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しおりを挟むイオとの仮契約を済ませた私は皆のもとへ戻り謝罪をしてから訓練に戻ろうとしたが、やはり…というべきか教官に捕まってしまった。
そしてみっちりとイオの件で絞られてから本来のメニューの倍をやらされた。
まぁ、お母様のメニューよりも楽ではあったが。
「アメリア!
何かやる事はないか!」
ただ、イオが先程から自分のやる事を訪ねてきてうるさかった。
しかも、キラキラとした目で見られるので何か頼まなければいけないような気がして辛い。
しかも、1度大丈夫だと言ったら酷く残念そうな顔をするのだ。
はっきり言ってやりにくい。
とはいえ、まさか本人の前で言えるはずもなく私は素振りをしながら考えるという器用な事をやっていた。
「そう、ですわね。
イオには簡単すぎるかもしれませんが…魚を30程捕まえてくださいますか?
とった魚は夕食に出しますので、今はまだ生かしたままでお願いしますわ」
「あぁ!
任せろ!」
そして、イオがいなくなったことを確認すると私は大きな溜息を吐いた。
「…主よ、済まぬな。
あやつに悪気は無いのだが……」
「えぇ、分かっていますわ。
まぁ、だからこそタチが悪いのですが…」
そう。
イオは単純な善意でやっているだけなのだ。
そこに悪意があるはずもなく……。
だからこそ余計にタチが悪いものであった。
しかも、頼めば目を輝かせて行くのだから断るにも断れない。
そんな状況を思い浮かべ、私は再び盛大な溜息を吐いた。
「…ふむ、いっその事、時間を決めそれまでこの辺に魔物が近ずかせぬように、と頼めばどうだ?」
「その案、採用させていただきますわ」
エデンの考えた作戦で行く事にする。
時間は……私が良いと言うまでにしておけば問題ないだろう。
やっと片付いたイオの問題に私は解放感を感じたがすぐに剣の事を考え始めた。
もっと速く、もっと複雑に、もっと踏み込みを深く、もっと腰を落として……。
様々な直すべき部分が浮かび上がり、それを一つ一つ、順に消していく。
目指すはお母様の隣。
お母様のように鋭く、風のような一撃を。
お母様のように美しく、無駄のない動きを。
お母様のように強く、気高くあることを。
自らの師であり、決して低くはない壁に向かって私は一心不乱に剣を振るう。
ただ強くなりたい一心で。
何も失わなくとも良い程の強さを求めて。
気付けば周りの音は消え去り、ただ剣が風を切る音のみが響き渡る。
その音を聞く度に私は己の欠点を見つけ、直すという作業にも似た訓練を何百、何千と重ねていく。
そして、何時間にも続いたように思えた舞を思わせる動きを止め、見つめるのは既に落ちかけている夕暮れだった。
私は乱れた息を整えると剣を片付け、イオに礼を告げてからレオ達のもとへと戻っていった。
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