けの王宮内をさまよっていた。
どこかに警護の衛兵がいるはずだが、人影が見えない。
王族が暮らす奥宮はベルティーユもほとんど足を踏み入れたことがない上、廊下が暗くて周囲がよく見えない。昼間であれば窓の外の景色であるていど位置が判断できるものだが、夜空は雲が立ちこめているらしく、なにも見えない。
しかも、廊下は冷え切っている。
壁に点々と灯されている蝋燭の明かりでは足下を照らすにも乏しく、迷子になった気分だ。
(そのうち誰かに会うだろうと思ったのだけれど、誰にも会わないってどういうことかしら。王宮の警備がこんなにスカスカで大丈夫かしら。明日になったら伯父様に文句を言わなくちゃ)
ダンビエール公爵用に与えられたという部屋までたどり着ければ、ひとまず一夜を明かせると考えたのだが、前回はオリヴィエールの様子に気を取られていたので、はっきりと道順を確認している暇がなかった。
(さすがに無断外泊はいけないわ。オリヴィエールや皆に心配をかけているでしょうし)
焦ってしまうとさらに迷うだけとわかっているが、廊下の壁紙はどこも同じである上、この宮殿は時代とともに不規則に増築を繰り返してきているので、迷路のような構造になっている。
(オリヴィエールは少しは調子が良くなったかしら。悪化していないことを願うばかりだわ。あぁ、なんでこんなことになったのかしら。伯父様の至急のお手紙は断ってしまえば良かったのに、なぜ出かけてしまったのかしら!)
鬱々とぼやきながら廊下を心細く歩く。
(わたしったらいつもオリヴィエールに心配をかけてばかりで、そのうち愛想を尽かされるんじゃないかしら。彼にしてみれば、わたしと結婚して良いことなんてひとつもなかったのかもしれないわ。わたしは陛下の愛妾を目指すって宣言するし、命を狙われたり、伯父様から面倒そうな頼み事を押しつけられそうだし。……百年の恋も冷めるかも。そんなに経っていないけど)
歩き疲れたところで、ベルティーユは壁に寄りかかった。
なんだか今日一日でいろいろなことが起きすぎて精神的にも怠かった。
(お腹は空いたし、足は痛いし、寒いし、わたし、このまま迷子になって死んじゃうのかしら。どうせなら、最後にオリヴィエールに一言謝ってから死にたいものだけど、散々迷惑をかけておいて謝って許してもらおうなんて都合が良すぎるわね)
疲れすぎてベルティーユの思考は支離滅裂になってきていた。
(あぁ、でもやっぱり最後に会いたいのはオリヴィエールだわ。別に許してくれなくてもいいから、顔を見たいわ)
ため息をつくと、白い息がゆっくりと立ち上る。
魂が口から出ていくみたいだ、とぼんやり考える。
(死ぬ直前になると、会いたい人の顔が見えるって聞いたことがあるけれど……オリヴィエールの姿が見えるわ。今頃、屋敷で寝ているでしょうに――)
「ベル!」
(幻聴も……)
「探したよ!」
大声が廊下の窓硝子を震わせたかと思うと、強い力で抱きしめられた。
「…………オリヴィエール?」
太い腕で頭を押さえ込まれているので顔は見えないが、服から漂ってくる匂いは彼が好んで付けている香水のものだ。
「宰相のところに使いを出したら、貴女はもう帰ったというし、馬車はそのまま王宮の車止めで貴女を待っているというし――――なぜ貴女が泣いているの? なにがあったの?」
ベルティーユの顔をのぞき込んだオリヴィエールは、焦った様子で矢継ぎ早に訊ねる。
「…………あなたに会えて嬉しいから。体調が悪いのに、迎えに来てくれてありがとう。そして、ごめんなさい」
「貴女が謝ることはなにもないよ」
普段よりも熱い手でベルティーユの頬を挟むと、オリヴィエールは唇でそっと涙をすくい取った。
「迷子になってしまって、心細かっただけ」
「――――そう?」
オリヴィエールの胸に顔を埋めると、ベルティーユはぎゅっと目を閉じた。
王女の姿が見えなくなると、女官たちは一斉にベルティーユにかみついた。
「なにがでしょう?」
ベルティーユはなんとか王女を王の寝室に押し込めたことに胸をなで下ろしながら、女官たちに笑顔を向けた。
「このままでは王女様が……」
「王妃様になるだけですから、なにも問題はありませんわ。それとも、あなた方はこの婚姻が破綻することをお望みだったのですか? だとしたら、聞き捨てなりませんわね。すぐにでも宰相閣下に報告しなければ」
親類縁者の権力ならいくらでも乱用できるベルティーユは、笑顔のまま女官たちと対峙した。
(そもそもこの後、陛下が王女様とどうお過ごしになるかまでは陛下にお任せしているから、なにがどうなるかはまったくわからないけれど)
後のことはアントワーヌ五世に丸投げしてあるので、ベルティーユは気にしないことにした。
自分は無事、王の寝室から抜け出したのだから、女官に非難されようと痛くも痒くもない。
王宮での人間関係は、強く出た者が勝つのだ。
「さぁ、どなたかおひとりだけここに残って、後は皆で下がりましょうか」
「なぜあなたが指図するのです! 王女様の女官でもないくせに!」
「王女様はわたくしの話を聞いてくださいましたわ。あれが、わたくしを女官として認めてくださった証拠だと思いませんこと? それに、この場で一番身分が高いのはわたくしだと思いますが」
女官たちの顔を見回し、ベルティーユは余裕の表情を浮かべる。
ロザージュ王国での彼女たちの家柄は把握していないが、ラルジュ王国の公爵夫人であるベルティーユよりも格上の女性は数えるほどしかいない。
「――では、わたしが残りましょう」
一番年上の女官が、名乗りを上げた。
「皆は、部屋に戻って休みなさい」
「しかし……」
「ここで騒いでいては、王女様にご迷惑をおかけすることになります」
年上の女官は、他の女官をなだめた。
「そちらの公爵夫人と一緒に下がりなさい。後のことは、王女様がお決めになるでしょう」
「――――――わかりました」
渋々と他の女官たちは承諾する。
それからまもなく、ベルティーユは他の女官たちと一緒に、堂々と王の私室から出ることに成功した。
(わたしが陛下の部屋から出てきたことよりも、陛下の部屋に入った王女様が朝まで出てこないことの方が皆に注目されるわ。明日の朝には王宮中で噂が流れていることでしょうね)
怪我の功名と言うべきか、かなり無理矢理屁理屈をこねて王女とアントワーヌ五世の寝室に連れ込ませたが、多分失敗はしていないはずだ。
(王太后様には申し訳ないけれど、こうなったらもう実力行使しかなかったんですもの)
兄が勧める恋愛小説を読みすぎたせいか、もしくはアレクサンドリーネに感化されたのか、我ながら無茶をしたものだと思いながら、ベルティーユは廊下を歩く。
(陛下。明日は自力でなんとか強行突破してください)
王妃の女官に任命される日はこないかもしれないので、とアントワーヌ五世の健闘を心の中で祈った。
*
(それにしても、ここはどこかしら)
ファンティーヌ王女の女官たちと別れたベルティーユは、夜更けの王宮内をさまよっていた。
どこかに警護の衛兵がいるはずだが、人影が見えない。
王族が暮らす奥宮はベルティーユもほとんど足を踏み入れたことがない上、廊下が暗くて周囲がよく見えない。昼間であれば窓の外の景色であるていど位置が判断できるものだが、夜空は雲が立ちこめているらしく、なにも見えない。
しかも、廊下は冷え切っている。
壁に点々と灯されている蝋燭の明かりでは足下を照らすにも乏しく、迷子になった気分だ。
(そのうち誰かに会うだろうと思ったのだけれど、誰にも会わないってどういうことかしら。王宮の警備がこんなにスカスカで大丈夫かしら。明日になったら伯父様に文句を言わなくちゃ)
ダンビエール公爵用に与えられたという部屋までたどり着ければ、ひとまず一夜を明かせると考えたのだが、前回はオリヴィエールの様子に気を取られていたので、はっきりと道順を確認している暇がなかった。
(さすがに無断外泊はいけないわ。オリヴィエールや皆に心配をかけているでしょうし)
焦ってしまうとさらに迷うだけとわかっているが、廊下の壁紙はどこも同じである上、この宮殿は時代とともに不規則に増築を繰り返してきているので、迷路のような構造になっている。
(オリヴィエールは少しは調子が良くなったかしら。悪化していないことを願うばかりだわ。あぁ、なんでこんなことになったのかしら。伯父様の至急のお手紙は断ってしまえば良かったのに、なぜ出かけてしまったのかしら!)
鬱々とぼやきながら廊下を心細く歩く。
(わたしったらいつもオリヴィエールに心配をかけてばかりで、そのうち愛想を尽かされるんじゃないかしら。彼にしてみれば、わたしと結婚して良いことなんてひとつもなかったのかもしれないわ。わたしは陛下の愛妾を目指すって宣言するし、命を狙われたり、伯父様から面倒そうな頼み事を押しつけられそうだし。……百年の恋も冷めるかも。そんなに経っていないけど)
歩き疲れたところで、ベルティーユは壁に寄りかかった。
なんだか今日一日でいろいろなことが起きすぎて精神的にも怠かった。
(お腹は空いたし、足は痛いし、寒いし、わたし、このまま迷子になって死んじゃうのかしら。どうせなら、最後にオリヴィエールに一言謝ってから死にたいものだけど、散々迷惑をかけておいて謝って許してもらおうなんて都合が良すぎるわね)
疲れすぎてベルティーユの思考は支離滅裂になってきていた。
(あぁ、でもやっぱり最後に会いたいのはオリヴィエールだわ。別に許してくれなくてもいいから、顔を見たいわ)
ため息をつくと、白い息がゆっくりと立ち上る。
魂が口から出ていくみたいだ、とぼんやり考える。
(死ぬ直前になると、会いたい人の顔が見えるって聞いたことがあるけれど……オリヴィエールの姿が見えるわ。今頃、屋敷で寝ているでしょうに――)
「ベル!」
(幻聴も……)
「探したよ!」
大声が廊下の窓硝子を震わせたかと思うと、強い力で抱きしめられた。
「…………オリヴィエール?」
太い腕で頭を押さえ込まれているので顔は見えないが、服から漂ってくる匂いは彼が好んで付けている香水のものだ。
「宰相のところに使いを出したら、貴女はもう帰ったというし、馬車はそのまま王宮の車止めで貴女を待っているというし――――なぜ貴女が泣いているの? なにがあったの?」
ベルティーユの顔をのぞき込んだオリヴィエールは、焦った様子で矢継ぎ早に訊ねる。
「…………あなたに会えて嬉しいから。体調が悪いのに、迎えに来てくれてありがとう。そして、ごめんなさい」
「貴女が謝ることはなにもないよ」
普段よりも熱い手でベルティーユの頬を挟むと、オリヴィエールは唇でそっと涙をすくい取った。
「迷子になってしまって、心細かっただけ」
「――――そう?」
オリヴィエールの胸に顔を埋めると、ベルティーユはぎゅっと目を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる