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いざ王都へ!
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適正検査から二週間後、私達は王都に来ていた。
私とお母様は観光をしていていいようだったがお父様は王宮に用があるらしい。
やはり貴族は大変なのだと改めて感じる。
「さて、フィーはどこか行きたいところはある?」
「お兄様に会いたいです!」
お兄様は王都の学園に通っているので会えるはずだ。
滅多に会うことのない優しい兄は私にとって今最も会いたい人だった。
「なら、後で迎えに行きましょうか」
「はい!」
久しぶりとなるお兄様との再会に胸を踊らせながら私は初めて見る王都の街並みを楽しんでいた。
結果を言うとお母様に付き合わされた。
色々な店に行ってはドレスなどを見て着せ替え人形にされた。
そのせいで私はクタクタだ。
その後は約束通り、お兄様を迎えに学園に行った。
ただし、お母様が行くのは不味いという事で私だけだが。
「あら、こども? どうかしたんですの?」
「えっと、お兄様を待っているんです……」
貴族だろう人に話しかけられ萎縮してしまう私にその人は優しげに微笑みかけてきた。
「お兄様、ですの? そのお兄様のお名前は?」
「アレン・ランドウルムです」
「まぁ、まぁ……! あの、アレン様の妹さんでしたの……。
でしたら、問題はありませんわね。アレン様は研究室にいらっしゃるでしょうから行きましょう」
「はい! ありがとうございます」
入っても問題はないようなので私はその人の後に付いていく。
「私はティファニー・エルドレッドと申しますわ」
「フィオナ・ランドウルムです!
ティファニーお姉様とお呼びしてもよろしいでしょうか……?」
「ティファでいいですわ、フィオナちゃん」
「はい、ティファお姉様! 私の事はフィーと呼んでください」
「えぇ、フィー」
ティファお姉様は本当に優しくて綺麗な人だ。
ピンクゴールドの髪は勿論、薄紅色の瞳も優しげに見える要素の一つであった。
「ここですわ。アレン様、いらっしゃいますか?」
「……何?」
久しぶりに見たお兄様は冷たい声で返事を返した。
扉から出した顔も前に会った時とは異なり、冷たく尖った感じがする。
「私はこの子を案内して来ただけですのでこれで失礼致しますわ」
「フィー!? どうしてここに……」
お兄様は私を見ると先程とは打って変わって冷たさなどどこにも見えぬ優しく、暖かい表情になった。
お兄様の青い瞳が温かさを含む、落ち着いた色になっていく。
「お兄様に会いに来ました! ……ご迷惑、でしたか?」
「そんな事ないよ。ティファニー嬢、ここまでフィーを案内してくれた事、感謝します」
「いえ。フィー、また会いましょう」
「はい! ティファお姉様、ありがとうございました」
元気良く挨拶をする私にティファお姉様だけでなく、お兄様も微笑んだ。
「フィー、悪いけど中で待っていてくれる? すぐに終わらせるから」
「はい!」
お兄様に部屋の中へ入れてもらい、後ろの方にあった椅子に座る。
そんな時、ノックも無しで部屋に入って来たのは王家の印とも言える金の瞳を持った人だった。
金髪という事もあり、あまり瞳は目立たない。
「アレン、その子供はなんだ?」
「はぁ、カインには会わせたくなかったんだけど……。
僕の妹だよ。フィー、おいで」
お兄様に呼ばれ、私はタッタッタッと小走りでお兄様に近づく。
そして、カインと呼ばれた人から隠れるようにしてお兄様にしがみついた。
「この子はフィオナ。僕の可愛い妹だよ。
フィー、この人はカイン。一応王子だけど、気にしなくていいよ」
「おい、一応とは何だ」
カイン様は、ムッとした様子でお兄様の言葉に食くと、お兄様は肩をすくめた。
「だって、カインに敬うところなんて何も無いだろう?」
「……お前は、本当に遠慮がなくなったな」
