転生したようです?

紗砂

文字の大きさ
3 / 7

6歳になりました

しおりを挟む
時が経ち、私は既に6歳となっていた。


「フィー、教会へ行くぞ」

「教会……?」

「えぇ、そうよ。フィーの魔法の適正を調べるのよ」


どうやらそういうことらしい。魔法、という言葉に私は目を輝かせる。
日本にはなかった魔法、しかも生活魔法ではなく属性魔法。
これが楽しみではないはずがなかった。

その時の私はあの、クジの事は忘れてしまっていたのだから。


「お母様とお父様はどんな属性を持っているのですか?」


教会へ行く馬車の中、私はキラキラと目を輝かせて両親に尋ねた。


「私は水と風よ。とはいっても、風の適正はあまり無いのだけど…」

「私は火だな。アレンは火と風だったはずだ」


知ってはいたが魔法は遺伝の関係もあるらしい。
光を取りたかったのだが、チャンスはあるだろうか?

光の中には治癒系の魔法も含まれるので私としてはかなり重用する属性なのだ。


「フィーはどんな属性が欲しいの?」

「私は風と光が良いです!」


風なら上手くいけば空を飛ぶこともできそうだし。
やっぱり、空飛んでみたいよね。


「そう、取れるといいわね」

「はい!」


お母様とお父様はそんな私を微笑ましそうに見つめながら優しく撫でてくれた。
この優しい両親が私は大好きだ。

教会に着くと、祭司の階位を持つ人が私達を出迎えた。


「お待ちしておりました。ランドウルム伯爵様。
本日は適正検査という事でしたが……」

「あぁ、この子、フィオナを頼む」

「畏まりました。フィオナ様、こちらへどうぞ」


私は少し不安になり、お父様を伺うとお父様はフッと笑った。


「フィー、大丈夫だ」

「はい」


そのお父様の言葉で私はその祭司に付いていく。

連れて行かれた先は真白い部屋だった。まるで、どこぞの不審者のいたような……。


「では、適正検査を始めます」

『我等を見守りし神々よ、汝らが子に真なる御加護を……』


などと呟いた後、水晶に触れるように私に言った。
その言葉通りに水晶に触れるとプレートが落ちてくる。

……一体、どんな仕組みになっているのだろうか。
何故推奨からプレート? さすがは異世界。意味がわからない。
そのプレートを祭司は拾うと顔色を変えた。


「こ、これは……! 私の手に負えるものでは……!!」


プレートを机の上に置くと、その祭司はどこかへ行ってしまった。
そして、ポツンと残された私はその原因となったプレートを取り、見てみる事にした。

……いや、何か一言くらい言ってからどこか行こう? 別にいいけど。


【フィオナ・ランドウルム

火・風・水・土・光・闇

『浮遊』『奇跡の光』『無限成長』】


と書かれたプレートに私はあの不審者を思い出す。
そう、あの時引かされたクジだ。あれに書かれていた六つの事を。


「こんな、こんなチート要らない……!
何してくれるんだ、あの不審者め!」


少し乱れてしまったのも仕方ない。
しばらく考えてから、私はお父様とお母様の元へ帰る事を決めた。
ただ、あのクジに書かれていたことは、まだあったはずだ。
魔力量増大と暗器適正という、二つが。


「お父様、お母様!」

「……フィー?」

「祭司様はどうしたの?」

「どこかへ行ってしまいました」


嘘ではない。原因というか、理由を言わなかっただけで本当の事である。
そう、私はこども。こどもだからわからない。うん、これでいこう。


「そうか……。まぁ、いい。店を予約してある」

「では、そこで話しましょうか」

「はい!」


私はプレートを隠したまま、教会から立ち去った。
この新しい人生を棒にふるような事を私がするわけがないのだ。


「フィー、プレートは持っているか?」

「はい」


私はお父様の言葉に対する返事と共にプレートを机の上に出す。
何かあった時、お父様とお母様が知らなければ問題になると思ったからだ。


「なっ……」

「これは……」

「異能持ち……。神の子、か」

「……あなた」


異能とは属性以外の魔法であり、そのものしか持たぬ特別な魔法の事だ。

神の子、とは特異な子供の事を指す呼び方だった。
特異と言っても魔力が全くない、などという者ではなく、強大すぎる力を持つ者の事だ。
そしてその者達は皆、寿命が短い。
それは、力が強すぎるが故に体が持たないからだ。
だが幸い、と言うべきか私には成長に補修がある。
そのため、寿命は他の者と比べても大差はない、と信じたい。



「しかもこれは……」

「えぇ、他の神の子と比べても異常としか……」


どうやら異常らしい。あの駄神め。面倒な事をしてくれた。
私は普通で良かったのに……。これのどこがお詫びだ。


「ですが、フィーを教会には!」

「……あぁ、分かっている。
王家に庇護を頼もう。それでいいか、アンナ」

「……それが、この子にとって最善だと分かっていますから」


どうやら決まったらしい。


「お父様、お母様…?」

「あぁ、済まないフィー」

「さぁ、食べましょう?」


そのお母様の悲しげな笑みに私は表情を曇らせたのだった。


しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

舌を切られて追放された令嬢が本物の聖女でした。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

「美しい女性(ヒト)、貴女は一体、誰なのですか?」・・・って、オメエの嫁だよ

猫枕
恋愛
家の事情で12才でウェスペル家に嫁いだイリス。 当時20才だった旦那ラドヤードは子供のイリスをまったく相手にせず、田舎の領地に閉じ込めてしまった。 それから4年、イリスの実家ルーチェンス家はウェスペル家への借金を返済し、負い目のなくなったイリスは婚姻の無効を訴える準備を着々と整えていた。 そんなある日、領地に視察にやってきた形だけの夫ラドヤードとばったり出くわしてしまう。 美しく成長した妻を目にしたラドヤードは一目でイリスに恋をする。 「美しいひとよ、貴女は一体誰なのですか?」 『・・・・オメエの嫁だよ』 執着されたらかなわんと、逃げるイリスの運命は?

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?

naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。 私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。 しかし、イレギュラーが起きた。 何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

処理中です...