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その姿に目を開く。ツーツェイと同じ橙色の綺麗な髪と瞳。その姿は写真より年齢を重ねていたが美しく気高いのは変わらなかった。綺麗な瞳が揺れて涙が滲んでいて、その隣で寄り添う男性の瞳にも涙か溢れる。
(この人たちは……)
「ツーツェイ、会いたかった」
その二人に強く抱き寄せられる身体。身体を包む温かく、どこか懐かしい体温。
(お母様っ、お父様っ……)
「ごめんなさい……ごめんなさい……ツーツェイ」
「ツーツェイ……すまない」
泣きながら何度も謝る姿に、ツーツェイも瞳から涙を流して首を振る。そんなツーツェイにまた涙を流して抱き寄せた。
「先王から逃がすために手放したということらしい。許してやれ」
はっとツーツェイが顔を上げると、眉を寄せて母親である女王陛下が説明してくれる。
「言葉を発せられるようになったときに気がついたの。あなたに力があることを……」
「先王に気が付かれれば悪いように利用されることはわかっていた。だから……」
そうなる前にツーツェイは死んだことにされたらしい。力に気づいてからすぐに乳母である女性に遠くの国へ連れていくように指示して城から出した。先王を退位させるまでの間と思っていたが何年か掛かってしまって、退位させたあと必死に探したが見つからなかったそうだ。
(たぶん、あの人も重圧に耐えられなかったのね)
母親だと思っていた乳母。ミレイア国で捨てられたツーツェイはそう思う。それに評判の悪いシュナウザー伯爵家に置けば、あまり外に出されずに人に見られることも関わることもないだろうと考えがあったのだろう。
いきなり城を出されて見知らぬ遠い土地で強い力を持った王女を隠し通すという重圧に耐えられなくなった乳母をツーツェイは責める気にはならなかった。
「色々炙り出すために、そちらの悪の根源たちを引き受けたがまさかこんなことになるとはな」
「……アーノルド皇帝、申し訳ないわ」
「いやいい。これで良い交流が始められそうだからな」
「ありがとう。感謝するわ」
(やっぱりあの貴族たちはリンドワールの国の方々だったのね)
聞けば今回の貴族の交流でぼろを出すのを狙っていたらしい。帝国内で騒ぎを立てればすぐに処分できるようにとの考えだった。案の定、帝国内で横暴な態度を取るものばかりだったそうで国で処分をするとのことだった。
様々な想いが交錯していたのにツーツェイがほうっと驚きとともに感心してしまう。そんなツーツェイに向けられる金色の瞳。
「ツーツェイ、お前はどうしたい」
皇帝陛下が問いかける。その瞳は真剣なものだった。
「母国へ帰るか? 帰れば王女となれるが」
(王女……)
それにはっきり気がついたのはついさっきだ。その響きに身近なものになって、身体が硬直する。
(王女……ただの平民の使用人だった私が王女!?)
まさか平民の使用人として生きてきたのにいきなり王女とはと頭がぐるぐると混乱してくる。
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