転生したら守護者?になり称号に『お詫び』があるのだが

紗砂

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学園

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「ふつうに言うっすけど! アイギスって言ったら伝説の武具っすよ!?」


ティードが信じられない様に口にするが次の、リュークが口にした『カイだから』という一言で納得したようだ。
なんか腑に落ちない気もするが。


「おう、そうだな」

「おう、そうだなじゃないっすよぉぉぉ!?
アイギスって言ったら守護神の加護が無ければ使えな……ってまさかっすけど」

「あぁ、なんか加護もらったぞ?」

「なんでっすかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


俺はティードを面白い奴だなぁ、と思うだけで加護については特に何も思っていなかった。
まぁ、諦めていたとも言うが。


「ティード、うるさい。迷惑になるだろ。それに、カイだぞ?」

「確かにそうっすけど……」

「いや、俺だから何だよ!?」


俺のツッコミにリュークとティードは笑う。
それにより俺は何も言えなくなり、ただ溜息を吐いた。


「って、俺より断然カイの方が余程強い気がすんだけど……」

「いや、俺攻撃系は向いてねぇし。盾職だぜ?
……冒険者でもあるが」

「なんか二人だけで魔王も倒せるんじゃないっすか……?」


ティードの言葉に俺とリュークは真顔になった。
そして、二人同時に発言する。


「「無理だな」」


否定の言葉だ。理由は俺もリュークもちゃんと分かっている。
俺とリュークに欠けているもの、それは……。


「俺とカイは戦えるかもしれないが……頭は使えないからな」

「それにリュークや俺が大怪我した時、治す奴もいねぇしな。
罠も見つけらんねぇし」

「それに、俺とカイが魔力切れおこしたら終わりだぞ?
それに、俺達最近村から出てきたばっかだしな。他の国とか全然知らねぇし」


とまぁ、そんな理由から俺とリュークだけでは無理があるのだ。
だからこそ、このパーティーは最適だと思われる。

勇者のリュークと(一応)盾職の俺。
そして、盗賊のティードは罠を見分ける事に長けているし、魔術師のカリンは貴族という事もあり他国についても色々と知っている。

それに、俺やリュークが魔力切れを起こす心配も減る。
サポート系も使えるようだしな。
リナは回復術士だから何かあった時も安心出来る。

そんな五人が上手く集まったものだ。
もう一人、結界師がいればもっといい気もするが人数的にオーバーする。


「なんか納得したっす……」

「だろ?」


納得して欲しくは無いことだが。まぁ、元々分かってはいた事だからな。


「あ、じゃあまた明日っす!」

「おう、じゃあな」

「またな」


俺たちは食器やらを片付けるとそれぞれの部屋に戻る。
そして、リュークは部屋に戻るとベットへダイブした。


「あぁ、疲れたぁ……。カイー、新作ー」

「ったく仕方ねぇな…。ちょっと待ってろ」


俺はリュークのだらけた姿に苦笑してタルトを用意してやる。
リュークは人前ではちゃんとするんだがな……。
この頃俺がリュークの保護者みてぇになってる気がするんだが。


「リューク、用意出来たぞ。こっちにこい」

「マジで!? サンキュー!」

「ったく……あんまだらけすぎんなよ?」

「カイの前だけだからいいだろ?」


仕方ねぇなぁ……。と笑うとリュークはいつもの様に明るい笑顔を浮かべた。
そして、目の前のキィのタルトを見るとパァと目を輝かせ手を合わせた。
こういう無邪気なところにちょくちょく救われてるからなぁ……。


「いただきます! ……んー! やっぱ、カイのは美味いよなぁ」


そう言ってもらえると作りがいがあるものだ。
向こうのガキ共はそんなこと言わなかったからなぁ……。
いや、あれは俺の料理が飽きられていたのか?

まぁ、どちらにせよ美味いって言ってもらえるのは嬉しい。


「つうか、カイっていつの間にこんなの考えてんだ?」

「ん? 考えてるっつうか、あれだな。
前に言っただろ? 前世の記憶があるって。そっからだよ」

「あー、そういやそんなこと言ってたな。ま、美味いからいっか」


え、コイツ俺が勇気を振り絞って口にした事忘れたのか? 嘘だろおい……。
それだけ気にして無いってことなんだろうが。ここまで気にしてた俺が馬鹿みてぇじゃねぇかよ。
ったく……。

コイツ相手に色々悩んでも無駄ってことかよ。
……楽でいいかもしれねぇけど。

まぁ、そんなこんなで学園生活一日目は終了を迎えた訳だが……。



何故俺は学園生活、僅か一日目にして守護神の加護を受け、伝説の武具とまで言われたアイギスの盾まで受け取っているのだろうか?

俺はチェーンに付いているアイギスを月の光にかざしながらそんな事を思う。綺麗、だな。
流石はアイギスってとこか?

