4 / 45
山下町ライフはじめました
4
しおりを挟む
壁掛け時計に目をやる。現在、午後三時ちょい前。先ほどからキッチンにいる怒声のぬしが学生だとするなら、学校に行ってないことになる。
学生の本分は勉強。学校は通ってなんぼ。ごもっとも。けど、個人的には必ずしもそうだとは思わない。各人いろいろ事情があるだろうし、無理に登校して酷い展開になるくらいなら戦略的撤退したっていいじゃない。
数年前は私も学生だった。気持ちはわかる。そういった諸々を考えれば、少年の大荒れもやむなしだ。あのケーキ、商品用じゃなかったんだね。知らなかったとはいえ、おやつ食べて誠に申し訳ない。
「弟さんですか?」
罪滅ぼしの気持ちもあり、店員さんの話に乗っかることにする。
「いえ、僕はただの居候ですから」
ということは、オーナーさんのご家族とかだろうか。
「悪い子じゃないんです。ただ、感情のコントロールがあまり上手くないだけで。不器用に繊細というか、純粋すぎるというか」
フォローをいれる店員さんの顔に、慈しみの色がほのめく。彼らに血縁関係はなくとも、広い意味の身内ではあるようだ。店員さんにしてみれば少年のことが心配なのだろうが、身近にこれだけ理解してくれる人がいるなら、現状どうだろうと大丈夫な気もする。
とはいえ詳細がわからないかぎり、あまり踏みこむべきでない案件だ。デリケートな問題。慎重な受け答えが求められるぞ。ううむ……。
あれこれ悩みながらハーブティーに口をつける。レモングラスの爽快感とジンジャーの刺激で適切な返しが閃かないかと頭をひねっていたら、不穏な気配を感じとった。
視線を移動。うっかり出そうになった悲鳴を、お茶と一緒に飲みこむ。ビーズのれんの下に、じっとり見つめてくる右目が。睨まれてるんじゃないけど、つりあがり気味だから威圧感がある。おそらく彼が、くだんの少年だ。
びっくりしたけど、自分の話をされてるのだから、そうなるのも当然のこと。と、気をとりなおして会釈してみたら、さっと右目がひっこんだ。ものすごく見られていたけど、店員さんは気づいていない。
本人が聞いていることを知り、ぐんとハードルがあがる。右目くんの気分を害さず、かつ店員さんの気持ちも和らぐような、思いやりあふれる言葉を。頑張れ、私の脳細胞と語彙力ぅ!
人知れず格闘しているさなか、幸か不幸か、このタイミングでドアベルが鳴る。
「おい、聞いてくれ! さっきそこで……」
ほがらかに入店してきたのは、私よりも少しばかり年上らしい男性。ゆったりめの白いカットソーとノンウォッシュのデニムパンツに、藍色のガウン風のものを羽織っている。ブルーベースの肌におさまるのは、しっかりとした目鼻立ち。なかなかのイケメンさんだ。
「こりゃ失礼。まさか先客があったとは」
私の姿をみとめ、きまり悪そうにマッシュウルフの頭をかく。こちらもぺこり。「おかえりなさい」と声をかけた店員さんが「うちのボスです」と紹介する。ということは、この人がオーナーさんか。勝手な予想で、ショップとかの経営者って四十代くらいをイメージしていたので驚きだ。この人は、どう見ても二十代後半。相当のやり手なのか。それともお家がセレブなのか。
不躾に観察をしていた私の隣、ボスさんが着席。すかさず店員さんがお伺いをたてる。
「いつものでいいですか」
「ああ、頼む。それにしても、この香りはなんだ?」
「紅茶のシフォンケーキを作りました。食べますよね」
「もちろん貰おう」
店員さんがキッチンに向かったあと、ボスさんが「あいつのスイーツ美味かったろ」と人懐っこく笑いかけてきた。精悍と愛嬌が同居していて、どことなく狩猟犬っぽい印象だ。
店員さんがボスさんのために用意したドリンクは、ミントとレモンの炭酸水だった。クリアな世界に沈む鮮やかなグリーンとイエローが、見た目にも涼しげ。しかもダブルウォールグラス。いいよね、水滴つかなくて。などと思いながら眺めていると、喉を潤したボスさんがやたら上機嫌に話しはじめた。
「蓮花に会ってな。予言されたぞ」
蓮花さんというのは雑貨屋を営む女性で、占いができるかただそうだ。中華街には飲食店だけでなく、手相とかの占いや開運グッズを扱うショップも多い。蓮花さんのお店は、その少しはずれにあるとのこと。
とても興味をひかれるお話。建ち並ぶお店の前を通るたび気になりつつも、いざとなると尻ごみして、いまだに占い未経験。よくないことを言われたら心折れそうだし、逆にいいこと言われたらどこまでも調子づいてしまいそうで。
「蓮花さんは当たりますからね。どんなこと言われたんですか」
店員さんに尋ねられ、オーナーさんが含みのある笑みを私によこす。
「新しい出会いがあれば、それが探し求めていた人だとさ」
思わぬ言葉に店員さんの目が見開かれ、こちらにそそがれる。気づけば少年の右目も、再び様子をうかがっている。
「てなわけで、よろしくおねしゃす」
軽い調子でボスさんが頭をさげてきたが、そんなこと言われても、なにがなんだか。
「え、あ、ええと……」
あたふたするばかりでいたら、店員さんがさらに度肝をぬくセリフをぶちかましてきた。
「もしかして婚活のですか」
はい? それって、あの結婚相手を探すやつ?
「じゃなくて、あれだ、前に言ってた、もう一人いたらいいなぁってやつ」
え? もしかして、ここのスタッフってこと?
いちいち小首をかしげつつも、内心ほんのり期待が高まる。求人ならば願ってもない。山下町のカフェなんておしゃれ感ありまくりで気後れしちゃいますが、この店員さんとなら平和にやっていけそうだ。
店員さんはケーキを取りわける手を一瞬とめたものの、すぐに再開。「僕はかまいませんよ」と答える。それを受け、私も本格的に胸算用にとりかかる。
一番の問題はお給料だ。交通費別で家賃の三倍くらいの手取りはほしいが、さっきからお客は私だけ。お世辞にも繁盛してるとは言えない。高望みはできなそうだ。ならば、まかないを多めに。できれば、お昼とおやつに夕飯も。
生意気な損得勘定。それを見透かしたように、奥から目の覚めるような一撃がきた。
「絶対に嫌だ! 俺は認めない!」
少年が異議申し立て。しかも、これまで以上に強い語調。おやつを食べた天敵への攻撃だとしても、度を越す拒絶っぷりだ。
学生の本分は勉強。学校は通ってなんぼ。ごもっとも。けど、個人的には必ずしもそうだとは思わない。各人いろいろ事情があるだろうし、無理に登校して酷い展開になるくらいなら戦略的撤退したっていいじゃない。
数年前は私も学生だった。気持ちはわかる。そういった諸々を考えれば、少年の大荒れもやむなしだ。あのケーキ、商品用じゃなかったんだね。知らなかったとはいえ、おやつ食べて誠に申し訳ない。
「弟さんですか?」
罪滅ぼしの気持ちもあり、店員さんの話に乗っかることにする。
「いえ、僕はただの居候ですから」
ということは、オーナーさんのご家族とかだろうか。
「悪い子じゃないんです。ただ、感情のコントロールがあまり上手くないだけで。不器用に繊細というか、純粋すぎるというか」
フォローをいれる店員さんの顔に、慈しみの色がほのめく。彼らに血縁関係はなくとも、広い意味の身内ではあるようだ。店員さんにしてみれば少年のことが心配なのだろうが、身近にこれだけ理解してくれる人がいるなら、現状どうだろうと大丈夫な気もする。
とはいえ詳細がわからないかぎり、あまり踏みこむべきでない案件だ。デリケートな問題。慎重な受け答えが求められるぞ。ううむ……。
あれこれ悩みながらハーブティーに口をつける。レモングラスの爽快感とジンジャーの刺激で適切な返しが閃かないかと頭をひねっていたら、不穏な気配を感じとった。
視線を移動。うっかり出そうになった悲鳴を、お茶と一緒に飲みこむ。ビーズのれんの下に、じっとり見つめてくる右目が。睨まれてるんじゃないけど、つりあがり気味だから威圧感がある。おそらく彼が、くだんの少年だ。
びっくりしたけど、自分の話をされてるのだから、そうなるのも当然のこと。と、気をとりなおして会釈してみたら、さっと右目がひっこんだ。ものすごく見られていたけど、店員さんは気づいていない。
本人が聞いていることを知り、ぐんとハードルがあがる。右目くんの気分を害さず、かつ店員さんの気持ちも和らぐような、思いやりあふれる言葉を。頑張れ、私の脳細胞と語彙力ぅ!
人知れず格闘しているさなか、幸か不幸か、このタイミングでドアベルが鳴る。
「おい、聞いてくれ! さっきそこで……」
ほがらかに入店してきたのは、私よりも少しばかり年上らしい男性。ゆったりめの白いカットソーとノンウォッシュのデニムパンツに、藍色のガウン風のものを羽織っている。ブルーベースの肌におさまるのは、しっかりとした目鼻立ち。なかなかのイケメンさんだ。
「こりゃ失礼。まさか先客があったとは」
私の姿をみとめ、きまり悪そうにマッシュウルフの頭をかく。こちらもぺこり。「おかえりなさい」と声をかけた店員さんが「うちのボスです」と紹介する。ということは、この人がオーナーさんか。勝手な予想で、ショップとかの経営者って四十代くらいをイメージしていたので驚きだ。この人は、どう見ても二十代後半。相当のやり手なのか。それともお家がセレブなのか。
不躾に観察をしていた私の隣、ボスさんが着席。すかさず店員さんがお伺いをたてる。
「いつものでいいですか」
「ああ、頼む。それにしても、この香りはなんだ?」
「紅茶のシフォンケーキを作りました。食べますよね」
「もちろん貰おう」
店員さんがキッチンに向かったあと、ボスさんが「あいつのスイーツ美味かったろ」と人懐っこく笑いかけてきた。精悍と愛嬌が同居していて、どことなく狩猟犬っぽい印象だ。
店員さんがボスさんのために用意したドリンクは、ミントとレモンの炭酸水だった。クリアな世界に沈む鮮やかなグリーンとイエローが、見た目にも涼しげ。しかもダブルウォールグラス。いいよね、水滴つかなくて。などと思いながら眺めていると、喉を潤したボスさんがやたら上機嫌に話しはじめた。
「蓮花に会ってな。予言されたぞ」
蓮花さんというのは雑貨屋を営む女性で、占いができるかただそうだ。中華街には飲食店だけでなく、手相とかの占いや開運グッズを扱うショップも多い。蓮花さんのお店は、その少しはずれにあるとのこと。
とても興味をひかれるお話。建ち並ぶお店の前を通るたび気になりつつも、いざとなると尻ごみして、いまだに占い未経験。よくないことを言われたら心折れそうだし、逆にいいこと言われたらどこまでも調子づいてしまいそうで。
「蓮花さんは当たりますからね。どんなこと言われたんですか」
店員さんに尋ねられ、オーナーさんが含みのある笑みを私によこす。
「新しい出会いがあれば、それが探し求めていた人だとさ」
思わぬ言葉に店員さんの目が見開かれ、こちらにそそがれる。気づけば少年の右目も、再び様子をうかがっている。
「てなわけで、よろしくおねしゃす」
軽い調子でボスさんが頭をさげてきたが、そんなこと言われても、なにがなんだか。
「え、あ、ええと……」
あたふたするばかりでいたら、店員さんがさらに度肝をぬくセリフをぶちかましてきた。
「もしかして婚活のですか」
はい? それって、あの結婚相手を探すやつ?
「じゃなくて、あれだ、前に言ってた、もう一人いたらいいなぁってやつ」
え? もしかして、ここのスタッフってこと?
いちいち小首をかしげつつも、内心ほんのり期待が高まる。求人ならば願ってもない。山下町のカフェなんておしゃれ感ありまくりで気後れしちゃいますが、この店員さんとなら平和にやっていけそうだ。
店員さんはケーキを取りわける手を一瞬とめたものの、すぐに再開。「僕はかまいませんよ」と答える。それを受け、私も本格的に胸算用にとりかかる。
一番の問題はお給料だ。交通費別で家賃の三倍くらいの手取りはほしいが、さっきからお客は私だけ。お世辞にも繁盛してるとは言えない。高望みはできなそうだ。ならば、まかないを多めに。できれば、お昼とおやつに夕飯も。
生意気な損得勘定。それを見透かしたように、奥から目の覚めるような一撃がきた。
「絶対に嫌だ! 俺は認めない!」
少年が異議申し立て。しかも、これまで以上に強い語調。おやつを食べた天敵への攻撃だとしても、度を越す拒絶っぷりだ。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
炎華繚乱 ~偽妃は後宮に咲く~
悠井すみれ
キャラ文芸
昊耀国は、天より賜った《力》を持つ者たちが統べる国。後宮である天遊林では名家から選りすぐった姫たちが競い合い、皇子に選ばれるのを待っている。
強い《遠見》の力を持つ朱華は、とある家の姫の身代わりとして天遊林に入る。そしてめでたく第四皇子・炎俊の妃に選ばれるが、皇子は彼女が偽物だと見抜いていた。しかし炎俊は咎めることなく、自身の秘密を打ち明けてきた。「皇子」を名乗って帝位を狙う「彼」は、実は「女」なのだと。
お互いに秘密を握り合う仮初の「夫婦」は、次第に信頼を深めながら陰謀渦巻く後宮を生き抜いていく。
表紙は同人誌表紙メーカーで作成しました。
第6回キャラ文芸大賞応募作品です。
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】皇帝の寵妃は謎解きよりも料理がしたい〜小料理屋を営んでいたら妃に命じられて溺愛されています〜
空岡立夏
キャラ文芸
【完結】
後宮×契約結婚×溺愛×料理×ミステリー
町の外れには、絶品のカリーを出す小料理屋がある。
小料理屋を営む月花は、世界各国を回って料理を学び、さらに絶対味覚がある。しかも、月花の味覚は無味無臭の毒すらわかるという特別なものだった。
月花はひょんなことから皇帝に出会い、それを理由に美人の位をさずけられる。
後宮にあがった月花だが、
「なに、そう構えるな。形だけの皇后だ。ソナタが毒の謎を解いた暁には、廃妃にして、そっと逃がす」
皇帝はどうやら、皇帝の生誕の宴で起きた、毒の事件を月花に解き明かして欲しいらしく――
飾りの妃からやがて皇后へ。しかし、飾りのはずが、どうも皇帝は月花を溺愛しているようで――?
これは、月花と皇帝の、食をめぐる謎解きの物語だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる