65 / 73
第十章 公爵夫妻のゆくさき
1 宰相の訪問
しおりを挟む
ベルティーユがオリヴィエールとともにダンビエール公爵邸に戻ると、すでに明け方を迎えていた。
朝日を浴びた庭に積もる白銀の雪が眩しい。
屋敷に到着すると、オリヴィエールは侍従に抱えられるようにして馬車から下り、そのまま部屋へと運ばれていった。
昨日の夕刻には体調がかなり良くなっていたが、執事たちが止めるのも聞かずに深夜に冷え切った王宮内を歩き回ったのがかなり身体に負担となったらしい。熱がぶり返す羽目になり、またしても寝付くことになった。
ベルティーユは使用人たちから「ご両親がご病気だという知らせが届いても出かけないでください」と懇願されたほどだ。
「本当にごめんなさい」
オリヴィエールの寝台の横に椅子を置くと、ベルティーユは侍従たちに世話をされているオリヴィエールに謝った。
「貴女が謝ることはなにもないよ。それよりも、貴女は昨日から寝ていないのだから、ゆっくり部屋で休んだらどう?」
「ここにいるわ」
「貴女まで体調を崩したら大変だ」
「わたし、子供の頃からほとんど風邪も引いたことがないくらい丈夫なの。それより、オリヴィエールの方こそ早く寝てちょうだいな」
「そばにいてくれるなら、貴女の話を聞きたいのだけど」
「あなたの病気が治ったらいくらでも話すわ」
王宮での出来事を聞きたがるオリヴィエールに、侍従は薬を飲ませ、女中が布団をかぶせ、執事は「こちらが旦那様の朝食です。こちらは奥様の朝食です。ここに薬を置いておきます」と周囲が騒がしいこともあり、ベルティーユは詳しい話をすることは拒否した。
よほど疲れていたのか、オリヴィエールは食事は口にせずに眠ってしまった。
ベルティーユも空腹ではあったけれど食欲はなく、紅茶を飲んだだけで椅子に座ったままぼうっと眠るオリヴィエールを眺めているうちに、瞼が重くなるのを感じた。
しばらく椅子に座ったまま眠っていたらしいベルティーユは、執事の「奥様、お客様がいらしていますがいかがいたしましょうか」という声かけで目を覚ました。
「お客様?」
「宰相閣下がいらしています」
「伯父様が? 突然ね」
「到着される直前に、お手紙が到着したところでした」
伯父がダンビエール公爵邸を訪ねてきたのは、結婚式のとき以来だ。
昨夕の出来事が一端が耳に入り、事情の詳細を確認しに来たのだろう。
(それにしても、伯父様がわざわざいらっしゃるなんて、珍しいこと)
王宮と自宅の往復が基本である宰相は、実家であるカルサティ侯爵邸でさえ年に一度も足を運ぶことがない仕事人間だ。自宅にも二日にいっぺん帰れば良い方で、妻の誕生日と結婚記念日だけはあらゆる仕事の日程を調整して帰宅するが、あとは王宮で寝泊まりしていることの方が多いくらいだ。
ベルティーユも、伯父に用事があるときは王宮に行くようにしている。
「応接室にお通しして」
「かしこまりました」
帰ってきてから着替えをしていないことを思いだし、ベルティーユはミネットを呼んで日常着に着替えた。
「お待たせいたしました、伯父様」
ベルティーユが応接室に向かうと、長椅子に座った宰相と、その背後に控える宰相秘書の姿があった。
「昨日はなにやら大事件があったそうだな、公爵夫人」
「大事件、ですか? あぁ、わたしが王宮内で迷子になってしまった件ですか」
「迷子、かね?」
「迷子になったんです。伯父様のところのどなたかに馬車まで送ってもらえば良かったと大層後悔しましたわ」
渋い顔をしている宰相に、ベルティーユは疲れた表情を浮かべて答える。
「わたしがいつまで経っても帰らないので、心配した夫が探しにきてくれましたが、調子が悪いのに寒い中をわたしを探して王宮内を駆け回ったせいで、夫は熱をぶり返してしまいましたの」
「それは大変だ。後で、滋養に良いものを見舞いに届けさせよう」
宰相が背後の秘書に目配せすると、心得たといった様子で秘書は頷いた。
「ところで、昨夕、王宮内で王太后様に会ったか?」
「えぇ」
「陛下には?」
「はい」
「王女殿下から妙な言づてを預かっているのだが……女官にはしない、と」
「まぁ、残念」
まったく落胆する様子を見せず、ベルティーユは楽しげに呟いた。
「昨夕、儂の執務室を出てからなにがあった?」
「伯父様なら、ほとんどご存じでしょうから、わたしの口から改めて申し上げることなどありませんでしょう」
「ダンビエール公爵が謀反を起こしかねない事件が起きたとしか報告を受けていない」
「あら、そんな恐ろしいことがありましたの?」
「身内に謀反を起こされては困るからな。公爵が本気を出せば、王座を奪うこともたやすかろう」
