深夜のカルテ、白衣の裏側 ~禁欲女医は、研修医(ケダモノ)に触診される~

銀条リン

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白い巨塔の冷徹な罠

最後の晩餐、嘘つきな唇

「…待ってたわ、迅くん」

ホテルのドアが開いた瞬間、私は彼に抱きついた。

香水をいつもの倍、振りまいている。
彼が好む、甘く重い香り。

下着は着けていない。ガウン一枚の裸身を、彼に押し付ける。

「…どうしたんですか?急に呼び出したりして」

迅くんは驚いたように私を受け止めた。
その瞳には、一点の曇りもない私への愛が見える。

胸が痛い。
けれど、私は妖艶に微笑んで、彼の手を引いた。

「…したくなったの。…我慢できなくて、だから…」

「…はは、珍しいですね?冴子さんがそんなに積極的だなんて」

彼は嬉しそうに笑い、私の唇を塞ごうとした。
私はそれを指で制し、彼の前に跪いた。

「…今日は、私が、たっぷりと…してあげる」

「…え?」

「…いいから、座って。…たっぷり、奉仕させて、ね?」

私は彼をソファに座らせると、ベルトを解き、すでに硬くなり始めている剛直を取り出した。

これが最後。

この熱さも、匂いも、血管の浮き出た猛々しい形も。
すべてを目に焼き付け、舌で記憶する。

「…ん、ちゅ…れろ…」

「…っ、冴子さん…舌、すごい…な…」

私は今までで一番、卑猥に、熱心に奉仕した。
亀頭を舐め回し、裏筋を吸い上げ、喉の奥深くまで飲み込む。

イラマチオ。
喉が詰まり、涙目になりながらも、私は彼を離さない。
苦しい。でも、この苦しささえ愛おしい。

「…ぐ、ぅッ! …奥、当たってる…!」

「…んむッ! …じゅる、る…ッ!」
彼が私の頭を掴み、快楽に耐えるように仰け反る。
私はその隙に、目から溢れ出る涙をこっそりと拭った。

泣いてはいけない。

私は〝都合のいい愛人〟を演じきるのだから。

「…ふぁ、…硬い。…こんなに元気にして」
口を離し、唾液まみれになった彼を見上げる。

私はガウンを脱ぎ捨て、彼の膝の上に跨った。

対面座位。
彼の瞳が、私の裸体を映し出す。

「…ねぇ、入れるわよ」

「…えぇ。…お願いします…」
私は自分の腰を浮かせ、彼のモノをゆっくりと飲み込んだ。

ズブッ、ズブズブ…。

満たされる。
空っぽだった心が、彼で埋め尽くされていく。

「…ぁ、んッ! …ふ、深い…!」

「…冴子、中…熱い…吸い付いてくるよ…」
私は彼の首に腕を回し、耳元で囁いた。

「…迅くん。…すごかったわ」

「…え?」

「貴方のおかげで…私、久しぶりに楽しめた。…若い身体って、やっぱりいいわね」

「…え…な、何、言って…?」
私の言葉に、彼の動きが一瞬止まる。

私は構わずに腰を振り続け、残酷な嘘を重ねた。

「…か、感謝してるのよ。…あん…お、おばさんの相手を…してくれて、…ありがとう」

「…やめてよ」

「私の〝治療〟は、もう完了したわ。…だから、今日で…」

「やめてって、言ってるんだッ!!」
迅くんが激昂し、私をソファに押し倒した。
彼の瞳が、怒りと悲しみで揺れている。

「…嘘だ。…そんな言葉、信じるもんか!」

「…嘘じゃ、ないの…」

「なら、なんで泣いてるんですか!」

「…ッ!」
指摘されて初めて、私がボロボロと涙を流していることに気づいた。

身体は快楽に震え、心は悲鳴を上げている。
彼は私の涙を唇で吸い取ると、悲痛な声で叫んだ。

「…別れようなんて、言わせませんよ。…貴女は俺のモノだ。…一生、絶対に離さないッ!」

彼の腰が、怒りをぶつけるように激しく打ち付けられる。

最後のセックス。
それは、互いの魂を削り合うような、痛くて、切なくて、愛おしい嵐だった。
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