【休止】天の声、実況、す。

佐橋 竜字

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NUMBER’S CONSCIOUSNESS

【#高野由利亜】1

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 由利亜は知ってる。
 この世界には「地球外生命体」、所謂「宇宙人」がいることを。


「由利亜嬢、いってらっしゃいませ!」
「うん、行ってくる」
 今日も当たり前の毎日を送るんだ。あぁ、なんてつまらない毎日なんだろう。
 由利亜の家系は893ヤクザだ。ちょっぴし他の女子に比べてスパイシーな家に生まれて良かったとは思う。
 由利亜ももう高校三年生になった。お父さんのカタギの仕事は女だから継げないし、というか危ない仕事だからそんなことはさせられないって。
 かと言って「普通の」婿養子を入れるのもつまらない。
「あ、おはよー! 由利亜!」
「おはよう京子」
 いつものコンビニのある交差点で友人の京子と待ち合わせ。
「ねぇ、由利亜~」
「行かない」
「んなっ!? まだ私内容喋ってないけどぉっ!?」
「どうせ占い屋の話でしょう」
「ぐぬっ、さすがは由利亜ね・・・」
 最近京子は新しく近くにできた「占い屋」に興味深々らしい。
「めっちゃ当たるって評判なんだってほんとに!」
 スクランブル交差点で赤信号で止まる。


『速報です。如月高校の佐々木智子が行方不明となった事件から一週間、また新たな行方不明者が・・・』


 タワービルの巨大モニターが、行方不明者の続報をほぼ毎朝流してる気がする。
「やっばぁ、隣の高校じゃん。これで何人目?」


『今回の件で行方不明者が十人となった為、警察は神隠し事件と、さらに捜索活動を強固していく形を取るそうです。』


「こういうのってさ、由利亜の方でも分からない感じ?」
「寧ろ、警察の方から力を貸して欲しいって、依頼受けてるんだよね」
「うえぇっ!? ついに893と警察が手を取り合う時代来たかーっ!?」
「ばっか、一時的だよ」
 昨晩も、警察が高野組にわざわざ足をお運びなさった。依頼内容は勿論行方不明者の捜索と情報。特に情報に長けてる世界だから、猫の手も借りたい、そんな感じだ。
よほど切羽詰まってるのだろうね。
「行方不明で遺体が上がらないんだよね一つも。おかしな話だよね」
 そうなんだ。
「あっ! 天宮凛ちゃんだぁ!」
 またモニターに目をやる。


『頑張る貴方に、天使のジュエリーを』


 最近もっぱら人気の「天宮凛」。女優とモデル業でCMとテレビで引っ張りだこの新人タレント。もうメディアで彼女を観ない人はいない。
「可愛いよねぇ。ドラマも凄い視聴率だって」
「ふぅん」
 由利亜は興味ない。だって、この人、目が笑ってないもん。活力が感じられない。
「立って笑ってるだけなら、誰だってできるよ」
 信号がようやく青になる。
「辛辣ぅ~。由利亜厳しい~」
 由利亜の今見ている景色ものと、天宮凛の見ている景色ものは一体どれだけ違うのかな。
「・・・・・・」
 また、いつもの交差点を渡る。
 また、いつもの学校生活が始まって、また当たり前に終わるんだ。



▶▶▶


 授業が終わり、スマホを見た。
『買い物付き合って~。下駄箱で待ってる♪』
 京子からのメールだ。あの子のクラスはホントに授業が終わるのが早い。
 まぁ、買い物か。少しはいい刺激になるかな。
 その前にトイレだ。
 おすすめは一番奥のトイレ。
 窓もないし壁に囲われ、なんとなく音も遮断されるし自分の世界に一息つける。
「ふぅ」
 まぁ今日はゆっくりはしていられない。
 手を洗って、すぐにトイレを出た。
 スマホを見ると返事が返って来てない。珍しい。
 電話してみる。
「・・・・・・」
 出ない。あの子、何してんの? 好きな先輩にでも声かけられた? それぐらいじゃないと。スマホに反応しないなんてよっぽどよこれ。
 仕方ない、現地に行くしか。
「?」
 学校が、物凄い静か過ぎな気がする。というか、教室に、廊下に。何で誰もいないの?
「せんせ・・・」
 
 カラン。

「?」
 上履きに硬いものが当たる。
「は?」
 何でこんなところに宝石が?
「え? は、え?」
 宝石は廊下、教室、至る所に落ちていた。
 何?? 一体なんなん・・・。


ードォンッ!


「ッ!?」
 い、今。何か目の前を通過した、ってか吹っ飛んでいった?
 吹っ飛んでった方をみ、見てみる。
「・・・グゥ、ウ・・・」
 廊下の端にめり込んでるんだけど。


【あっれぇ~? まだ生き残りがいたんだ~?】


「?」
 変な声がした反対方向を見やる。
「ッ!」

 声にならない声とはこのことだ!
 いた。
 そいつは堂々とこっちに二足歩行で歩いてる。
 やっぱり、いたんだ!
 あの、風貌。

「宇宙人っ!!」
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