七不思議をつくろう

真山マロウ

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第四の不思議

複雑な心境

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 教室に戻る。私を見て、響子がスマホをいじっていた手をとめる。

「おかえり。大丈夫だった?」
「ムカついた」
「珍しいね、直球でそんなこと言うの」
「だって、あまりにも横暴なんだもん」

 机につっ伏す。大きくため息。なんか異様に疲れた。こういうとき響子は、なにもきいてこない。だから私も話しやすい。

「七不思議やめてほしいってさ」
「まじで? なんで?」
「風紀が乱れるらしい」
「なにそれ」
「よくわかんない」

 それにくわえて、みんなを小バカにされてムカつくし、七不思議をインチキ呼ばわりされてショックだし、感情ぐちゃぐちゃ。

「とりあえず乱れてる気配ないんだし、スルーでいいんじゃない?」
「だよね。私もそう思うんだけど……」

 でも、わざわざ呼びだすくらいだから、なにかしら鬼塚くんには根拠があるのかもしれない。

「もしかして、知らないとこで問題おこってたりするのかなぁ」
「さあ?」
「……響子が知らないなら、なにもなさげだね」
「どんなふうに見られてんのよ、あたし」
「情報通」
「なんでよ。人並みっしょ」
「だって学園内のこと、響子から教えてもらってばかりだし」
「もしかして栞里、チェックしてないの? クラスのグループ」

 メッセージアプリを表示させスマホを見せてくる。裏サイトのトラウマのせいで、私は参加してるけど既読つけるだけ。

「内容ちゃんと把握してないんだよね。そういうの、あんまり得意じゃなくて」
「あっそ。なら、そのまま適当に流し見でいいんじゃないの」

 画面を自分に向けなおし、響子が最新情報をチェック。現クラスのみならず、部活と去年のクラスのにも参加しているらしい。

「鬼塚に呼びだされたの、もう話題になってるね。あ、七不思議は評判いいみたい」
「ほんとに? 文句とか書かれてない?」
「ないね。もし書かれることあったら教えたげるよ」
「いい、絶対教えないで。心折れる」
「つか、鬼塚への文句えぐいわ。対立することになったとしても、栞里たちのほうが有利そうだね」

 なにかにつけて生徒を注意する鬼塚くんは、よく槍玉にあげられているそうだ。融通のきかない石頭だとか自己中だとかは序の口で、ひどい言葉が並ぶことも少なくないとのこと。

 安心させるつもりで教えてくれたんだろうけど、私としては複雑だ。たとえ鬼塚くんにも原因があったとしたって、批判ならまだしも悪意をぶつけられていい道理はない。本人が知ったなら、どれほど傷つくだろう。他人事には思えなかった。
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