転生したら守護者?になり称号に『お詫び』があるのだが

紗砂

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学園

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「カイ、鍵は貰ってあるぞ。ほい、これ鍵な」

「おう、サンキュ」


リュークが先に手続きしてくれていたようで俺の荷物を半分持って先導してくれる。
そんなリュークの優しさが心に染みる。
部屋はやはり、二人部屋で二段ベットだった。
机は奥に二つ、窓は一つ。
だが、奥に調理場はあるようだった。


「カイ、この荷物はどうすりゃあいい?」

「調理場に置いといてくれ」

「おう!」


荷物を全て運び入れると俺とリュークはまず、机とベットについて話し始めた。


「机はどっちを使う?」

「じゃあ、俺が右でカイは左でどうだ?」

「いいぞ」


机については呆気なく決まった。
……で、次はベットについてだ。


「ベットはリュークは上下どっちがいい?」

「んー……どっちでもいいな。カイは?」

「俺も特に希望はないな。……クジにするか」


ということで、結果、俺が上でリュークが下になった。
まぁ、朝は俺がリュークを起こさなきゃいけないからこれが一番良かっただろう。


「よし。一通り決まったとこで新作、作るか」

「俺も手伝うぜ!」

「あー、そうだな。じゃあ、キィの果実を煮込んでくれ」

「おう! 任せろ!」


リュークはキィの果実が入った袋を1つ取り出し鍋の中に入れ火をかける。
いつもよりも真剣な気がするのは好物が関わってくるからだろう。


いつも手伝ってくれていたこともあり、かなり手際がいい。

よし、じゃあ俺は下地を作るとするか。

俺は手際良く、材料を出し、混ぜ合わせていく。
途中、小麦粉を多く入れすぎるという事態があったがそれについては他の材料でうまくごまかせた。


「オーブン……は、ないか。アースボックスっと」


アースボックスは土属性で箱を作り出す魔法だ。
俺の現時点で使える数少ない魔法の一つでもある。

で、そのアースボックスの中に鉄板を入れ、型に入れたままタルトの生地を置く。
そして、


「ファイアボール、固定っと。よし、これであとは様子を見ながら……」


ファイアボールをいくつか作り、アースボックスの中に入れ、一定の温度を保ちつつ焼いていく。
……まぁ、簡易オーブンだな。中が見えないのが欠点だ。
温度調節は魔法でできるし時間に関しては魔力の量で調節できるからな。


リュークの方はジャムを上手く作れたようで買ってきた五つの瓶に容れて冷やしておく。
その頃にはタルトも上手く焼けたようで香ばしい香りが部屋に漂ってくる。
ムースの上に、先程作ったジャムをタルトに薄く流し込み、その上にキィの果実をトッピングしていく。
それを三つ。

俺達のものと残りの三人の分だ。
ティードに関しては三分の一に切り分け持っていくつもりだ。で、残りの三分の二は今日、俺とリュークで食って、残った二つのうち、一つはカリンとリナに、もう一つはリュークのために取っておく。

