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しおりを挟むと、いうわけで私は先輩達をオークの群へと誘導していた。
これ以上放置しておけば他の村までもが被害にあうかもしれないからだ。
それもあってか私は少し急いでいた。
ただ、頭に残るのはあの、私と契約をしようとしてきたオーク。
普通は話せないはずであるのだが、あのオークだけは話していたのだ。
あれは、ユニークなのだろうか?
「リア、どうかしたか?」
「いえ、何でもありませんわ」
私はすぐに思考に蓋をするとただオークの群へと歩き出した。
洞窟の前の茂みで止まると少し離れて私達は座った。
「あそこか…。
トール」
「はい、作戦を話します。
前衛はラン先輩とロイ、レオニード君で。
主にラン先輩が中心になってもらいます。
中衛はアメリアさんと僕。
後衛をラナス先輩にお願いします」
「アメリアが中衛か?」
「はい。
アメリアさんは魔法も使えるという事でしたので援護に回ってもらいます。
ロイの体力が限界になった場合や、何か予想外の事が起きた場合には前衛へ回ってもらえるよう、中衛にしました。
それと、もし、背後から敵が来た場合にも備えての事です」
まぁ、私はお母様と2人で行っていた討伐の時と同じように行動をすればいい様だ。
レオが後衛から前衛になったのはきっと弓の制度の問題だと思う。
「分かりましたわ。
ですが、先輩方にはどの様な魔法を使え
ばよろしいでしょうか?」
レオに使ってる魔法だけで大丈夫そうかを一応訪ねてみる。
「そうだね……前衛3人には脚力の強化以外を。
僕達の方へは出来たらでいいんだけど…防御をお願い」
「はい。
ですが、脚力はいいんですの?」
「あぁ。
脚力を強化すると切れた時に違和感があって戦いにくいからね」
「リアは戦闘の最中、魔法を切らした事は1度もないですよ?」
無理そうになった時は銀魔法を使うからだ。
そのため、魔法を途中で切らせる事なく最後まで持たせられるのだ。
魔力に関しても人並み以上にはあるらしく問題はない。
「なら、お願いしてもいいかな?」
「はい、問題ありませんわ」
と、いう事で先程トール先輩に指示された位置につくと私は魔法を使用しそのまま洞窟へと入った。
すると、すぐにオークに気付かれたようでこちらに向かってくる。
『属性魔法-火-炎舞-発動』
普段ならばあまり使用する事の少ない火属性の魔法を選び使用する。
理由は簡単。
オークの肉は脂がのっていて良く燃えるからだ。
中でもこの炎舞は舞というだけあってか炎がまるで舞を踊っているかのように飛び回る。
これを先輩達に当たらないよう制御するのは大変なのだがその分、よく倒せるためあまり文句は言えなかった。
第一波を倒した私達は壁によりかかり少し休憩を取る。
「ロイは一旦中衛に下がって。
アメリアさんは…そのまま中衛でお願い」
「俺は、まだっ…」
息を切らせながらまだやれるのだと口にするロイド先輩にトール先輩は困り果てたような表情を浮かべた。
「ロイ、薙刀なら大丈夫かもしれないけど徒手では無理だよ。
それ以上は邪魔になる」
…トール先輩は以外にもバッサリと切り捨てた。
悔しそうな顔をするロイド先輩に私はある提案を出した。
「ロイド先輩が普段使用している薙刀のサイズはどれくらいなのでしょうか?」
「え…刀身が50の柄130だが」
それくらいであれば問題はなさそうだ。
『銀魔法-形状変化-薙刀-発動』
私は白夜を薙刀の形状に変化させるとそのままロイド先輩に手渡した。
「薙刀さえあれば問題ないのでしょう?」
ならばこれで大丈夫だろう、そう言うように微笑んで。
「あぁ…サンキュー、アメリア」
「いえ、これくらいでしたら問題ありませんわ」
そして、先程と同じように私達は洞窟の中を進み出した。
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