転生したら守護者?になり称号に『お詫び』があるのだが

紗砂

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学園

12

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目が覚めると、そこは何度目かになるギルドのベットだった。
病院の天井だ……ならぬギルドの天井だ……となったわけだ。
                 
              
「あ…目覚めたんですね。
良かったです!」
                  
               
俺はリナを見て、何があったのか、なぜここにいるのかを思い出した。
そのせいでかなりの勢いで起き上がると傍にいたカリンに怒られた。
何日も寝ていたのだからいきなり動くな、と。
その言葉でかなり焦ったのだがカリンやリナの落ち着きようと表情を見て俺はゆっくりと力を抜いた。                   
                 
「……っリュークは!?」
                   
「大丈夫よ。
リュークはいま、ギルドマスターと手合わせしてるわ」


多分、落ち込んでいたところをリヴィアに引きずられていったのだろう。
それか、俺がこうなったことに負い目を感じて強くなろうと無茶をしているのか。
そのどちらかだろうな。
そうでなければあいつが俺のそばを離れるわけがない。
リュークは心配性だからな。

どちらかといえば前者のほうだろうが。

だがまぁ、どちらにせよよかった。
アイツが無事で安心した。


「……良かった」

「……カイ、目が覚めて真っ先に聞くことがそれなのかしら?
自分の心配もしなさいよ、バカ……」
                       
「おう、心配かけて悪ぃ……。
けど、俺よりもリュークのほうが重傷だったからな」
           

俺はホッと胸を撫で下ろした。
それは、全員無事に帰ることが出来たという証だからだ。
あきれたようなカリンとリナに俺は笑顔を浮かべた。
だが、あともう一人のことを思い出した。

                       
「ティードの方はどうなったか分かるか!?」
                  
「えぇ、成功よ。
あの後すぐにティードが子供を3人連れて戻ってきたわ。
子供達は親がいないようだったから、この近くの孤児院に預けたわ」
                  
「そうか……。                 
助かったなら良かった……」 
             
                    
全て無事に終わっていることを確認したせいか思わず笑みが零れる。
いや、もしかしたら知らず知らずのうちにあの子供達を前世の、孤児院のガキ共と重ねてたのかもしれない。
孤児院は大丈夫か、そんな心配が広がる。

……今度、3人のいる孤児院い菓子でももっていってみるか。
様子も見たいしな。

いずれ世話焼きなんて称号を手に入れそうだな。


「……そんな辛気臭い顔してどうしたのよ?」

「…あぁ、いや…何でもない」

「……そ」


俺はカリンに見透かされてるような気になるが、当のカリンは見過ごしてくれるようだ。
とはいえ、気に入らなさそうな顔をしているのだが。


「はぁ……感謝しなさいよね。
あんた達が倒れてからずっとリナが治癒魔法を掛けてくれてたんだから…」

「そうなのか……。
悪い、ありがとな、リナ」

「い、いえっ!
カリンもずっと看病してましたから…!
私なんてっ!」

「カリンもサンキューな」

「別に、私は……」


何故かカリンは言い難そうにしていた。
そして、そんな時、扉が勢いよく開く。


「カイ!
起きたのか!?」

「リューク、少し落ち着け」

「良かった!
カイが中々起きないから…」


とにかく慌てまくるリュークを俺は必死になだめ、ようやく落ち着きを戻したところでひょっこりとティードの奴が顔を出す。


「カイ!
起きたんすね!
良かったっす!
心配したっすよ!
で、大丈夫なんすか!?
体調は問題ないっすか!?」


こいつも同類だったようだ。
俺はこの会話だけでかなり神経をすり減らしている気がする。
いや、まぁ元は俺が悪いってのは分かっているんだが……。


「ふむ、起きたようだな。
よし、カイ。
お前が弱いのが原因だ。
鍛え直してやろう」

「…後日にしてくんね?
流石に今日はキツいんだが……」


リヴィアは問答無用、と俺をベットから引きずり出し訓練場へと連行する。
そして、剣を俺に投げ渡す。


「使え」

「……分かった」


こうなったら仕方ないとばかりに俺は剣を手に持った。
その瞬間、違和感に気付く。
動き方は分かる。
分かるのだが……何故かしっくり来ないのだ。
こんな感覚になったことは今までなかった。


「カイ、行くぞ」

「っ…待ってくれ!」

「問答無用!」


次の瞬間、俺はいつになく、あっさりと剣を弾き飛ばされる。
それに、リヴィアは激怒した。


「カイ、お前…」

「違う!
おかしいんだ!」


俺はこの原因と思われることを思い出す。

……が、どう考えてもあの時のクソジジイの言葉しか思い浮かばなかった。
まさか……そう思い、俺は久しぶりとなるステータス画面を開いた。


「ははっまさか、な……。
……ステータス」

 カイ

 体力:419
 魔力:598
 筋力:299
 耐久:851
 敏捷:437
 
 職業:守護者??
 魔法:火 水 風 土 無 (黙示録ワールドメモリー
 称号:『勇者の親友』『お詫び』
    『友との誓い』
    『アイギスに認められし者』
 加護:転生神の加護ver.2
    守護神の加護



なんと、冒険者が無くなっていた。
これが、あれだろうか。
あのクソジジイが言っていた代償というものなのだろうか?
それにより俺は剣を使いにくくなったわけか。
まぁ、使おうと思えば使えるだろうが。
でも、そうだな…また1からやり直しだな。

それと、黙示録、ワールドメモリーってやつだな。
これは、あれか。
あの、リュークの治癒と無限監獄の魔法を使う時に使った知識の宝庫みたいなものだと思っておけばいいな。
まぁ、あんま使うことはないと思うが。


それに…アイギスに認められし者、か。
何か嬉しいな。

俺は服の下に隠れているアイギスを弄りながらフッと微笑んだ。

心の中でしっかりとアイギスにお礼を言っておく。
また後でアイギスの手入れをしよう。
いつもより念入りに、丁寧にな。


「カイ」

「あ……悪い。
冒険者じゃなくなってるんだ。
それが原因だと思うんだが……」

「何……?」


リヴィアは射抜くような冷たく、鋭い視線を投げかけてくる。
その視線に寒気を感じた俺は一歩後に下がった。


「ふっ……いいだろう。
ならば以前の感覚を思い出せるように思い切り手合わせをしようじゃないか」


リヴィアが笑顔で告げた言葉は俺にとって死刑宣告だった。
しばらく俺はその死刑宣告のせいで固まっていたがリヴィアが笑顔で近付いて来たことによりダッシュで逃げ出した。
それも全速力でだ。


「……ほぅ、準備運動か」

「ギャァァァァァァ!!
人殺しぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

「面白い!」

「面白くねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


俺はギルドを飛び出し街を走り回る。
そんな俺を軽い運動の様に追いかけてくるリヴィア。
まるで草食動物と草食動物を狙う肉食動物のようだった。


マジで怖ぇ。
捕まったら最後、殺される気がする。


「……何してんだ、あいつら…」


ギルドに置いていかれたリュークは悲鳴を上げながら走る俺とそんな俺を笑顔で楽しそうに追いかけるリヴィアを見てそう呟いた。

そしてそれは、その場にいる者、いや…その光景を見た者全ての思いを代弁していたのだった。

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