カイン様とお兄様は仲がいい様で軽口を言い合っている。
「フィー、おいで」
お兄様に呼ばれ近付くと私はお兄様の膝の上に置かれた。
そして、お兄様に髪をすかれながら2人の話を聞く。
「それにしても、似てないな」
「髪も瞳も同じ色なんだけど?」
そう、私とお兄様は同じ銀髪に紫の瞳なのだ。
「フィーよりもお前の方が刺々しい」
お兄様の顔を見上げるとやはりいつもと変わらぬ優しい笑顔。どこが刺々しいのやら。
「あ、そういえばフィーの適正検査はどうなったの?」
多分、見せても問題ないはずだ。
お父様は王家に庇護を、なんて言っていたしお兄様だし……。
うん、多分大丈夫。見せよう。何も知らぬこどもの様に。
「色々な属性がありました!」
と、私はプレートを取り出してお兄様に差し出した。
お兄様が私からプレートを受け取るとカイン様もプレートを覗き込んだ。
「なっ……」
「……ほぅ」
お兄様は驚いたように、カイン様は興味深そうにそれぞれの反応を示した。
「全属性にオリジナル持ちか。しかも、この奇跡の光は初めて聞くな。
治癒系統のものか?」
「我が妹ながら凄いな……。流石にこれは危険な気がするけど」
「父上ならばフィーを学園に通わせると思うぞ」
学園に通うには普通は十歳からなのだが……。
優秀な人材の場合や危険な能力を持つ者の場合、それよりも早い段階で通わせるそうだ。
お兄様とは三つ違いなので優秀だったのだろう。
「あー、僕やカインも七つの時に入学したしな」
「当たり前だろう……。
お前の場合は封印魔法が使えるのだからな。
それに、私は古代魔法持ちなんだからな」
封印魔法、というのは聞いたことないが強力らしい。
古代魔法は王族の中に時々産まれるという古代に失われたという魔法の事だ。
「秋の編入試験、かぁ……。
あれ、カインの弟も受けるんだっけ?」
「ん? あぁ、そういえばそう言っていたな」
弟の事を忘れるって……。兄としては最低だな。
まぁ、王子としては特に問題は無いのかもしれないが。
「まぁ、ライトは神大魔法を持っているからな」
神大魔法というのは古代魔法よりも上位にある魔法だ。
ただし、古代魔法と比べ使い勝手が悪く、魔力を大量に消費するのが難点である。
だがその分強力なのと重宝されている。
「カイン、そろそろ僕達は帰るよ。
父さんや母さんが心配しているだろうからね」
「あぁ、じゃあな、アレン、フィー」
「うん、また」
「失礼します」
と、何やら学園で色々な人達と出会った。
私とお母様は観光をしていていいようだったがお父様は王宮に用があるらしい。
やはり貴族は大変なのだと改めて感じる。
「さて、フィーはどこか行きたいところはある?」
「お兄様に会いたいです!」
お兄様は王都の学園に通っているので会えるはずだ。
滅多に会うことのない優しい兄は私にとって今最も会いたい人だった。
「なら、後で迎えに行きましょうか」
「はい!」
久しぶりとなるお兄様との再会に胸を踊らせながら私は初めて見る王都の街並みを楽しんでいた。
結果を言うとお母様に付き合わされた。
色々な店に行ってはドレスなどを見て着せ替え人形にされた。
そのせいで私はクタクタだ。
その後は約束通り、お兄様を迎えに学園に行った。
ただし、お母様が行くのは不味いという事で私だけだが。
「あら、こども? どうかしたんですの?」
「えっと、お兄様を待っているんです……」
貴族だろう人に話しかけられ萎縮してしまう私にその人は優しげに微笑みかけてきた。
「お兄様、ですの? そのお兄様のお名前は?」
「アレン・ランドウルムです」
「まぁ、まぁ……! あの、アレン様の妹さんでしたの……。
でしたら、問題はありませんわね。アレン様は研究室にいらっしゃるでしょうから行きましょう」
「はい! ありがとうございます」
入っても問題はないようなので私はその人の後に付いていく。
「私はティファニー・エルドレッドと申しますわ」
「フィオナ・ランドウルムです!
ティファニーお姉様とお呼びしてもよろしいでしょうか……?」
「ティファでいいですわ、フィオナちゃん」
「はい、ティファお姉様! 私の事はフィーと呼んでください」
「えぇ、フィー」
ティファお姉様は本当に優しくて綺麗な人だ。
ピンクゴールドの髪は勿論、薄紅色の瞳も優しげに見える要素の一つであった。
「ここですわ。アレン様、いらっしゃいますか?」
「……何?」
久しぶりに見たお兄様は冷たい声で返事を返した。
扉から出した顔も前に会った時とは異なり、冷たく尖った感じがする。
「私はこの子を案内して来ただけですのでこれで失礼致しますわ」
「フィー!? どうしてここに……」
お兄様は私を見ると先程とは打って変わって冷たさなどどこにも見えぬ優しく、暖かい表情になった。
お兄様の青い瞳が温かさを含む、落ち着いた色になっていく。
「お兄様に会いに来ました! ……ご迷惑、でしたか?」
「そんな事ないよ。ティファニー嬢、ここまでフィーを案内してくれた事、感謝します」
「いえ。フィー、また会いましょう」
「はい! ティファお姉様、ありがとうございました」
元気良く挨拶をする私にティファお姉様だけでなく、お兄様も微笑んだ。
「フィー、悪いけど中で待っていてくれる? すぐに終わらせるから」
「はい!」
お兄様に部屋の中へ入れてもらい、後ろの方にあった椅子に座る。
そんな時、ノックも無しで部屋に入って来たのは王家の印とも言える金の瞳を持った人だった。
金髪という事もあり、あまり瞳は目立たない。
「アレン、その子供はなんだ?」
「はぁ、カインには会わせたくなかったんだけど……。
僕の妹だよ。フィー、おいで」
お兄様に呼ばれ、私はタッタッタッと小走りでお兄様に近づく。
そして、カインと呼ばれた人から隠れるようにしてお兄様にしがみついた。
「この子はフィオナ。僕の可愛い妹だよ。
フィー、この人はカイン。一応王子だけど、気にしなくていいよ」
「おい、一応とは何だ」
カイン様は、ムッとした様子でお兄様の言葉に食くと、お兄様は肩をすくめた。
「だって、カインに敬うところなんて何も無いだろう?」
「……お前は、本当に遠慮がなくなったな」
カイン様とお兄様は仲がいい様で軽口を言い合っている。
「フィー、おいで」
お兄様に呼ばれ近付くと私はお兄様の膝の上に置かれた。
そして、お兄様に髪をすかれながら2人の話を聞く。
「それにしても、似てないな」
「髪も瞳も同じ色なんだけど?」
そう、私とお兄様は同じ銀髪に紫の瞳なのだ。
「フィーよりもお前の方が刺々しい」
お兄様の顔を見上げるとやはりいつもと変わらぬ優しい笑顔。どこが刺々しいのやら。
「あ、そういえばフィーの適正検査はどうなったの?」
多分、見せても問題ないはずだ。
お父様は王家に庇護を、なんて言っていたしお兄様だし……。
うん、多分大丈夫。見せよう。何も知らぬこどもの様に。
「色々な属性がありました!」
と、私はプレートを取り出してお兄様に差し出した。
お兄様が私からプレートを受け取るとカイン様もプレートを覗き込んだ。
「なっ……」
「……ほぅ」
お兄様は驚いたように、カイン様は興味深そうにそれぞれの反応を示した。
「全属性にオリジナル持ちか。しかも、この奇跡の光は初めて聞くな。
治癒系統のものか?」
「我が妹ながら凄いな……。流石にこれは危険な気がするけど」
「父上ならばフィーを学園に通わせると思うぞ」
学園に通うには普通は十歳からなのだが……。
優秀な人材の場合や危険な能力を持つ者の場合、それよりも早い段階で通わせるそうだ。
お兄様とは三つ違いなので優秀だったのだろう。
「あー、僕やカインも七つの時に入学したしな」
「当たり前だろう……。
お前の場合は封印魔法が使えるのだからな。
それに、私は古代魔法持ちなんだからな」
封印魔法、というのは聞いたことないが強力らしい。
古代魔法は王族の中に時々産まれるという古代に失われたという魔法の事だ。
「秋の編入試験、かぁ……。
あれ、カインの弟も受けるんだっけ?」
「ん? あぁ、そういえばそう言っていたな」
弟の事を忘れるって……。兄としては最低だな。
まぁ、王子としては特に問題は無いのかもしれないが。
「まぁ、ライトは神大魔法を持っているからな」
神大魔法というのは古代魔法よりも上位にある魔法だ。
ただし、古代魔法と比べ使い勝手が悪く、魔力を大量に消費するのが難点である。
だがその分強力なのと重宝されている。
「カイン、そろそろ僕達は帰るよ。
父さんや母さんが心配しているだろうからね」
「あぁ、じゃあな、アレン、フィー」
「うん、また」
「失礼します」
と、何やら学園で色々な人達と出会った。
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