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しおりを挟む倒しても倒しても終わらない魔物の数に、私の体が悲鳴を上げ始めていた。
もう何時間経っただろうか。
時間の感覚が狂う程に次から次へと魔物がやってきて、それを切り捨てる。
最初こそ、魔物の血をあまり浴びないように気をつけて立ち回っていたが、もはやその余裕すらない。
「リア、大丈夫か!
くそっ、次から次へと来る……」
レオの声が聞こえた。
それだけで、安心してしまうのは、それだけ共に居て、共に戦った時間が長かったということだろう。
「ふふ、私を誰だと思っていますの?
私は、あのお母様の娘で、SSランク冒険者になる者ですわ!
その私が、他の者が戦っているも関わらず倒れるはずがないでしょう!」
レオが声をかけてくれたお陰で、少し前向きになれた。
お母様なら……もう、そう思って戦うことはやめよう。
私は、お母様の戦い方を真似することなんて出来ませんから。
ならば、レオのように、ただ前だけを見ていよう。
「レオ、伝令をお願いします。
今から大技を使います。
そのために、周囲の人の避難をお願いします」
「……分かった。
死ぬなよ、リア」
「当然ですわ」
今、私に出来る全力を出しましょう。
それが、この戦いを終わらせる一手になるというのならば、躊躇う必要はない。
「この魔法は、今までのように生温くはない。
言葉がわかるとは思えませんが……。
死にたくなければこの場から立ち去りなさい」
一応、警告をしたのは、私自身、この魔法をあまり好きにはなれなかったからだ。
これは、あの結晶型よりもタチが悪い。
『銀魔法ー結晶境界型ー範囲ー対象指定ー展開ー発動トリガー』
この魔法には、他とは違い、発動トリガーがある。
それだけ危険で、凶悪だからだ。
そして、私はトリガーを口にした。
『白銀の世界へと誘え』
その瞬間、私の足元から銀が広がった。そして、全てを覆い尽くすかのように私の指定した範囲へと一気に広がった。
「っ……やはり、これだけの範囲となるとキツいですわね」
人並み以上の魔力を持つ私が倒れそうになるほどだ。
他の者では発動すら出来ないだろう。
いや、それ以前にオリジナルの銀魔法を持っていないといけないという前提条件もある。
他にこれが使えるものは居ないだろう。
だが、だからこそ、私は他人から怖がられる。
「リア!
大丈夫か!
私が力不足なばかりに……。
済まない、必ず、必ず強くなってリアの隣に立てるようになる。
だから……」
私は、そのままレオの腕の中で気を手放した。
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