七不思議をつくろう

真山マロウ

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第六の不思議

味方

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 夜。メッセージアプリのグループで呼びかける。七不思議の集まりをしばらくやめることになったとき、みんなとは連絡先を交換していた。

『もし七不思議を再開するなら、お願いがあるんだけど』

 まず応答があったのは義井くんだ。『もう再開するの? 無理しなくていいよ』

 次いで志倉くん。『夏休み後でも俺は構わない』

 福谷さんも。『中垣さんの好きなだけ休んでください』

 夏木くんは既読だけ。

『すぐは考えてないけど必ず再開したくて。図書委員の人が楽しみにしてますって言ってくれたし』
 山本さんのことも伝える。みんなの反応は早い。
『そういうの嬉しいよね』『冥利につきるな』『絶対そのうち復活しましょう!』

 盛りあがってるところで、夏木くんからメッセージ。
『思いついた。七不思議』

 そわそわ、っと胸のあたりが落ちつかなくなった。

『よかったら明日集まらない?』と義井くんの呼びかけ。
『俺は構わない』『賛成です』『私も』
 しばらく休むなんて言っておきながら、明日になるのが待ち遠しい。

 翌、放課後。数日ぶりに集まる。ゆうべの今日で、理事長にさしいれを用意させた夏木くん。食にかける情熱ほんとすごい。今日のおやつはマフィン。十種類ぜんぶ違う味で、先月オープンした人気のお店のもの。活動再開を喜んだ理事長が奮発してくれたみたいだ。

 夏木くん提案の七不思議は満場一致で賛成となった。

「中垣の案はどうする。ゴスロリ目当ての連中も少なくないようだしな。恐らく荒れるぞ」
 志倉くんの憂慮ごもっとも。私の提案は、次回の動画を文字と音声だけにすることだった。

「なんで身バレ嫌なんだ?」
 二個目のマフィンをたいらげた夏木くんが、謎の生き物を見るような目を私にむける。

「だって、なに言われるかわからないし」
「なにって、なんだよ」
「誹謗中傷とか」
「言いたいやつには言わせとけ。なんかあったら、こないだみたく鬼塚が対応すんだろ」
「でも……」

 傷つくのが痛い。怖い。けど、そういうの鉄壁メンタルの夏木くんには伝わらなそうだな。諦めて適当にごまかそうと思った。なのに、まさか。

「俺たちが味方じゃ不満かよ」
 そんなことを言ってくるなんて。うるっときてしまう。

「七不思議と食べ物以外の発言が夏木くんから聞けるとか、意外すぎて感情こんがらがる」
「俺をなんだと思ってんだよ」
「ひらめきと食欲の権化」
「わけわかんねえ」

 眉と目尻が柔らかくさがった。夏木くんが笑うのを、はじめて見た気がした。
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