染まらない愛

謎希

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恋を音楽に例えるならボカロ①

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 明日、私は快斗とデートを約束した。しかも屋上でばったり会ってしまった一也の前で約束した。前に快斗なら大丈夫だと言ってくれた。ご飯の時、お母さんの美弥子とお父さんのまさるに言ってスマホで相手の写真を見せた。親にも今まで恋人できなかったって言ってるから、それを聞いて、すごく感動していた。
「そうなの。お母さん感激してるわ。本当におめでとう。」
「いやいや、美弥子声がでかい。おめでとうって、そうだな、良い人が見つかってそれはよかった。また、顔を見せてくれ。」
「うん、分かった。」私はジト目で見てくる一也に毒を吐いた。
「そうね、どっかの誰かさんもいつまでもお姉ちゃん大好きじゃなくていいヒト見つけて欲しいな。」
というと、本当にどこか痛いところを突かれたような顔をした。
「別に、俺はいいんだよ。お姉ちゃんが幸せなら。あーあ、家族内で結婚ありなら、あんな奴出てくる前に俺が結婚してたってーの。」
私はどこか快斗の悪口を言われたように気感じたから肘で腹を殴った。
「痛ってーな。暴力反対だぞ。」
「はいはい、でも、快斗の悪口言うのは許さん。」と言って私は夕ご飯を食べ終えて自分の部屋に戻った。
 私はいろんなことを動画サイトにあげている。基本は歌の動画だが、たまに違う種類の動画もあげている。
今日は取り置きしていた動画をあげた。この頃、本家様の音源を借りて、自分で歌ってその声を自分でミックスという作業をしてマスタリングなどの動画アップするまでの行程をやってから投稿する。実はこれは誰にも言ってない。実は言うと私はオリジナル曲も作ったのだ。意外とその動画が伸びてて今にも100万回再生を超えそうなほどまでになっている。私が歌うのはボカロのたぐいが多い。
その作業をしてから私はお風呂に入り、寝ることにした。
一也の場合。
真白、姉ちゃんが上に上がってから俺もご飯を食べ終えて、自分の部屋に向かった。それから穂村先輩に電話を始めた。
「もしもし、穂村先輩。」
『どうした、弟くん。』
「明日姉ちゃんと快斗のデートなんでけど、気になるんで。一緒に尾行してください。」
『なんで、そうなる。やるなら自分でやってくれないかい。僕は人の恋沙汰こいざたに首を突っ込むほど野暮やぼじゃない。それに、まだ恋が成就してないなら手助けするけど、尾行という行為は邪魔をしようという行為そのものだ。僕をそれに突っ込ませるなら、代償を要する。』
「わかりました。」と言って、俺は電話を切った。できたら僕もあまり首を突っ込みたくない。本当は尾行というより応援という方が正しい。でも、実際見守りたいという思いが強かった。
 私は前に潤香さんとメールのやりとりをしていて今日のデート服を一緒に買いに行ってもらった。
緊張しながら、場所に向かうと先に快斗が着いていた。快斗の私服を見るのがまず、初めてだった。
しっかりとしたジーンズを着こなした上で半袖を着て日焼けしないように上着を着ている。
一眼で快斗くんだって気づいた。
「ごめんね、遅れて。」と私は快斗くんのそばに寄った。
「いや、僕も来たばっかだから、行こう。」と言って遊園地の中に入っていった。手を引かれながら、一緒にアトラクションを乗ったりした。
途中に寄ったペアダンスゲームでは私がyoutubeで出したワンダフルスターズという曲だった。私自身で振り付けをつけて、ちゃんとスタジオで撮った振り付けと同じように足の板が光っている。快斗が意外とこういう曲に興味あって何回か踊ったことがあったみたいで二人で踊ってみた。私は楽しくて本気を出しちゃった。快斗もそれについてきてくれて最後は二人で決めた。一応おしゃれしたけど、踊りやすい格好でよかったと思った。ここから出ていく時その場で私たちのダンスをしていた人に拍手された。
色々なアトラクションに乗っていると次にフリーフォールに乗ろうと言ってくれている。
昔は無理だったけど、今は大丈夫だろうと思って、乗ってみると昔乗った時の感覚とは全く違った感覚だった。面白かった。けど、時間的に昼ごはんにしようと言ってくれた。
一也の場合、
「穂村先輩、遅いって。」
「君は僕が遅刻多いってこと知ってると思ったんだけどな。代償も払ってくれるみたいだし。君についていくよ。」
「へいへい。」と言って俺が先導して穂村先輩はついてきた。
穂村先輩は目立つとこの前に姉ちゃんに教えてもらったから地味な服を着てくるようにって言ったらかなり黒目の服を着てきていた。それもそれで暑くないのかと思っていた。
最初にコーヒーカップを並んでいた。
類は類で一人でコーヒーカップに乗っていた。
「何やってるんだよ。穂村先輩ったく。」言い捨てながら、姉の行く先を見ていた。俺は遊具の画角をスマホで気にしているふりをしながら姉を見ていた。
降りてきた穂村先輩が僕の元によってきた。
「次はどこ向かってるの。」
「じゃあ、ついてきてくださいよ。」と言って、穂村先輩をどこにも行かないように鋭い視線を送りながら歩いて行った。それを見た穂村先輩は渋々しぶしぶ俺の後ろについてきた。
「ペアダンスゲームに入っていった。」と言って、俺たちも入っていった。
そこで流れているのは今youtubeで流行っているワンダフルスターズという曲であった。
「へえ、二人ともダンス上手いね。一回演劇部でダンスをしたかったんだよね、その時に二人にも入ってもらいたいな。」と穂村先輩は感心している。
「そんなこと言ってないで追いかけますよ。」と言って鋭い視線を送ってからその場所を移動した。
それからいろんな場所を二人で追いかけた。
 一方で真白はというと
「ねえ、ここにアイスクリームがあるから休憩して行かない。」と快斗が手安してくれた。私もさっきから楽しみすぎて、かなり汗をかいてしまった。
「うん、そうしよう」と言って、アイスを買った。
私はバニラアイスを快斗は抹茶アイスだった。
私は齧って食べていた。口の中に広がるバニラが冷えていくのがわかった。そうしていると私の目の前に快斗の腕が伸びてきた。
「アイス頬についてたよ。」と言って指で掬ってそれを食べた。
私は恥ずかしかったから
「恥ずかしかったし、あーんしてよ。」と口を開けて待っている。これはかなり恥ずかしいけど、せめてみた。
「仕方ないな。」と言って付いてたスプーンで私の口の中に抹茶アイスを食べさせてくれた。
その抹茶アイスはかなり濃厚で口の中がしんみりと冷えていくのがわかった。それから午前に回れなかったジェットコースターなどいっぱい回った。そして、最後に観覧車に乗ることにした。
私はずっと景色を見ていた。かなり乗るのは久しぶりだった。
「なあ、隣行っていいか。」と私の前に座っていた快斗が横に座っていた。
もう少しで一番上って時に、
「真白と初デート楽しかったよ。次は真白が行きたいところ教えて。」と言って、私の顎を指でなぞり、上にあげた。
次の瞬間私の唇と快斗のそれが重なった。類さんからは快斗もファーストキスはまだだって言ってたけど、こんなロマンチックな奪われ方ってありなのかなと思いながら快斗は唇を離した。
 私は心臓がトクトク言っている。これが現実なんて私は今頭にメロディーが浮かんできた。わかりにくくスマホの録音ボタンをおして鼻歌を歌った。
「ラララ~♪ラ~ラ~ラ~ラ~♪」それを聞いた快斗はにっこり笑って、
「いいメロディだね。」と笑って返した。でも、私はあとちょっとで観覧車が終わってしまう前に
快斗の頬に自分の唇を当てた。
「今日は誘ってくれてありがとう。今度は私が計画してあげる。」と言った。
不意打ち攻撃に快斗は呆然としてしまった。
「そうだね、期待している。」と言って、私の手を取って一緒に帰ろうとしたら、何かを思い出したかのように電話を始めた。
そうするとコール音が近くの草むらだった。その音には私は聞いたことがあった。
「バレてたか。」と言いながら顔を出したのは類さんだった。
「お前がついてきてるとはな。てか、帽子被っててもバレるんだよ。お前みたいな髪の毛の色中々いないし。お手洗いいってすれ違った時に、気づいたよ。何年の中だと思っているんだよ。この腐れ縁。」
とここぞとばかりに言葉を吐いた。
「今日はこの人の付き添いでね。ほら、君も観念しなよ。」と草むらにもう一人いることを類さんは言ったから、私は思い当たる人に電話をしてみた。
そうすると、案の定その人のコールおんがなった。
「一也心配しなくていいって。あれほど言ったよね。」
草むらから顔を出した一也は
「いや、心配っていうか快斗さんのエスコートが不安で…」
「不安って何。大体…」そのまま説教続けようとしたら、
「じゃあ、このまま4人で夕ご飯でも食べにいくとしよう。今日は一也くんの奢りだよ。僕を恋沙汰に首つっこませて、その点この二人に僕たちが怒られてしまって。あ、だったら割り勘かな。じゃあ、みんなで食べに行こう。」と言ってそのまま4人で食べにいくことしにした。
焼肉を食べたのだが、親からメールが入った。
「私たち今日は家に帰れない感じなんだ。だから、二人とも外いるんだろ。どこかに泊まったらどうだ。」というメールが入ってた。類さんや快斗にそのことを言ったら、だったら僕たちも一緒に泊まることにした。けど、類さんが起点を効かしたか何かで私と快斗が同じ部屋、そして、一也と類で同じ部屋を使うことになった。このお金は全て類さんが出してくれることになった。
 「何から何まで今日は付き合ってくれてありがとうございます。」と私はお礼を言った。
「別に、実は俺も親に言われたんだ。デートに行ってくるって。そうしたらどこかで泊まりなさいって言われてなどうせそのことで類を使おうと思ってたが、弟さんといてくれてよかった。」私はそのことを聞いて、快斗さんそういう多額のお金を払うことになった場合、類さんに頼っているのは見え見えだ。でも、それが快斗さんらしいっちゃらしい。
「じゃあ、私お風呂入ってきます。」と言って私はお風呂に向かった。夜ご飯は済ましてきたと言って、ここで食べるのは明日の朝ごはんだけになるけど、なんか楽しみ。
お風呂に浸かった時に、後ろから見知った声が聞こえた。今行っている高校の前に行ってた中学に転校する前の学校に行ってた川上陽菜ちゃんだった。私は声をかけられずにはいられなかった。
「陽菜ちゃん。」と呼んだら、向こうは私の声が届いたのかこちらを向いて、驚いた。
「真白。久しぶりだね。っていうかよく覚えてたね。」と言った。私は当時の中学ではかなり孤立していたからあまり人のことを知らないと思われていた。
「陽菜ちゃんは家族できたの?」
そう聞くと陽菜ちゃんは顔を赤くした。私はまさかと思い聞いた。
「えっと、彼氏さんときたの?」それを聞くと
「なんでわかったの?」と質問で返してきた。私は意外な反応を取られる前提に言った。
「えっと、私も彼氏と来てるから。」
「ええ、そうなの。」
「そうなんだ。人生初彼氏なの。めっちゃイケメンで時にイジワルなんだけどそれがまたかっこよくイジワルしてくるんだよね。」と彼氏について語っちゃった。
「そうなんだ。私の彼氏なんだけど、覚えてるかな。あの、䋝田美晴おうだみはるなんだけど。」
私は覚えている。䋝田美晴は歩く国語辞典と言われてすっと言葉の意味を言えるような人間だった。それに文学に対してはかなり詳しくいろんな物語を読んでいる。
「そうなんだ。覚えてるよ。どっちから告白したの。なんか私はお互いが恋を知らなくて、だったら私たちで付き合っちゃおうって言う感じなんだ。」
「えっそんな感じで付き合ったんだ。私たちは意外だけど美晴からなんだよね。なんか私も文学が好きでいつも図書室で私が借りる本って美晴が借りようとしてた本だったんだ。それで趣味があって、それでよかったら付き合おうって感じ。」
私は久しぶりに陽菜ちゃんと話している。しかも恋バナだった。
そして、お互い彼氏を待たせると悪いからって言うので髪の毛を洗って、しっかりと乾かして、浴衣を着て自分の部屋に戻った。
「おい、待ったよ。」と言われ、浴衣姿の快斗に壁ドンされた。部屋に戻ってきてすぐだったので驚いてしまった。快斗も浴衣姿ということは私たちが行ってる間に入ってきたということだ。
「ごめん。あの…」私は言い訳をしようとするとそれを拒むかのようにキスをされた。
私は思う、この人前世にこういうのめっちゃやってきてるでしょとたまに思ってしまう。もうすでに布団はひかれていた。
「今はこれで許すよ。」と言って私から離れた。
「あの今の高校の前の中学校の転校前の中学校で友達だった人にあったんだ。その人も彼氏と一緒にきてて、一緒に恋バナしてたんだ。」
それを聞いて、驚いた。
「そうなんだ。転校した経験あったんだね。」と言った。
私は転校した時のことを思い出した。小学校の頃に四度も、中学校の時に二度やったことを思い出した。新しい友達を作るのは簡単だったけど、それまでをその学校で過ごした友達と別れるのが辛かった。でも、今日会えて嬉しかった。私は自然に涙が溢れてきた。嗚咽も溢れた。人生でもっとも辛い瞬間はお別れの時だった。もう会えなくなるんじゃないかという考えが頭をよぎることが私を絶望へと突き落とす。
快斗が私を抱きしめた。
「辛かったな。寂しいよな。僕は転校っていうものが大嫌いだった。親の都合だけで今まで仲良かった奴らと次の日からは喋れなくなる。大人ってのは酷いよな。俺も母親だけには忌み嫌われた。俺の家族は父さん母さん共働きだった。ある日母さんの都合で転校しないといけなくなった。父親はその時点で母親の上司とかを怒った。でも、必要な転勤だったそうだ。母さんと父さんは僕に転校させたくないからなるべくない所に勤めていたそうだ。でも、確率で母親が当たってしまった。その時点で離婚が決まってしまっていた。父親と一緒にずっと同じとこで住んでいる。でも、僕はたまに父親にバレないように電話したりあったりしてるんだ。」
私はその話をきいた時、私も同じように考えていた。悪いのは大人だって。でも、大人がいないと私たち子供は生きていけない。私はスマホを取り出して、小さい音で音楽を鳴らした。自分の作った曲だ。曲名は『未来が小さくても』という曲だ。私の転校するときの気持ちを詰め込んだ曲だ。この歌から私は人気になった。
「この曲僕好きだよ。でも、正体わからないんだよね。近くにいたりしないかな。」と言って私のスマホに怪盗Kと打ち込んだ。そうすると私が流した曲の歌ってみたがその人のチャンネルの中にある。
「俺だよ。それ俺の声。」私はいきなりすぎて言われたことを飲み込めなかった。
私は思い出した。この人が私の曲の歌ってみたを一番最初にに出してくれた人だったということを思い出した。
「あのね、快斗。私なんだこの曲作ったの。私が白石雪。」
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