そして、下のリュークが寝た事を確認してからソッと火の魔法で明かりを灯し、魔導書を読み始める。

今読んでいる中級の無の魔導書もそろそろ終わりそうだ。
今度また何か買う必要があるな。

そんな事を思いながらも詠唱と魔法陣を鮮明に記憶していく。
魔法陣は全て正しく描かなければ正しい効果が出ないし、それどころか魔法が発動しない事もある。
いや、発動しないならばいいだろう。
中には暴走することもあり、膨大な被害をもたらす事があるのだ。
そんな事にならないためにも俺は鮮明に、ゆっくりと覚えていく。

一ヶ月しかなかったこともあり、俺が覚えられた魔法陣は初級のものを含めても八十程度…。
百程は覚えておきたかったのだが…。
まぁ、下手に焦って間違えたまま覚えてしまっては元も子もないのだが…。
それに、無属性まで手を出した事も原因の一つなのだろう。
無属性は他の属性と比べ複雑な魔法陣が多くなっているのだから。
それに、その中でも無駄の多い陣を少し弄ったりして効率化していたからな……。
それもあってかあまり時間が無かったのだ。


俺はしばらく魔導書を見ていた後、魔力を操り空に小さな陣を描く。
魔力を込めた量が少ないため発動することはない。
そのため俺はその魔法陣を描いた後、本に書かれた陣と見比べ、いくつか修正し、練習してから完全に覚えたところで俺は本を閉じ、リュークに見られないように隠すとようやく眠りにつくのだった。







朝、俺はリュークを起こしていた。
学園が始まるまで、残り一時間。
ここから学園まで十分程度。
少なくとも十分前には着いていたい。
だが、リュークは全く起きる様子はない。


「リューク! さっさと起きろ!」
「んー、あと三時間……」

「……さっさと起きろやこの馬鹿が!」


俺はリュークをベットから落とすと、そのまま着替えをさせたりと色々準備をしてやる。
本当、俺はリュークの保護者みてぇだな。

ようやく目が覚めてきたのか……。


「……あー、わりぃ」

「そう思うならさっさと起きてくれ……」


リュークは俺から目を逸らす。つまりは自信がないらしい。
いつになっても変わんねぇな。
そんなリュークに俺は溜息をつくと朝飯を食ってそのまま学園へと登校する。

クラスへ行くと既にカリンとリナがいた。当然だろう。
何故ならもう既に始まるまでは五分を切っているのだから。

いないのはティードだけだ。まさか俺等よりも遅い奴がいるとは。


「随分遅かったじゃない」

「……リュークが中々起きなかったんだよ」

「……うっ。い、いや俺たちよりティードの方が遅いだろ」

「そういえばそうですね……」


席が近いこともあってかすぐに集まってくる。
俺は一つだけ空いているティードの席を見た後、遅れる事はないだろうと気にしない事にした。

……のだが、まさかの遅れてきた。
いくらなんでもそれはねぇだろうと思っていたんだがな……。
先生が入ってきたすぐ後に来るもんだからその運の悪さに俺は顔を引き攣らせる。
いや、あいつの間の悪さに呆れているだけかもしれないが。


「……ティード、早速遅刻とは」

「ち、違うんすよ! 違わないっすけど違うっす!」


ティードが何やら意味不明な事を言い始めた。
違わないけど違うって何だよ。
つぅか、この状況で違うって言えるお前がすげぇよ。
呆れるだけだがな。


「まぁいい。さっさと席につけ」

「は、はいっす!」


ティードがホッとして席に着くも、先生はサラッと口にする。
ティードにとっては地獄への入口になるようなことを。


「ティードは無属性の中級魔法陣を十、紙に書いて提出しろ。
全て違うものだ。いいな?」


先生も中々に酷い事をする。
魔法陣にしたのはティードにとっても得になると考えたからだろうが。
反省文じゃなかっただけマシだな。


「り、了解っす……」


先生が居なくなったところで、明らかにしゅんとしているティードに俺は手を差し伸べてやる。


「中級ならなんでもいいんだろ? 中でも簡単なもん選べば大丈夫だろ」

「そんな事言っても自分、そんな覚えて無いっすよ……」


本を貸してもいいがそれではきっと時間がかかるだろう。
そう判断した俺は。


「俺が覚えてるので良ければ教えるぜ?」

「ホントっすか!?」

「お、おう……」


思ったよりも食い付きのいいティードに俺は若干引きながらも教えることにした。

紙については先生から渡されているようなのでそれに俺は魔力で魔法陣を描く。
魔力ならば後から消せるので上からなぞるだけで大丈夫なのだ。

簡単なものを選びながら十も書いていくと流石に疲れる。
だが、ティードはありがとうっす!とすぐにやり始めた。
そんなティードを見てしまえば俺は仕方ねぇな…としか言えないのだ。


「カイは優しすぎよ」

「そうか?」

「えぇ。もっと厳しくするべきだと思うわ」


カリンの厳しい言葉に俺は苦笑して誤魔化すとリナが俺に疑問をぶつけてきた。


「それにしてもよくあんなに魔法陣を覚えていますよね……。
魔法陣ってそんなに使うことないのに……」

「まぁ、一応な。俺もあんまり覚えてないけど」

「いつの間に覚えたんだよ……。そんな時間無かったと思うんだけどな」


リュークは少しだけ不満げだ。
自分に隠れコソコソやっていればそれは当たり前なのだろう。


「リュークが寝たあとだ。魔導書を買ったからな」

「マジか!? 全然気付かなかった……」

「起こさねぇように気をつけていたからな」


やはり不満げではあったもののそれ以上、リュークが追求してくる事は無かった。

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