七不思議をつくろう

真山マロウ

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第六の不思議

変われば変わる

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 駅前のコーヒーショップに向かう。まさか学校外も一緒なんて、数か月前までは想像もしていなかった。

 期間限定のドリンクをオーダーする。ホイップたっぷりの甘いラテで喉を潤しクールダウン。今日いろいろあったな。香西さんに裏切られて、木島さんにむちゃぶりされて。しかも志倉くんの元カノだったなんて。

「それで、どうして付きあうことになったんですか」
 福谷さん、いつになく積極的だ。そんなに恋愛に興味あるのかな。そういや、付きあったことないの私だけか。

「動画編集の話をするんじゃないのか」
「両方とも知りたいです」
「……まあいい。どっちにしろ関連することだ」

 一年のときも二人は同じクラス。とくに親しいわけではなかったけれど、本屋で動画編集関連のを立ち読みしていたら「よかったら教えようか」と声をかけられたそうだ。そのほうが独学よりも理解が早いと考えた志倉くんは素直に厚意に甘え、二人ですごすことが増え、やがて告白されたとのこと。

「なんと木島さんのほうから! どういう流れですか。いきなり告られましたか」
「そこはどうでもいいだろう」
 鼻白んだ志倉くんに、今度は義井くんが。
「つまり七不思議が形になったのは木島さんのお陰でもある、ってことかな」
「そうなるかもしれないな」

 動画が公開できるのは、志倉くんの編集があってこそ。私たちだけじゃ、あんなにしっかりしたものはできなかった。

「どうして動画編集しようと思ったのかな」
 義井くんの興味は恋愛よりも、そっちにあるようだ。志倉くんは少しためらいをみせたものの、ぽつりぽつり語りはじめた。

 もともと都市伝説にはまっていたのは父親で、密かに動画共有プラットフォームに投稿している。フォロワー数一桁、再生回数平均二桁後半。どうにかして人気がでる手伝いがしたかった、と。

「素人目に見ても編集の酷さがわかったからな、ちからになれればと思ったんだ。だが、いざスキルを身につけたところで、本人がひた隠しにしているのに、こちらから言いだすのも気がひけて」

「そうだよね。実は知ってたよ配信者でしょ、なんて同じ立場なら僕だって言えないよ」
 義井くんが熱心になるのに反比例、福谷さんの関心は他のお客さんのファッションにむく。飲み終わった夏木くんは追加オーダーのため離席。

 全員マイペース。自由な人たちに囲まれて気が楽になる。どんなセラピー効果。自分の心が予測不能なのが驚きで、おもしろくて、わくわくした。
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