23 / 60
前編
なんだかんだ仲良しなんだよなぁ(主人公視点)
しおりを挟む
クリフに連れられて食堂に入ると、既にベルおじさんとイリーネおばさんと、ティナが席についていた。いかん、居候なのに待たせてしまった。
「おはようヴィル、動けるようになったか。良かったな」
「おはようございます。遅れてすみません」
「気にするな、さあ、座れ」
「はい」
ティナの隣の席の椅子をクリフが引いてくれ、そこに静かに腰掛けると、直ぐに侍女がセッティングされていたグラスに水を注いでくれた。
「ヴィル、熱が出たんですって?もういいの?」
「はい、ご心配おかけしました」
正面に座っていたイリーネおばさんがそう声をかけてくれた。
おばさんは昔から、実の息子みたいに俺を扱ってくれるんだよな。ありがたい。
「ホントに大丈夫……?ヴィル」
「大丈夫だよ、ティナ」
ティナも隣で不安そうに顔をしかめる。
ホントに大丈夫なんだけどなぁ。
「さて、朝食にするか」
「はい、主神アレスに実りの感謝を」
日本でいうところの「いただきます」をして、食事を始める。
目の前に用意されたのは、冷たい食事。この国の習慣で、朝と夕はパンや生野菜などの調理されていないもの、昼は三食で一番ボリュームがあり、温かく調理されたものを食べるのだ。
この食生活にはなかなか慣れなかった。
朝はご飯派なんだよ俺。
パン食文化慣れないわー。美味しいけどね、パン。
転生モノのテッパンで、どっかで米栽培されてたりしないかなー。
「ヴィル、はい」
「あ、ありがとうティナ」
俺はティナがちぎってくれたパンを口に運ぶ。おじさん達がニコニコとしててくれるからいいけど………。
ホントに俺、恥ずかしい。
子供みたいだ。
「ヴィル、はい、あーん」
「ティナ!それはさすがに恥ずかしい!」
そんな、そんなリア充みたいな!
「ほほほほ。若いっていいわねぇ」
「ティナ………。相手がヴィルじゃなかったら………」
おじさんが恐い顔してにらんでるから!
恥ずかしいどこの騒ぎじゃないから!
「あなた。親馬鹿も大概にしてくださいな」
「イリーネ!しかしだなぁ!」
「あら、ほほ。もしかしてあなたもあーんして欲しいんですの?」
「そんなことは言ってない!むぐ!」
「はい、あ・な・た。あーんですわよ。ほほほ」
半ば無理やり口にパンを突っ込んでるようにしか見えないけど、なんだかんだ仲いいよなぁ、おじさん達。
ティナのウチはいつもこんな感じらしく、使用人達は平然としている。
いいなあ、賑やかで。
ウチは父さんと二人っきりだからなぁ。なんて、ティナと結婚すれば、きっと賑やかになるよな。
「ヴィル?どうしたの?」
「ん?ああ、なんでもないよ」
ティナの兄さん達にも久しぶりに会いたいな。
式が終わったら領地に行く許可を貰えるかな。
そんなことを考えながら、俺は生野菜サラダを食べさせてもらうのだった。
「おはようヴィル、動けるようになったか。良かったな」
「おはようございます。遅れてすみません」
「気にするな、さあ、座れ」
「はい」
ティナの隣の席の椅子をクリフが引いてくれ、そこに静かに腰掛けると、直ぐに侍女がセッティングされていたグラスに水を注いでくれた。
「ヴィル、熱が出たんですって?もういいの?」
「はい、ご心配おかけしました」
正面に座っていたイリーネおばさんがそう声をかけてくれた。
おばさんは昔から、実の息子みたいに俺を扱ってくれるんだよな。ありがたい。
「ホントに大丈夫……?ヴィル」
「大丈夫だよ、ティナ」
ティナも隣で不安そうに顔をしかめる。
ホントに大丈夫なんだけどなぁ。
「さて、朝食にするか」
「はい、主神アレスに実りの感謝を」
日本でいうところの「いただきます」をして、食事を始める。
目の前に用意されたのは、冷たい食事。この国の習慣で、朝と夕はパンや生野菜などの調理されていないもの、昼は三食で一番ボリュームがあり、温かく調理されたものを食べるのだ。
この食生活にはなかなか慣れなかった。
朝はご飯派なんだよ俺。
パン食文化慣れないわー。美味しいけどね、パン。
転生モノのテッパンで、どっかで米栽培されてたりしないかなー。
「ヴィル、はい」
「あ、ありがとうティナ」
俺はティナがちぎってくれたパンを口に運ぶ。おじさん達がニコニコとしててくれるからいいけど………。
ホントに俺、恥ずかしい。
子供みたいだ。
「ヴィル、はい、あーん」
「ティナ!それはさすがに恥ずかしい!」
そんな、そんなリア充みたいな!
「ほほほほ。若いっていいわねぇ」
「ティナ………。相手がヴィルじゃなかったら………」
おじさんが恐い顔してにらんでるから!
恥ずかしいどこの騒ぎじゃないから!
「あなた。親馬鹿も大概にしてくださいな」
「イリーネ!しかしだなぁ!」
「あら、ほほ。もしかしてあなたもあーんして欲しいんですの?」
「そんなことは言ってない!むぐ!」
「はい、あ・な・た。あーんですわよ。ほほほ」
半ば無理やり口にパンを突っ込んでるようにしか見えないけど、なんだかんだ仲いいよなぁ、おじさん達。
ティナのウチはいつもこんな感じらしく、使用人達は平然としている。
いいなあ、賑やかで。
ウチは父さんと二人っきりだからなぁ。なんて、ティナと結婚すれば、きっと賑やかになるよな。
「ヴィル?どうしたの?」
「ん?ああ、なんでもないよ」
ティナの兄さん達にも久しぶりに会いたいな。
式が終わったら領地に行く許可を貰えるかな。
そんなことを考えながら、俺は生野菜サラダを食べさせてもらうのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,654
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる