七不思議をつくろう

真山マロウ

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第一の不思議

悪い人たちではないらしい

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「七不思議、順調?」
 翌日の昼休み。おにぎりを頬ばる響子きょうこが好奇心旺盛な瞳で覗きこんできた。クラス替えで知りあって一か月ながら、さっぱりとした性格が心地よくて毎日お昼を一緒にとっている。

「前途多難。軽くお手あげ」
 ため息まじりに箸をおく。お腹はすくのに、なかなか喉をとおらない。

「わりとクセ強メンツだもんね。そのぶん楽しげだけども」
「だったら響子、代わる?」
「残念ながら、あたし部活あるからさぁ」

 もとからそんな気ないくせに、と思えど腹はたたない。からりと笑ってショートボブの髪を揺らす響子は悪意と無縁なのだ。

「まあ、夏木もいることだし。どうにでもなるっしょ」
「夏木くんが? なんで?」
「あいつ理事長の甥だから」
「ええっ!」

 響子によれば、元同じクラスの子たちはみんな知ってる情報らしい。そんな大事なこと最初に言ってよ、というか親戚の案件なら夏木くんがリーダーやってよ!

 放課後、集合場所の空き教室むかう。あれからいろいろ考えて、七不思議づくり中止を理事長と交渉してもらえないか夏木くんに相談することを決意した。

 うまくいけば数日以内に解放されるぞ。希望の光にうきうきしながら教室のドアをひらく。と、すでにそこには四人の姿があった。

「ポジティブハッピー路線でいきましょう!」
「でも、それだと七不思議の醍醐味が……」
「醍醐味よりもハッピーのほうが大事です!」

 しかも、義井くんが福谷さんに言い負かされそうになっている。

「俺は義井派だな。そういうのは陰気なほうがおもしろい」
 火に油をそそぐような発言をしたのは一組の男子、志倉しくらくん。都市伝説系に熱心な立候補組の人だ。この際、きみでもいいからリーダー代わってくださいよ。

「なら、福谷の案じゃねえの。新しさがある」
 さらに夏木くんも参戦。二対二の構図。必然、四人の瞳が私に意見を求める。決定打となりうる一票。だけれど責任をこうむるのは嫌なので、慎重に言葉を選び、

「どっちの意見も共感できるから、どっちの要素もとりいれてみるとか。陰な雰囲気ありつつポジティブハッピーなかんじで」

 なんだそれは。
 自分でも言ってることの意味がわからない、苦しまぎれのごまかし。まじめに答えろ、と目くじらでも立てられるのかと思いきや、

「素敵なアイディアですね!」
「うん。僕らなりの七不思議ができそうだね」
「それはそれで、おもしろそうだ」
「そっちのが新しいな」

 全肯定。みんな素直な、いい人たちか!
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