探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第拾肆話-希望

希望-15

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 第2ターミナルへと着いた旭は、高倉に無線でどこに居るか確認を取る。
「旭です。第2ターミナルへ到着しました」
 だが、高倉から応答がない。
 旭は通信を続けるところか、無線のスイッチを切る。
 そして、スマホを取り出してメッセージアプリを開き、グループメッセージチャットを確認する。
 そこに書かれている内容を確認し終えた旭は、コインロッカールームへと向かう。
 ズボンのポケットから鍵を取り出し、ロッカーを開ける。
「仕上げだ」旭はそう言いながら、中に入っていた紙袋を取り出す。
 旭は裏口を使い国内線の搭乗口ロビーへと移動し、利用客に紛れて70番搭乗口へと歩く。
 70番搭乗口に近づいていく度に、徐々に利用客が減っていくように感じながら、歩を進める。
 目的地の70番搭乗口近くの待合スペースの椅子に1人だけ座っていた。
「臨機応変って、言葉知らないの? Captain」
 そう言って、旭の方を向く長四郎。
「Captain? 何の事だ?」
「とぼけても無駄。手に持っているそれは何?」
 燐と絢巡査長が逃がさないよう背後から出てきた。
「これは、あんたらが見つけられなかったSUITOだよ」
「百歩譲って、そうだとしてどうして搭乗口に来る必要があるの?」
「それは、この70番搭乗口にSUITOが隠されているという情報を聞き出したんでな」
「そんな報告、私達は受けていないですけど」
 自分の発言に、ケチをつける絢巡査長を旭は睨みつける。
「絢ちゃんを睨んでも意味なかよ」
 一川警部が旭を挟むような形で物陰から出てきた。
「あんた達はどうしても、俺をサクル・オリオ・クラウの仲間にしたいようだな」
「ああ、そうだよ。というか、あんたが疑われるような事するからじゃん」
 長四郎のその言葉に、旭は身体をわなわなと震わす。
「疑われるだと?」
「そうそう。天走を連れて行ってからというもの、やたらと手の内を明かしていくんだもん」
「手の内っていうが、俺は天走から聞き出した情報を報告したまでだ」
「そうは見えなかったけどな。失敗した仲間のせいで急遽、作戦変更をしたCaptainそのものしか見えなかったぞ」
「それはお前の偏見だ」
「悪いけど、あたしにもそう見えたから長さんに裏切り者の候補としてあんたの事を教えたのはあたしやけん」
「それでさ、どうしてこの70番搭乗口周辺に利用客が居ないのか。知りたくない?」
「・・・・・・・・」
 長四郎の問いに旭は無言を貫く。
「黙秘に入っちゃった」燐は呆れた感じで肩をすくめる。
「お前達のヘンテコ推理に呆れて物も言えないだけだ。第一お前達、どうしてここに居る? 俺からの報告が無かったはずなのにどうしてここの場所が分かった。お前達こそ、裏切り者じゃないのか?」
 その言葉を聞いた長四郎達4人は高笑いする。
「それ、公安のあんたが言っちゃうわけ? 構成員とかある程度、把握していないの?」
 長四郎は肩を揺らしながら、旭の質問に答える。
「我々だって、構成員を全員把握している訳じゃないから不思議ではない」
「Captain、仲間が誰かなのかぐらい把握しようよ」
「何度も言うが、俺はCaptainじゃない!」
「あーはいはい。じゃあ、Captainじゃないって言う証拠を見せてよ。スマホ、見せて」
「なぜ、その証拠がスマホなんだ?」
「それは」
「それは、あんたが持っているスマホに「任務完了」のメッセージを送ったからよ」
 燐が長四郎の台詞を奪って、旭に突き付ける。
「成程。あれは仕込みだったわけか」
「That’s Right.つまり、あんたの仲間は全員逮捕したのよ。だから、俺達はここに居る」
 長四郎のその言葉に観念したのか、旭は自分のスマホのロックを解除し燐に投げつける。
 受け取った燐は、すぐさまメッセージアプリを確認する。
「確認した」燐が長四郎に向かって言うと、黙って頷き了承した旨を伝える。
「何故だ。何故、奴らが捕まるんだ。俺は撤退命令を出したはずなのに」
「その撤退命令を逆手に取った。このターミナルで捕まえた男が手助けしてくれてね。スマホ以外にも連絡手段があるだろうと思って、聞いてみたら、迷子のアナウンスが招集の合図だって教えてもらったおかげで捕まえる事ができたわけ。まぁ、一部取り残した奴もいるみたいだけど」
「そうだったのか。それは残念だ!」
 旭はSUITOを紙袋から取り出し起動させようとするのだが、燐の飛び蹴りが旭にお見舞いされSUITOと共に旭の身体が宙を舞う。
「ちょ、ちょちょ」
 SUITOを取ろうと右往左往する長四郎の頭に、SUITOが直撃した。
『あ』
 燐、一川警部、絢巡査長の声が揃うと同時に長四郎は白目を向きながら床に倒れるのだった。
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