転生したら守護者?になり称号に『お詫び』があるのだが

紗砂

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魔族襲来

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俺は落ち着きを少しだけ取り戻すと深呼吸を1度してから座り直した。


「……カイ、全種族に信仰されている神のことを知っているか?」


全種族に信仰されている神……そんな神が本当にいるのか。
そんな疑問を持ちながら、俺は首を横に振る。

だが、それがリュークのこととなんの関係があるのか。


「そうか……。
全種族に信仰されている神…それは、転生神だ」

「っ……」


思わず息を詰まらせる。
それはそうだろう。
あのクソジジイの加護を俺は持っているのだ。
しかも、あんなクソジジイが全種族に信仰されているなど信じられなかったのだから。
だが、全種族となるとそこには自然と魔族も含まれてくる。
と言うことは、俺という存在は向こうにとってどんな意味を持つのだろうか。


「…カイ?」


レクトは俺とリヴィアの話に要領を得ないのか首を傾げている。


「…レクト、俺の職業は守護者、そして加護は守護神と、転生神だってことは言ったな?
俺は、守護神からはアイギスをすでにもらっていて、ジジイからは黙示録だかって魔法を受け取っている」

「あ、俺の職業は勇者で加護は女神からだぞ」


俺とリュークは最低限の言葉で伝える。
そんな俺とリュークの言葉にレクトは目を見開いた。
まぁ、俺はともかくリュークの職業はすでに知っていたし勇者ってとこから女神の加護は予想できるからな。


「……そうか」


レクトは意外にも何も言わずに先を進めろとばかりにリヴィアに視線を向けた。


「…続けるが…先程、人員の確保とは言ったがカイ、お前を狙ってくるだろうな」


俺の顔に緊張やらの色が浮かびあがるがすぐに他の考えに至った。

そう、俺が狙われるというのであれば囮としても使えるということだ。
最悪、リュークの命と引き換えに…という交換条件も使える。
とはいえ、俺達、というよりリュークの目的は魔王と話す事。
つまり先程のことは最悪の場合、であるのだが。

だが、向こうにとって俺がどんな存在なのかは分かった。
たいていの情報を得たところで、俺は話を変える。


「……で、そろそろいいだろう?
誰が情報をもらした?」

「……ルバート。
教会の神官だな」


リヴィアは半ば諦めたようであった。
そして、俺はそのリヴィアの告げた名に心当たりがあった。

教会でリュークと俺に敵意の篭った視線を向けていた奴だ。
俺は最初に潰しておくべきであったと後悔を隠せずにいたのだがリュークの声によりそんな考えは吹き飛んだ。


「……そいつがカイを売ったんだな?

……カイを売ったんだ。
それくらいの覚悟くらいは出来ているんだよなぁ?」


リュークが怖かった。
何か、黒いオーラが滲み出ている気がする。
俺ですら多少、恐怖を感じそうになる。
俺もこんなんだったのか、と思うとリヴィアやレクトに申し訳なく感じる。

いや、俺もかなりキレてるけど。


「リューク、落ち着け。
あれは俺がやる」

「いや、俺がやる!
カイが危険な目にあうんだぞ!?」

「それは俺も同じだ!!
リュークを危険な目に合わせたくねぇよ!
って、違ぇ……!!」


再び脱線した話に俺は頭を抱えたがすぐにリヴィアは話を進めた。



そして、話を聞き終わると俺は簡潔にまとめた。


「つまり、俺とリュークが止めればいいんだろ?」

「あぁ、カイとならやれる気がするけどな!」


そんな俺とリュークはどんな段取りで戦うかを話し始めた。


「………よし!
決まったな」

「んじゃ、教会行くか!」

「そうだな」


俺とリュークの自由な行動に慣れてきたのかレクトはただ溜息をつくだけで俺達についてきた。



教会につき、いつも通りクソジジイに会いに行こうとする。
そこへレクトも連れていこうとすると神官共とレクトが慌てていた。


「カイ様!
それはいけません!
その先は加護をお持ちの方しか入れません!」

「そうだぞ!
分かったら私の手を離せ!」

「カイ様、ヘルナス様を離してください!」


次々と口撃してくる神官とレクトに俺は疲れながらも認めざるおえない事情を話した。

……まぁ、作り話ではあるが。
まぁ、教会側は俺たちを裏切っているんだ。
それくらいはいいよなぁ……?


