七不思議をつくろう

真山マロウ

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第三の不思議

優先順位

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 もう一度、真正面からぶつかったところで、実森さんは話してくれないだろう。それどころか逆効果になるかもしれない。なら、どうすれば。押してダメなら引く? でも、引いたらそこで終了しそう。他に方法は……?

「なにその特大のため息」
 翌日の昼休み。響子に指摘され無自覚だったのに気づく。お弁当も途中でストップ。ほとんど手をつけていなかった。

「ごめん、ちょっと考えごと」
「七不思議まだモメてんの?」
「というか、新たに問題発生」

 事情を話すと、あからさま響子がしかめ面。

「あたしも放っておくかな。裏表ありそう、その部長」
「そのあたりも、どうなんだろうね。実際のところ相手のこと、ほとんどなにも知らないし。だから突破口も見えなくて」

 はあ、と今度は自覚してため息。見かねたらしい響子がスマホをとる。

「とりあえず別方向から攻めてみたら。どんな人だか、うちの部の先輩にきいたげるよ。たしか同じクラスだった」
「ほんとに? 助かる。ありがとう」

 響子がメッセージを送るあいだ食事を再開。悩んでいてもお腹はへる、不思議なもので。

「返信きた。えーっと、絡んだことないからよくわかんないみたい」
「そっか……」
「あと、見たかんじ友達とかはいないらしい。人づきあい苦手っぽい。無口で暗くて、ぼっちで」

「ほんとに? 人違いじゃなくて?」
「ボウズで眼鏡の人でしょ? なら、あってる」
「だって、私たちと会ったとき喋りたおしてたし」
「無理してたのかもしんないね」

 だとしたら、それほどまでに追いつめられていたのだろうか。初対面の後輩たちに神経をすりへらして、何度も頭をさげるくらいに。

「なんか、なおさら放っておけなくなった」
「でた。栞里、まじ面倒見いいよね」
 率直なコメントが、鋭利な刃物のように刺さる。

「それって、お節介ってこと?」
「多少ね。けど、べつにいいんじゃないの。誰かに迷惑かけてるわけでもないんだし」
「かけてるよ。すぐ、やりすぎるから……」
「じゃあ、やばそうなときは七不思議の人らに止めてもらえるよう、お願いしとけば」

「どうかなあ。みんな私に甘いところがあるから」
「なにその愛されキャラ発言。つか、夏木も? 意外」
「夏木くんは無関心。食べ物には興味あるみたいだけど」
「それも意外。まさかの食いしん坊キャラだったんかい」

 愉快そうに笑い声をあげる響子を眺め、またまたため息。人の心配してるより、自分の欠点克服のほうが優先事項な気がしてきた……。
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