「夫はそんなことはしませんわ」
「どうだかな――」
ベルティーユの曖昧な返事をどう判断したのか、宰相はため息をついた。
「公爵の本心はどうであれ、謀反を起こすきっかけを与えた者が王宮内にいるのであれば、儂の責任にもなりかねない。まったく、近頃はなにかと細々とした面倒ごとが多くて困る」
「伯父様の気苦労が絶えないことは存じておりますわ」
「それは心強いな。それはそうと、昨日公爵に手紙を出した件だがな」
「え? あぁ、はい」
そういえば、伯父からの手紙が一通は間違いなく届いていたのだということをベルティーユは思い出した。
「ロザージュ王国の大使として、公爵に赴任して欲しいのだ」
「大使?」
「部下には儂の愚息を付ける。好きにこき使ってかまわない」
「ルイを? それとも、ジャンを?」
宰相には三人の息子がいるが、成人しているのは上のふたりだ。
「ルイだ。遊学させていたが、呼び戻した。最初があれを大使という名の人質としてロザージュ王国に送り込むこと考えたが、政治経験がなさすぎてさすがに無理だと判断した。ダンビエール公爵なら若いが適任だ」
「……人質?」
「いざとなればルイにすべて押しつけて帰ってくれば良い」
「逃げ足の速さはルイの方が上だと思いますけど」
「あれが先に戻ってきたら、国境で追い返す」
きっぱりと宰相の顔で断言した。
「つまり、伯父様は夫に謀反を起こされると困るので、大使という名目で国外追放したいということですか?」
「他に適任がいないだけだ」
「そうでしょうか……。で、もしこの話を夫が受けた場合、いつ頃の赴任になるのですか? 来年?」
「できるだけ早く。数日中にこちらを発ってくれてもかまわない」
「数日中!? この時期に?」
「いろいろと微妙な問題が山積しているのだよ。陛下がおっしゃるには、近日中に多少は改善が見られそうだとかなんとかはっきりしないことをおっしゃっていたが、ロザージュ王国との関係は良いとは言いがたい」
宰相が告げると、秘書官は手にしていた封筒を机の上に置いた。
封蝋で王家の紋章が押されたものは、国からの正式な書類にのみ使われるものだ。
「公爵には、この話を受けてくれることを期待していると伝えてくれ」
「――わかりました」
封筒を手に取ると、ベルティーユは困惑した表情を浮かべながら頷いた。
朝日を浴びた庭に積もる白銀の雪が眩しい。
屋敷に到着すると、オリヴィエールは侍従に抱えられるようにして馬車から下り、そのまま部屋へと運ばれていった。
昨日の夕刻には体調がかなり良くなっていたが、執事たちが止めるのも聞かずに深夜に冷え切った王宮内を歩き回ったのがかなり身体に負担となったらしい。熱がぶり返す羽目になり、またしても寝付くことになった。
ベルティーユは使用人たちから「ご両親がご病気だという知らせが届いても出かけないでください」と懇願されたほどだ。
「本当にごめんなさい」
オリヴィエールの寝台の横に椅子を置くと、ベルティーユは侍従たちに世話をされているオリヴィエールに謝った。
「貴女が謝ることはなにもないよ。それよりも、貴女は昨日から寝ていないのだから、ゆっくり部屋で休んだらどう?」
「ここにいるわ」
「貴女まで体調を崩したら大変だ」
「わたし、子供の頃からほとんど風邪も引いたことがないくらい丈夫なの。それより、オリヴィエールの方こそ早く寝てちょうだいな」
「そばにいてくれるなら、貴女の話を聞きたいのだけど」
「あなたの病気が治ったらいくらでも話すわ」
王宮での出来事を聞きたがるオリヴィエールに、侍従は薬を飲ませ、女中が布団をかぶせ、執事は「こちらが旦那様の朝食です。こちらは奥様の朝食です。ここに薬を置いておきます」と周囲が騒がしいこともあり、ベルティーユは詳しい話をすることは拒否した。
よほど疲れていたのか、オリヴィエールは食事は口にせずに眠ってしまった。
ベルティーユも空腹ではあったけれど食欲はなく、紅茶を飲んだだけで椅子に座ったままぼうっと眠るオリヴィエールを眺めているうちに、瞼が重くなるのを感じた。
しばらく椅子に座ったまま眠っていたらしいベルティーユは、執事の「奥様、お客様がいらしていますがいかがいたしましょうか」という声かけで目を覚ました。
「お客様?」
「宰相閣下がいらしています」
「伯父様が? 突然ね」
「到着される直前に、お手紙が到着したところでした」
伯父がダンビエール公爵邸を訪ねてきたのは、結婚式のとき以来だ。
昨夕の出来事が一端が耳に入り、事情の詳細を確認しに来たのだろう。
(それにしても、伯父様がわざわざいらっしゃるなんて、珍しいこと)
