脇役だったはずですが何故か溺愛?されてます!

紗砂

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悠人

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ドイツから帰ってからというもの、僕の咲夜が少し冷たい気がする。

小さい頃は僕の後をずっと付いてきていて可愛かったのに……。


「あぁもう……昨夜が可愛い。
天使……天使が……」


僕は咲夜を盗さ……バレないように撮った写真の数々を眺め悶えていた。
咲夜のファンクラブの方も会員限定販売となっているものも揃えている。

ちゃんとショーケースに入れているし。
あぁ、勿論咲夜の作ったものは別に保存してあるんだけど。


「まぁ、黒羽は咲夜との婚約破棄の為に動いていたみたいだし……今回だけは見逃しといてあげよう。
今は咲夜の大切な友人のようだしね。
……次にやったら潰すけど」


咲夜が傷つくというのならば僕は誰が相手だろうと容赦はしない。
咲夜が傷つくことだけは認められない。
それは、僕だけではなく、この屋敷で働くもの全てが思っている事だ。


「悠人、程々にしないと咲夜ちゃんに嫌われるぞ」

「問題ないよ。
咲夜にはバレないようにやっているからね。
バレたとしても咲夜が僕を嫌う事なんてないさ」


僕が咲夜に嫌われる?
そんな事をするはずがない。
嫌われたくない、だからあの害虫との婚約も渋々認めたんだ。
僕と咲夜が兄妹じゃなければ大切に囲んで離さなかったのに。


「はぁ……これでも僕は燈夜を応援していたんだけどね」

「なっ……僕は関係ないだろう!」


慌てる燈夜を見て、僕は少し残念に思ったがどうせ誰だろうと許せはしないだろうとも思えた。

まぁ、よりによってアレを選ぶとは思えなかったが。
確かに顔も勉強も運動も、家柄にも何の問題もない。
だが、まさかアレとは……。


「はぁ……やっぱり、もう少し邪魔をしておくべきだったかな?」


そうすればまだ燈夜にも……。


「いつから悠人は知ってたんだ?」

「ん?
燈夜が咲夜を好きなこと?」

「……あぁ」


馬鹿だなぁ、燈夜は。
それにも気付かないなんて。



咲夜を合わせたのは燈夜が咲夜を好きになると判断したから。
咲夜と付き合う確率は低かったけど、僕としては下手な奴に取られるよりはまだ燈夜に取られた方がマシだと判断した。
ただそれだけだよ」

「……お前」

「でも、僕の予想通りだっただろう?」


僕としては燈夜にはもっと頑張って欲しかったんだけどね。
あと、咲夜のあの鈍感さは予想外だった。

……まぁ、そこも可愛いんだけどさ。
だって、まさか付き合ってくれ、と言われて「何処にですか?」と返ってくるなんて、ね。


そこで、燈夜からの呆れたような視線を感じた。


「どうかしたかい?」

「……いや、将来のお前の婚約者は大変だと思って、な」

「まぁ、そうかもしれないね。
けど、逃がすつもりは毛頭ないよ?」


僕はとある人物を思い出し、フッと笑みを浮かべた。
彼女は決して離さないそして、誰にも渡す気はない。


「……はぁ、大変だな、相手が。
で、誰なんだよ?」

「……さぁ、ね?
それはまだ秘密かな」


順調すぎる程にあっさりと進む計画に多少の不安を抱きながらも、次の計画に向け着々と準備をしていく。
彼女の両親からの了承は得ているし、僕の方も問題はない。
だから、あとは彼女だけ。
まぁ、断られても諦めるつもりはないし、断るなんて選択肢を与えるつもりもないけど。

同年代には僕以上の家柄の者はいない。
これでも、頭も顔もいい方だと自負している。
だからこそ、パーティーの会場で、僕の告白を断ることは出来ない。
何故ならそれは、僕以上を望む、と言うことにもなるからだ。
それは流石に無理だろう。
しかも、そこで咲夜のキラキラとした目を向けられれば誰であろうと断れない。


で、その問題のパーティーは5月28日の僕の誕生日。
その日、海野の跡取りが発表される。
僕か、咲夜か。
まぁ、僕になるだろうけど。
咲夜はアレのところに行ってしまうようだしね。
本来なら、咲夜の方が断然跡取りとして相応しいのに。


とにかく、婚約発表には丁度いい。
さて、彼女はどんな反応をしてくれるのだろうか。

いつもの冷静な態度は崩れるのか……楽しみだ。



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