41 / 69
40
しおりを挟む
全員揃ったところでようやく訓練が開始された。
最初の訓練は武器や科目事に別れての訓練だ。
勿論、私は剣術をとっている。
レオニード様も同じく剣術だ。
レオニード様ならばもう少し他のものも取れると思うのだが……。
「剣術科目の生徒だな?
じゃあ…初めに軽く打ち込みを300だ。
1人1人に着くからな?
ズルでもしたら……分かっているな?」
その言葉に私とレオニード様以外は震え上がる。
私とレオニード様が震えなかったのはお母様よりも厳しくなさそうだったということと300程度なら楽にこなせると思ったからだった。
「300、ですか……。
あの、あなたが私の担当の方ですの?」
「え?
あ、あぁ…そうだが……」
「では、300×3が終了するか、周りの方々が終了したら教えてくださいませんか?」
「あ、あぁ…そのくらいなら……」
「ありがとうございます」
教えてくれる様なので私はただ、軽く剣を構え1回だけ振る。
そして、どの程度の力でどのような動きをするのかを決めたところで深く息を吸い込み自分の世界に入り込んだ。
そして、次の瞬間物凄い速さで目の前にあるカカシに打ち込んでいく。
無駄がなく、ただ無心に打ち込む。
それが私がお母様から教わった打ち込みの仕方だった。
「お、終わりました!
終了です!!」
その声にピタッと動きを止めるとぺこりと頭を下げお礼を告げた。
だが、やはりところどころ失敗してしまったようで均等に力が入っていなく、最後の方は少しだけ力が弱くなっていた気がした。
私は1度水分補給をしてからもう一度やり始めた。
今度は均等に、終始同じ力で。
全ての力を活かすように。
そして、少しでも早く動けるように。
無駄のある動きをしないように。
隙を失くすように……。
様々な事を意識しながら同じ速度で続けていく。
だが、ただ打ち込むだけではなく、それによる反動を地に流す感覚を意識する。
これもよくお母様に言われたことだった。
剣は自分の一部…。
剣の心を聴け、そうも言われてきた。
だからこそ私は、剣を握る時は深いところへと落ちる。
自分の視界が遠くにある感覚、それを掴む事が強くなるための第1歩だと、そう教わった。
『へぇー。
その教え、いいね。
でも、もう少し深く落ちてこなきゃ』
誰かの声が聞こえた。
懐かしい声だ。
その声はのんびりと、ゆったりとした優しげな声で全てを癒してくれそうな…そんな気がする。
『嬉しい事言ってくれるね、君は』
まただ。
頭の中に響いてくる。
酷く、心地良いとさえ感じる。
そして私はその声に導かれ、深いところへと落ちていく。
そしてそこで、私は1人の少年がいた。
闇色の髪にどこか寂しげに見える黒の瞳。
私が白銀だとするのであれば、正に対極の存在。
そう感じた。
『初めまして、そして久しぶり』
「あなたは……?」
『僕は、始まりの者。
君と共に、生まれ落ちた者』
「私が……?
あなたと……?
そんなはずはありませんわ」
少年はそんな私を見て悲しげに瞳を揺らした。
どうしてそんな顔をするのかが分からなくて私は戸惑うばかりだ。
『君は、あの約束でさえ…忘れてしまったんだね……。
アメリア』
「何を……何を言っていますの……?」
『今は、まだいいよ。
君が君でもある日を思い出す、その日まで僕は………またね、アメリア』
悲しげに見つめる少年は最後にフッと微笑むとゆらゆらと手を振ってきた。
「っ!」
急に引き戻されるような感覚の後、私はカカシの前に立っていた。
「アメリア、少し休憩しないか?」
「え?
えぇ、そうですわね」
私は先程の事を忘れることにして休憩へと入った。
最初の訓練は武器や科目事に別れての訓練だ。
勿論、私は剣術をとっている。
レオニード様も同じく剣術だ。
レオニード様ならばもう少し他のものも取れると思うのだが……。
「剣術科目の生徒だな?
じゃあ…初めに軽く打ち込みを300だ。
1人1人に着くからな?
ズルでもしたら……分かっているな?」
その言葉に私とレオニード様以外は震え上がる。
私とレオニード様が震えなかったのはお母様よりも厳しくなさそうだったということと300程度なら楽にこなせると思ったからだった。
「300、ですか……。
あの、あなたが私の担当の方ですの?」
「え?
あ、あぁ…そうだが……」
「では、300×3が終了するか、周りの方々が終了したら教えてくださいませんか?」
「あ、あぁ…そのくらいなら……」
「ありがとうございます」
教えてくれる様なので私はただ、軽く剣を構え1回だけ振る。
そして、どの程度の力でどのような動きをするのかを決めたところで深く息を吸い込み自分の世界に入り込んだ。
そして、次の瞬間物凄い速さで目の前にあるカカシに打ち込んでいく。
無駄がなく、ただ無心に打ち込む。
それが私がお母様から教わった打ち込みの仕方だった。
「お、終わりました!
