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2 : 聖行為 ※
しおりを挟むアメデアは神託をうけると必ず体を清め、自分専用の祈祷室へと入る。
高位の身分になってからは必ず護衛騎士がついた。祈祷室内には入ってこないが、扉の前で待機している。それが初めの頃は恥ずかしかったが、今はなにも思わなくなった。
祈祷室の燭台に明かりを灯し神像の正面に跪く。
この祈祷室にある神像は特注のもので、精巧に作られた等身大のリュアオス神は本物の衣を着ている。
アメデアはおもむろに服をたくし上げ脚を開く。
指を口の中にいれて舐め、そのままリュアオス神像の前で自慰をするように後孔に手をのばす。
「んっ……」
体を清めた時に準備をしていたため、孔はスムーズに指を飲み込んでいく。
孔がしっかりと開くこと、中が綺麗であることを神に証明するように指を動かす。決して己の弱いところを触らないように注意はするが、どこを触っても声は漏れてしまう。像ではあるが愛するリュアオス神の前で痴態を演じている。
「ふ……ッ」
アメデアは十分に神像に体をさらすと、指を引き抜きふらりと立ち上がる。ゆるやかに勃ちあがった陰茎をぶらさげながら神像のすぐ側まで歩く。
不慣れな手つきで神像の衣を脱がす。神像は雄々しく勃起した男根までも忠実に再現していた。
アメデアは神像に背を向け、男根の張り型を手で押さえながらゆっくりと孔の中に入れる。
「ん……っ、く……ぅ」
冷たく無機質なそれがアメデアの熱く熟れた中に全て入る。
硬く冷たい神像は突いてはくれず、アメデアは自らゆるゆると腰をふる。それでも物足りなさを感じ腹の奥がせつなくなる。
「はぁ……はぁ……」
「像の俺はどうだ?」
正面から流麗な声が聞こえ、下半身にあった意識を前へと移す。
目の前には金色の麦畑を彷彿とさせる豊かで美しい髪をした男の姿があった。人間離れした容貌と神秘的に輝く薄い青の瞳がアメデアをとらえてはなさない。
「リュアオスさま」
リュアオスはアメデアの前にやってくると妖艶に微笑んだ。
「そなたのこれは相変わらず愛いな」
リュアオスは、完全に勃起したアメデアの陰茎を指で軽くはじいた。たったそれだけの刺激にアメデアの体は悦んだ。
「あぁんっ」
「すっかり染み出ているではないか。そなたの可愛らしいペニスをもっと見せてくれ」
リュアオスは先端を指で軽く押して左右に揺さぶる。
「ひゃッ! んんっ……」
お願いのような命令の言葉に答えるために、服を手でおさえるが、与えられる快楽に時おり服をはなしそうになる。
「そのまましっかりと腰を打ち付け乱れろ」
リュアオスは弄んでいた指を退けると、アメデアの細い腰をもって神像に押し付けた。
「はいッ!……ああぁ、はぅっ」
リュアオスに導かれるまま自分で腰を揺らす。先程よりも深く激しく。
神像にぶつかる度にアメデアの陰茎は上下左右にだらしなくゆれ動く。
リュアオスの薄い色の瞳とかち合うと、甘くじれったい気持ちになり、欲深くも本物の熱く膨れ上がったそれを求める。
「リュアオスさま、どうかっ、どうか御寵恩を……っ」
「矮小な下の口から涎をたらして、それほど俺が欲しいか?」
リュアオスは再びアメデアの濡れそぼった陰茎をすくいとった。それを擦ると粘度のある音が鳴る。
リュアオスの美しくも男らしい手による直接的な刺激にアメデアは耐え切れなかった。
「ああぁ——ッ!」
あっけなく吐精すると脚の力がぬけ前方へと倒れ込む。後孔にささっていた神像の張り型がずるりと抜ける。
リュアオスは倒れてきたアメデアを受け止める。その柳腰をつかみ抱き上げるとその場に座った。
「リュ、リュアオスさま」
はからずも自らが仕える神の上に座ることになったアメデアは困惑した。
しかし、そんなことはお構いなしに、リュアオスは頬や瞼に柔らかな唇を落としながら後孔に指を入れる。
「俺の前以外でここをいじったな」
「あんっ」
叱るように指が乱暴に中を押す。
リュアオスが言ってるのは、きっと体を清めた際に行った行為のことだろう。決して快楽をもとめて行ったわけではないと言い訳をしても、全く感じなかったわけではないのだから意味がない。
「も、うしわけっ、ありません……んっああ……ッ」
自分の浅はかさと卑しさに謝罪をする。
それでもリュアオスの攻め立てる手は止まらない。
「そなたの全ては俺のものだ」
「はいッ、私は、あなたさまに全てをささげました」
アメデアは、愛や貞節、命までも全てをリュアオス神にささげている。
中をかき乱す指は、アメデアの弱いところを掠めるだけで決定的なものをあたえない。
それに焦れ、腹の奥に熱いものを注がれたいという願望が溢れだす。
あつい想いのまま、リュアオスを見つめれば、花のような笑みが帰ってくる。美しい笑みには少しの加虐心が見える。
「そのような顔をするな。苛めてしまいたくなる。俺のこれが欲しいのだろう」
「……っ」
布越しに押し当てられたそれは、神像の張り型よりもさらに立派で勃ちあがっていた。
すでに慣れ親しんだものであるはずなのに、存在を主張されると紅潮する。
リュアオスはキトンを寛げ、雄々しい男根を取り出す。
「己でいれてみるか?」
「……はい」
その完璧な顔で見つめられ、一つの返答しかできなかった。
リュアオスの肩に手を置き、腰を持ち上げる。はりつめた男根に片方の手を添えてゆっくりと下ろしていく。
十分に準備を済ませた孔がゆっくりと確実に飲み込んでいくが、その大きさに息苦しさを感じざるをえない。
「はん……っ、うぅ」
「まだ全て入っていないぞ」
そういうとリュアオスは柳腰を持って強制的に下ろしきった。
「ああああ!!」
突如襲ってきた充足感と奥への刺激に、瞼の裏に星が散る。
容赦なく打ち付けられ、決して届かない奥底の深淵まで入り込む。深淵の扉へのノックを繰り返し、何度も深淵へと侵入する。
その快楽に声にならない悲鳴をあげる。
「辛いか?」
「い、いいえ。きもち、いぃ……ッ!ああっ」
「像の俺とどちらがよい?」
「リュアオスさまですっ」
「そうか。ならばもっと可愛がってやらねばな」
リュアオスはさらに大きく動き加速しながら、アメデアの服の中に手をいれる。
服を上まで持ち上げられ、赤く熟れた胸元が露になる。両の乳首には、リュアオスを象徴するような金の環が貫通しており、瞳と同じ色をした宝石がそれを飾る。
飾りを軽くはじいて遊んでから、熟した果実を摘むように乳首をいじる。
「ここの具合はどうだ?」
「ああっ……、いいです……っ!」
この胸を飾る宝石は最近、リュアオスによって付けられた新たな印だ。
「んぅッ」
がぶりと赤く腫れたそこを噛まれアメデアはのけぞる。
達しそうになった時、リュアオスによって出口を塞がれ、快楽は行き場をなくした。
「まだ俺は勝手に後ろをいじったことをゆるしてはいない。これは仕置きだ。簡単にはイケると思うなよ」
「ああぁっ……、もうし、わけっ、んんっ」
懺悔の言葉を告げる前に口の中に舌が侵入する。
生暖かく濡れたそれは口腔を蹂躙する。頬に混ざりあった唾液が伝う。
ヂュッと音をたてて全てを吸いとられると、その心地よさに夢現となる。
何度も何度も突き上げられながら、外に出すことを許されない切迫感がアメデアをおそう。
「……っ、もぅ……。リュアオス、さま、お慈悲をッ、……はぁんっ、果ててしまいますッ」
「許そう」
リュアオスはおさえていた手をはなし、腰をひときわ深く押し上げ、深淵に長く擦り付ける。
「あぁぁぁぁぁ——ッ!」
堪えた分、せりあがってくるものは絶大であった。
体は痙攣し、足はピンと伸びきる。後孔がぎゅっとしまるとリュアオスは小さく呻いた。
「中に……」
アメデアは己の薄い腹をさわって中に注がれたものを感じる。
「まだだ。もっとそなたに注がねばならない」
一度だけで終わるわけはなかった。
リュアオスはアメデアをひっくり返し四つん這いにさせた。腰を持ち上げて再び挿入する。
「ああんっ、イッちゃ……っ。リュアオスさまぁ……っ、おく……、おくは……ぁあ」
リュアオスは柔らかな腿をつかみ深く突く。その大きな動きによって既に中にある白濁が音をならし泡を立てる。
「そなたは俺の寵愛をうけるのが役目だ。その中に多く受け入れ、そしていかすのだ」
「ああぁっ!! リュアオスさまっ、のご寵愛にぃ、ああ……っ、感謝しますっ」
絶頂の余韻にひたる暇もなく、絶え間なく与えられる快楽にアメデアは喘ぐ。
神の精力は尽きることなく、満足させる頃にはすっかり声もかすれ、意識もぼんやりとしている。
今がどんな体勢なのかもわからないし、何回達したのかもわからない。
ただ目の前にはリュアオスの顔がある。手を伸ばすと、彼にはじめて与えられた印である聖痕が見えた。
鷹が翼を広げたような、百合の花のような不思議な形をしたそれは手の甲にある。
手はリュアオスにつかまれて、彼の頬へと導かれる。啄むような優しい口付けをすると、まぶしい笑みが帰ってくる。
「愛しています」
枯れた声でその言葉を口にしたかどうかの記憶はない。
次に目を覚ませば、リュアオスは目の前にはおらず、自室にいた。
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