ティードの部屋は俺達の部屋の2つ隣だったこともありすぐに渡しに行くとうざいくらいに喜んでいた。

で、カリンとリナの方には女子寮に行く必要があるのだが。


「……リューク、カリンとリナのところに行くんだがついてきてくれないか?
残ったキィの果実をいくつかやるから」

「いいぞ」


リュークにはキィのジャムを2つ持ってもらい、俺はタルトを抱え、女子寮に向かった。


「あなた達、一年生ね?
ここから先は男子禁制よ」

「一年一組のカリンとリナに渡したい物があるんです」

「……どういう関係?」


先輩らしき人物は何か怪しむような視線を投げかけてくる。


「同じグループのメンバーです」

「へぇ、じゃあ貴方達も一組って事ね。いいわ、少し待っていなさい」


彼女は寮の中に消えると少ししてからカリンとリナを連れて戻ってきた。


「カイ、リューク、どうしたのよ?」

「いや、二人が食いたいって言ったんだろうが……。
さっき作ったばかりだけどな。瓶に入ってるのがジャムだ。
そっちはリュークにも手伝ってもらった。

あ、終わったら瓶は返せよ? また使うからな」


瓶になら洗えば再利用出来るしな。無駄に買わなくて済む。


「……もう作ったの? 流石に早いんじゃないかしら?」

「わぁ……でも、綺麗で美味しそうですよ?
ありがとうございます!」

「そうね……。ありがとう、カイ、リューク」

二人はそれぞれ別の反応をするとお礼を告げた。


「カリンとリナを呼んで下さりありがとうございました。
よろしければ先輩もどうぞ。二人にも渡したのですが……。
キィの果実を使ったジャムです」


俺はお礼にともう一つの持ってきたジャムを先輩に渡す。
先輩は驚いたように目を丸くしたあと、嬉しそうに微笑んだ。


「ありがとう、いただくわ。
私は二年一組のリーゼ・カルナントよ。
あなた達の名前を聞いてもいいかしら?」

「カイです」

「リュークだ」

「そう、カイにリュークね。私の事はリーゼでいいわ。
じゃあね、カイ、リューク」


俺とリュークはぺこりと頭を下げると疲れたように寮へ戻りベットに倒れ込むのだった。






「……ん、ここは?」


俺はいつの間にか寝てしまったらしい。だが、それにしても変な空間だ。
ここは、あのクソジジイに呼び出された時のような白い空間だ。つまりは……。


『お前がカイか。俺は守護神って呼ばれてる神だ』


あのクソジジイが言っていた守護神だ。
もう少し日があると思っていたんだが……。思ったよりも早かった。


『カイ、お前は大切な者を守るためにテメェの命をかける気はあるか?』


きた。俺はリュークのために命をかけられるか。その答えは既に出ている。


「命を賭ける気はあるぞ。まぁ、負ける気はねぇけどな」

『それは……。

フッ……いいぜお前に加護をくれてやるよ。
それと、これは選別だ。受けとれ』


そう言われ投げられたのは小さな盾の形をしたものだった。


『名は、アイギス。大きさは自由にかえられるが魔力を取られるから気をつけろよ。
それと、空間魔法もかかってるからな、アイテムボックスだかってのと同じ役割も果たすぞ』


なんか凄そうなもん渡されたんだが。
俺はアイギスと呼ばれた小さな盾の形をしたものを摘む。

これが、なぁ。
そういや、アイギスっていやぁ、神話なんかに出てくる有名なやつだよな?


『ま、お前が上手く使えりゃあ大抵は防げるだろうよ。
使うには俺の加護と守護者の職業、一定以上のステータスが必要なのが欠点なんだよなぁ……。

そいつは使うやつ、お前のステータスによって防御力が変わってくるからな。ま、頑張れよ。
あぁ、そいつ、自我はあるしかなりのじゃじゃ馬だからな。じゃあな』
                                                 
                                                   
そこで再び視界が暗転した。
                                                   
                                                   
目が覚めるとそこは先程の寮だった。
少しだけ痛みのある頭をさすり顔を上げるとふと違和感を覚える。
右の手を開くと守護神に渡されたアイギスがあった。

……これは、近いうちにチェーンでも買ってきてくくりつけておかなければならないだろうな。
それと守護神が最後に言っていた言葉……。
アイギスには自我がある……のか?
てか、じゃじゃ馬……?


「アイギス、か。よろしく頼むぜ」


そう呟きながら俺はベットを降りるとまだ寝ているリュークを置いてそっと部屋を出るとチェーンを買いに街へと出たのだった。

銀で作られたチェーンは案外安くすんだ。
チェーンにアイギスを付けると俺はそれを首から下げると今度はリュークの誕生日プレゼントを探す。
もうすぐだからな、リュークの誕生日は。
リュークの誕生日まであと二週間しかないのだ。
今日は下見だが、また来るつもりでなにかいいものを探す。
そして、ある程度の候補が決まったところで俺は急いで寮へと戻ったのだった。

部屋に戻るとリュークが飛びついてきた。


「カイ! よかった……。心配したんだぞ!?
起きたら何処にもいないんだからな!
せめて何か書き置きぐらいして行ってくれ」


リュークは俺が出ていってからすぐに起きたようでそれからずっと俺を探していたようだった。
どうやら無駄に心配させてしまったようだ。
俺はそんなリュークに悪い、とただ謝るとようやくいつもの笑顔を見せた。


「リューク、下に行かねぇか? 何か食おうぜ。腹減った」

「そうだな。カイの作った新作はその後だな!」


リュークと俺は二人で下の食堂に行く。
やはりと言うべきなのだろうか。物凄く混んでいた。
まぁ、それは元から分かっていた事ではあるのだが……。


「カイ、リューク! 丁度良かったっす!
席は取ってあるっすから、2人は何か頼んできたらどうっすか?」

「お、おう……。何か悪いな……」

「いいっすよ! お礼っすから!」


ティードはタルトの礼だと言いたいのだろう。
そう思い、俺は苦笑を浮かべるとリュークと共に食事を持ってティードの待つ席に向かった。


食事を始めると俺は話を切り出した。


「そういや、来週までに武器や防具を揃えねぇといけなかったよな?」

「そういえばそうっすね。
自分の武器はナイフっすけど二人の武器はなんすか?」


ティードは盗賊という職業だけあってかナイフを使うらしい。
……だが、ナイフと言ってもただのナイフではなく、麻痺毒などを塗ってあるようだが。


「俺は剣だな。時々魔法も使ったりはするけど剣の方が使うな」

「俺はまぁ、盾だな。魔法も使う……あんま精度は高くないが。
リヴィアには投擲も教わってはいたがあんま期待はするなよ?」


精々俺が出来ることと言えば足止めくらいなのだ。
まぁ、魔法の精度がもう少しでもあがれば変わるのかもしれないが。


「あぁ、盾職だったっすもんね。
ならカイは攻撃は出来ないものと考えたほうがいいっすね……」

「あぁ。まぁ、冒険者でもあるから簡単なものなら出来るんだがな……。
魔法、剣くらいしか……な。もう少しすれば弓も実用レベルになるが盾を手放すことになるからな」


弱い奴ならばまだ盾だけでなんとか倒せるのだ。
とはいえ、盾を手放すことは考えられない。
となればやはり弓は非常時くらいしか使うことはないだろう。


「まぁ、確かにそうなんだが……。
カイは普通に盾で魔物を殴って倒しているぞ?」


リュークが横から口を挟む。
余計な事を……と思いつつも俺はそんな事はない、と言えなかった。
心当たりはそれなりにあったのだ。


「……盾って武器だったっすか?」

「カイの場合に限るがな」

「っぐ……。仕方ないだろ、近くにそれしか武器になりそうなもんがなかったんだよ!
武器が近くにあれば俺だってそっちを使う!」


俺がムキになるとリュークもティードも面白そうに笑った。
その表情に俺は何も言えなくなってしまう。


「カイは新しい盾を買っておくか?」

「……ん? あぁ、必要ない。何かさっき加護と一緒にもらったからな」


俺はアイギスを取り出しリュークとティードに見せる。


「何だこれ? これが盾って……。いや、確かに盾だけど……」

「精巧な作りっすね。魔道具か何かっすか?」


二人は顔を寄せてアイギスを見る。だが、魔道具か。
これは魔道具なのだろうか?


「そんな感じじゃねぇか? 大きさを変えられるらしいぞ」

「大きさっすか。それだけ聞くと、アイギスみたいっすね……」

「ん? よく分かったな」

「……は? え、ま、待ってほしいっす! ア、アイギスなんすか!?」


そんなに驚くようなものなのか。いや、だが確かに日本では神話にも出てきた程の盾だ。
こっちでも神話などに出てきていてもおかしくはない。


「あぁ、俺に渡した奴はそう言ってたぞ?」

「わ、渡した人って……」

「守護神だ」

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