終了です!!」
その声にピタッと動きを止めるとぺこりと頭を下げお礼を告げた。
だが、やはりところどころ失敗してしまったようで均等に力が入っていなく、最後の方は少しだけ力が弱くなっていた気がした。
私は1度水分補給をしてからもう一度やり始めた。
今度は均等に、終始同じ力で。
全ての力を活かすように。
そして、少しでも早く動けるように。
無駄のある動きをしないように。
隙を失くすように……。
様々な事を意識しながら同じ速度で続けていく。
だが、ただ打ち込むだけではなく、それによる反動を地に流す感覚を意識する。
これもよくお母様に言われたことだった。
剣は自分の一部…。
剣の心を聴け、そうも言われてきた。
だからこそ私は、剣を握る時は深いところへと落ちる。
自分の視界が遠くにある感覚、それを掴む事が強くなるための第1歩だと、そう教わった。
『へぇー。
その教え、いいね。
でも、もう少し深く落ちてこなきゃ』
誰かの声が聞こえた。
懐かしい声だ。
その声はのんびりと、ゆったりとした優しげな声で全てを癒してくれそうな…そんな気がする。
『嬉しい事言ってくれるね、君は』
まただ。
頭の中に響いてくる。
酷く、心地良いとさえ感じる。
そして私はその声に導かれ、深いところへと落ちていく。
そしてそこで、私は1人の少年がいた。
闇色の髪にどこか寂しげに見える黒の瞳。
私が白銀だとするのであれば、正に対極の存在。
そう感じた。
『初めまして、そして久しぶり』
「あなたは……?」
『僕は、始まりの者。
君と共に、生まれ落ちた者』
「私が……?
あなたと……?
そんなはずはありませんわ」
少年はそんな私を見て悲しげに瞳を揺らした。
どうしてそんな顔をするのかが分からなくて私は戸惑うばかりだ。
『君は、あの約束でさえ…忘れてしまったんだね……。
アメリア』
「何を……何を言っていますの……?」
『今は、まだいいよ。
君が君でもある日を思い出す、その日まで僕は………またね、アメリア』
悲しげに見つめる少年は最後にフッと微笑むとゆらゆらと手を振ってきた。
「っ!」
急に引き戻されるような感覚の後、私はカカシの前に立っていた。
「アメリア、少し休憩しないか?」
「え?
えぇ、そうですわね」
私は先程の事を忘れることにして休憩へと入った。
0
あなたにおすすめの小説
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
王太子に理不尽に婚約破棄されたので辺境を改革したら、王都に戻ってきてくれと言われました
水上
恋愛
【全18話完結】
「君は中身まで腐っている」と婚約破棄されたエリアナ。
そんな彼女は成り行きで辺境へ嫁ぐことに。
自身の知識と技術で辺境を改革するエリアナ。
そんな彼女を、白い結婚のはずなのに「膝枕は合理的だ」と甘やかす夫。
一方、エリアナを追放した王都では、彼女の不在の影響が出始めて……。
「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう
ムラサメ
恋愛
漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。
死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。
しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。
向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。
一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?
前世で追放された王女は、腹黒幼馴染王子から逃げられない
ria_alphapolis
恋愛
前世、王宮を追放された王女エリシアは、
幼馴染である王太子ルシアンに見捨てられた――
そう思ったまま、静かに命を落とした。
そして目を覚ますと、なぜか追放される前の日。
人生、まさかの二周目である。
「今度こそ関わらない。目立たず、静かに生きる」
そう決意したはずなのに、前世では冷酷無比だった幼馴染王子の様子がおかしい。
距離、近い。
護衛、多い。
視線、重い。
挙げ句の果てに告げられたのは、彼との政略結婚。
しかもそれが――彼自身の手で仕組まれたものだと知ってしまう。
どうやらこの幼馴染王子、
前世で何かを盛大に後悔したらしく、
二度目の人生では王女を逃がす気が一切ない。
「愛されていなかった」と思い込む王女と、
「二度と手放さない」と決めた腹黒王子の、
少し物騒で、わりと甘い執着政略結婚ラブストーリー。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。
秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。
「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」
第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。
着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。
「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。
行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。
「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」
「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」
氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。
一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。
慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。
しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。
「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」
これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
偽りの婚約者だった公爵令嬢、婚約破棄されてから本物の溺愛をされるまで
nacat
恋愛
平民出身ながら伯爵家に養子に入ったリリアーナは、王太子の婚約者“代役”として選ばれた。
王家の都合で結ばれたその関係に、彼女は決して本気にならないはずだった。
だが、王太子が本命の公爵令嬢を選んで婚約破棄を告げた瞬間、リリアーナは静かに微笑んだ――。
「お幸せに。でも、“代役”の私を侮ったこと、きっと後悔させてあげますわ」
婚約破棄後、彼女は外交の任務で隣国へ。
そこで出会った冷徹な将軍との出会いが、すべてを変えていく。
“ざまぁ”と“溺愛”がスパイラルのように絡み合う、痛快で甘くて尊い恋愛劇。
///////
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる