七不思議をつくろう

真山マロウ

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第六の不思議

一喜一憂

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 本当に怖かった。あんなに恨みをこめた目で直視されたことなんて生まれてはじめてだ。志倉くんの話題は地雷だったのか。でも、むこうから振ってきたし。なんであんなに怒ったんだろう。わけがわからない。

「栞里?」
 ぽん、と響子に肩を叩かれて我に返る。教室に戻って、ずっと上の空だった。

「どしたの。顔やばいけど」
「ごめん、考えごとしてて」
「あの新聞部? ゴスロリ案件だよね」
「うん。怒らせちゃった」
「は? なんでむこうがキレてんの?」
 人の恋愛事情が絡んでそうなことを喋るのはよくない。どうやって説明しようか。

「私の配慮がたりなかったというか」
「なにそれ。配慮すんの、あっちだよね。つか、香西さんて人からは謝ってもらった? 約束破ったんでしょ」
「いや、それは……」
「なにあいつ、むかつく!」
 そのことに関して、響子は当事者の私たちよりも怒りつづけていた。

「栞里がムリなら、あたし言ってくるけど」
「大丈夫だよ。それに香西さんよりも」
「新聞部のほうが問題? 性格キツそうだもんね。ああいうのが一番タチ悪いんだって」
「怖いこと言わないでよ……」
 またあの目が思いだされて、体がぶるっと震えた。

 放課後、図書室にいく。おのおの自由にすごす空間。癒される。

「七不思議、もうやらないって本当ですか?」
 小一時間ほどして図書室をでると、こないだの一年の子が追いかけてきた。山本やまもとです、と名のった彼女は不安げな表情。どうやら私たちが集まっていないのが噂になっているらしい。どれだけ情報だだ漏れなのか。

「一気に進めちゃったから、少し休んでるだけだよ。気にかけてくれてありがとう」
「楽しみにしてます、お世辞とかじゃなくて。私以外の子たちも、次なにがくるんだろうって毎回……」

 と喋っていたのを中断。図書委員の人が山本さんを呼びにきた。じつは彼女も図書委員で、本の手入れの途中だったそうだ。しかも定期的に書架の整理までもしてくれているとのこと。

「ごめんね、そこまでしてもらってるなんて知らなかったよ。いつもありがとう」
「活動の一環ですから。あとは利用者がふえてくれれば、やりがいもあるんですけど」

 おすすめを展示したりと工夫をこらしてもなかなか難しい、と寂しげに笑う。

「そうなんだ。せっかくだから山本さんのおすすめ借りてみたいな。教えてもらえる?」
「ぜひ! 案内します!」

 喜びが伝播。思いがけず元気をもらって、心がぽかぽかになる。誰かが喜ぶのって、やっぱり嬉しい。
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