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しおりを挟む王都の外へ出るといつもの様にエデンとリアンにもとの姿へと戻ってもらう。
すると、レオニード様も含め、全員がその大きさに感嘆した。
そんな私達にリアンとエデンは乗れという様にしゃがみこんだ。
私はそれに頷くとエデンの背に飛び乗り先輩達を促す。
全員が乗ったのを確認してから私は2頭へと合図を出し、目的の砂漠へと進み出した。
「アメリア、お前異常だな…」
ラン先輩にいきなり失礼な事を言われた。
「……私は普通ですわよ?」
そう答えるものの次には断言された。
「いや、お前は完っ全に!
異常だ!」
と。
「普通なら、その歳でSランクにはならねぇし、竜種との契約も結んでねぇよ!
しかも2頭の、古竜や銀竜とは!」
「それは……勝手に契約されていたんですわ……」
「いや、もうその時点で普通じゃねぇだろ」
普通ではない、その言葉に私は何も言えなくなる。
だが、すぐに考えを改めた。
……普通ではないのだからこそ、SSランクになれるのではないか、と。
ならば褒め言葉ではないか、と逆に機嫌が良くなった私だった。
………何事もポジティブに考えるのはいいことだよね?
『主よ、そろそろだ。
準備はよいな?』
「えぇ」
そして、エデンは急降下を始めた。
「エ、エデン!?
もっと緩やかに降下して欲しいのですが…っ!?」
『む……?
何故だ。
この方が面白いではないか』
そのエデンの声はいつもよりも浮かれているという事が分かる声であった。
その声に私は理解する。
即ち
『あぁ、これ何を言っても無駄ですわ…』
と。
私は半場諦めてその風景を楽しむ事にした。
「アメリアァァァ!?」
「ヒャッホーイ!!」
前者はレオニード様、後者はラン先輩だ。
ラン先輩が異様にテンションが高いのはエデンの同類だからなのだろう。
そしてようやく地に降りると私はホッとため息をつく。
そして帰ったらエデンにきつくいわなければいけないな、と思うと依頼へと集中した。
「トール、頼むぜ」
「はい、頑張らせてもらいます。
最初に、ですが…個人の力の確認をしておきたいので最初は1人1匹ずつ、順番にしてください
危険そうなら他の人が助けに入るという感じでお願いします」
「おう!
じゃあ、トール、レオニード、ラナス、ロイド、俺、アメリアの順でやるぞ!
トールの補佐はラナスに頼むぜ」
私達はそれぞれ返事を返すとワームの発現場所に向かって移動を始めた。
「…斜め右、推定1km先にワームの群がありますわ。
数は……約40、でしょうか?
1体おびき寄せせますわ」
「……何で分かるんだよ…」
私は首を傾げ、その方法を答える。
「魔力を広げているだけですから意外と簡単に出来ますわよ?」
「出来ねぇよ!?」「出来ないからな!」「アメリアがおかしいだけだ!」
「…………無理」「出来ません」
すると、全員一致で否定された。
おかしいのは私ではなく皆の方だと思うのだが……と思う。
何故ならお母様もお父様も普通に使っていたからだ。
少なくともトール先輩も覚えた方がいいと思うが。
便利だし……。
「あら……申し訳ありませんが、2体きてしまったようですわ」
私がそう口にした瞬間、地の底からワームが2体、飛び出してくる。
「……………1体は、やる……」
ラナス先輩はすぐに弓を構えて、ワームの脳天に向けて放った。
ラナス先輩の放った矢は見事、ワームの頭に刺さり、そのまま1体は倒れてしまう。
そしてトール先輩はというと……。
一本のナイフを構えていた。
『オリジナル魔法-拡大魔法-延長-待機』
どうやらトール先輩もオリジナル魔法を持っているようだ。
そして、トール先輩はそのまま駆け出すとワームの5m程前で飛び上がった。
『待機解除-発動』
ナイフはみるみるうちに伸び、ワームの頭上まで伸びたところで止まる。
そして、トール先輩は大剣となったナイフを振り上げた。
そこでワームが真っ二つに切り裂かれ終了した。
……何とも呆気ない戦いだった。
「……普通の強くねぇか?」
「そうでもありません。
拡大魔法は結構魔力を使う事になるのでそうそう使えるものでもないので……」
トール先輩は苦笑しながら欠点を口にするとラン先輩は納得したように次の獲物を探し始めた。
だが、その頃には既に魔法を使い1体ずつ隔離しているため私はワームを1体放出する。
「次、来ます」
「おう!
んじゃ、次はレオニードだな。
頑張れよ!」
「はい、出来る範囲でやってみます…!」
レオニード様はワームが下にいる事に気づいたのかその場から離れた。
そしてその瞬間、ワームはレオニード様のいた場所から出てくる。
だがレオニード様もBランクだ。
慌てずに対処し、簡単に倒してしまった。
そしてそれからラナス先輩は先程やったため飛ばしてロイド先輩、ラン先輩が倒し終わり私の番になった。
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