「クソジジ…転生神が連れてこいって言ったんだよ。
レクトを見てみたいんだと。
それでも駄目か?」

「うっ……。
分かりました。
転生神様の頼みでしたら仕方ありませんね」


ほら。
神官は簡単に騙されてくれた。
チョロい奴だ。


「カイ、あれは本当のことか?」


レクトは中に入ると真っ先にそう問いかけてきた。


「ん?
何が?」


俺は全く理解出来ず聞き返すが、レクトは黒いオーラを全開にしながら俺の頬をつねった。


「転生神が私を連れてくるように言ったということだ!」

「あぁ、そのことか。
嘘だぞ?
まず、俺があのクソジジイの頼みを聞くわけがないからな!」

「おい!」

「クソジジイがそんなこと言うわけがないしな」

「おい!?」


レクトの反応が面白くてつい弄りたくなる。
それを堪え、俺はクソジジイに語りかけた。


「クソジジイ、来てやったぞ。
さっさと全員招待しろ」


次の瞬間、意識を刈り取られるような気持ち悪い感覚に襲われた後、いつもの白い空間にはいた。
無事、全員招待されたようだ。


『そこの者とは初めてじゃの。
わしはお主らに転生神と呼ばれておる。
よろしく頼むの』

「は、はい!
私は、レクトール・ヘルナスと申します!
本日は転生神様にお会いでき光え……」

「おいクソジジイ…テメェが魔族に信仰されてるとか全く聞いてねぇんだけど!?」


俺はレクトの話の途中に乱入した。
内容は勿論、魔族からの信仰に対してだ。


『だって聞かれなかったんじゃもーん!』

「もーんって何だもーんって!!
ガキか!?
つうか、普通にキモいからな!?」

『それに、わしは生きている魔族には全く関与しとらんしの。
わしがやった事といえば元魔王を転生させたくらいじゃしの。
…まぁ、魔神からの頼みじゃったからのう……。
親友としてやらぬわけにはいかぬじゃろ。
……いや、一人いたかのぅ……』


うん……?
聞き逃せない言葉が出てきたぞ?
魔王を転生させた?
魔神からの頼み…親友?
魔神と……?
魔神といえば魔族に怖いくらいに信仰されている神だ。
そんな奴と親友?
しかも魔王を転生させている。


「絶対っ!!
それが原因だろ!?
ってか、ガンガン関わってんじゃねぇかよ!?」

『はて、そうかのぅ…?』


あらためて、こいつウゼェェェ!!とか思いながらも俺は諦めることにしたのだった。
何故ならば、クソジジイ相手には何を言っても意味が無いのだから。


『おーい、ジジイ。
カイが来てるんだろ?』


そう言って介入してきたのは守護神だった。


『そこにいるぞい』

『おっ、本当にいんじゃん。

カイ、久しぶりだな。
アイギスはどうだ?』

「おう、久しぶりだな。
称号にアイギスに認められし者ってあるくらいだぜ」

『ほぅ?
まさかあの性格のひねくれたアイギスに認められるとはな……』


おい。
性格のひねくれたってなんだ。
そんな奴を渡されてたのか!?
俺の周りの神だけおかしくないか!?


『まぁ、カイなら当然だがな!』


高笑いする守護神に何故か転生神のクソジジイが対抗心を燃やした。


『カイはわしのじゃ!
お主のではないわ!』


今度はリュークが守護神とクソジジイに対抗心を燃やした。


「カイは俺のだ!
俺が1番一緒にいる時間が長かったんだからな!」


と。
そこから発展していく取り合い。
だが、1つ言わせてほしい。

俺は誰のもんでもねぇよ!!

何で誰かのもんになってんだよ!?
俺は俺の考えに従って行動するっての。
ってか、まずクソジジイだけは有り得ねぇし。


「……カイ、私の中での神が崩れ去ったんだがどうしてくれる?」

「……俺はレクトより前に崩れ去ったんだが?」

「……いつもあぁなのか?」

「……まぁな」

「そうか……」


レクトは俺の苦労が分かってくれたようだが、どうにかしてくれる気は無いらしく目を閉じた。
俺はそんなレクトに諦めたように溜息をつく。
そして、ガキのように騒いでいる3人を視界に入れると頭を抱えたくなった。


「カイはな、俺のためにキィの果実の菓子を作ってくれんだぞ!」


というリュークの言葉から始まった俺に対するその口撃は段々と激しくなっていた。


『ふん!
カイはな、寂しいとリスに話しかけとるんじゃぞ!』

「……おい」


何でそんな事知ってやがるこのクソジジイ。
人のプライバシーどこいった。
ってか、こんなとこでバラすな。
それとレクトは腹を抱えるな!


「リス、リスって……ククっ……」

『カイはなぁ、小せぇ頃は嬉しい事があると、はしゃぎすぎて木からよく落ちてたんだぞ』

「おい!?」


何でそんな事まで知ってやがる。
ってか、守護神は俺のこと知ったの最近じゃなかったか!?
なんでそんなことまで知ってんだ!?
リュークですら知らなかったんだぞ!?
それと、マジでレクトは腹を抱えんな!
しかも声が漏れている!


「はっ!
カイはな、本当は人見知りで俺と会った時なんて一言も喋れなかったんだぞ!」


精神的ダメージが蓄積される一方、まだ口撃は続く。
……俺、なんか恨まれるようなことしたか?


『カイは本当は照れ屋なんじゃぞ!』

『カイはなぁ、礼が中々言えなくて1週間悩んでたんだぞ』

「カイは小さい頃よく女と間違えられたんだぞ!
しかも、母さん達によく女の格好させられて……」

「おいこらちょっと待ちやがれこの野郎」


俺は恥ずかしい過去を暴露されたせいか真っ黒い笑顔を浮かべていた。
そして、拳を振り上げると全員に一発ずついれて手打ちにしてやることにした。


「おい、何故私まで……」

「テメェも一緒になって笑ってただろうが」

「……ふっ、仕方ないだろう?
なぁ?
照れ屋で動物に話しかけちゃう人見知りで…さぞ可愛らしかったのだろうなぁ…カイちゃん?」


イタズラっぽく、というよりも悪そうにニヤニヤと小馬鹿にしているだろう笑みを浮かべるレクトに俺はもう一発殴ってやると神2人に口止めをしてから元の世界へと戻るのであった。


……正直、精神的ダメージが溜まっただけの1日だった気がする。
つうか、マジでなんで守護神のやつは俺の小さい時のことを知っていたんだ?
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