王宮と自宅の往復が基本である宰相は、実家であるカルサティ侯爵邸でさえ年に一度も足を運ぶことがない仕事人間だ。自宅にも二日にいっぺん帰れば良い方で、妻の誕生日と結婚記念日だけはあらゆる仕事の日程を調整して帰宅するが、あとは王宮で寝泊まりしていることの方が多いくらいだ。
ベルティーユも、伯父に用事があるときは王宮に行くようにしている。
「応接室にお通しして」
「かしこまりました」
帰ってきてから着替えをしていないことを思いだし、ベルティーユはミネットを呼んで日常着に着替えた。
「お待たせいたしました、伯父様」
ベルティーユが応接室に向かうと、長椅子に座った宰相と、その背後に控える宰相秘書の姿があった。
「昨日はなにやら大事件があったそうだな、公爵夫人」
「大事件、ですか? あぁ、わたしが王宮内で迷子になってしまった件ですか」
「迷子、かね?」
「迷子になったんです。伯父様のところのどなたかに馬車まで送ってもらえば良かったと大層後悔しましたわ」
渋い顔をしている宰相に、ベルティーユは疲れた表情を浮かべて答える。
「わたしがいつまで経っても帰らないので、心配した夫が探しにきてくれましたが、調子が悪いのに寒い中をわたしを探して王宮内を駆け回ったせいで、夫は熱をぶり返してしまいましたの」
「それは大変だ。後で、滋養に良いものを見舞いに届けさせよう」
宰相が背後の秘書に目配せすると、心得たといった様子で秘書は頷いた。
「ところで、昨夕、王宮内で王太后様に会ったか?」
「えぇ」
「陛下には?」
「はい」
「王女殿下から妙な言づてを預かっているのだが……女官にはしない、と」
「まぁ、残念」
まったく落胆する様子を見せず、ベルティーユは楽しげに呟いた。
「昨夕、儂の執務室を出てからなにがあった?」
「伯父様なら、ほとんどご存じでしょうから、わたしの口から改めて申し上げることなどありませんでしょう」
「ダンビエール公爵が謀反を起こしかねない事件が起きたとしか報告を受けていない」
「あら、そんな恐ろしいことがありましたの?」
「身内に謀反を起こされては困るからな。公爵が本気を出せば、王座を奪うこともたやすかろう」
「夫はそんなことはしませんわ」
「どうだかな――」
ベルティーユの曖昧な返事をどう判断したのか、宰相はため息をついた。
「公爵の本心はどうであれ、謀反を起こすきっかけを与えた者が王宮内にいるのであれば、儂の責任にもなりかねない。まったく、近頃はなにかと細々とした面倒ごとが多くて困る」
「伯父様の気苦労が絶えないことは存じておりますわ」
「それは心強いな。それはそうと、昨日公爵に手紙を出した件だがな」
「え? あぁ、はい」
そういえば、伯父からの手紙が一通は間違いなく届いていたのだということをベルティーユは思い出した。
「ロザージュ王国の大使として、公爵に赴任して欲しいのだ」
「大使?」
「部下には儂の愚息を付ける。好きにこき使ってかまわない」
「ルイを? それとも、ジャンを?」
宰相には三人の息子がいるが、成人しているのは上のふたりだ。
「ルイだ。遊学させていたが、呼び戻した。最初があれを大使という名の人質としてロザージュ王国に送り込むこと考えたが、政治経験がなさすぎてさすがに無理だと判断した。ダンビエール公爵なら若いが適任だ」
「……人質?」
「いざとなればルイにすべて押しつけて帰ってくれば良い」
「逃げ足の速さはルイの方が上だと思いますけど」
「あれが先に戻ってきたら、国境で追い返す」
きっぱりと宰相の顔で断言した。
「つまり、伯父様は夫に謀反を起こされると困るので、大使という名目で国外追放したいということですか?」
「他に適任がいないだけだ」
「そうでしょうか……。で、もしこの話を夫が受けた場合、いつ頃の赴任になるのですか? 来年?」
「できるだけ早く。数日中にこちらを発ってくれてもかまわない」
「数日中!? この時期に?」
「いろいろと微妙な問題が山積しているのだよ。陛下がおっしゃるには、近日中に多少は改善が見られそうだとかなんとかはっきりしないことをおっしゃっていたが、ロザージュ王国との関係は良いとは言いがたい」
宰相が告げると、秘書官は手にしていた封筒を机の上に置いた。
封蝋で王家の紋章が押されたものは、国からの正式な書類にのみ使われるものだ。
「公爵には、この話を受けてくれることを期待していると伝えてくれ」
「――わかりました」
封筒を手に取ると、ベルティーユは困惑した表情を浮かべながら頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる