探偵は女子高生と共にやって来る。

飛鳥 進

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第拾漆話-彼氏

彼氏-8

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「ホントに詐欺集団のアジトがあるんだ。あのビル」
 燐はテナント情報が記載されている資料を見ながら、驚きの表情を見せる。
「て、ことはさ、やっぱりリリの彼氏って詐欺師?」そう長四郎に尋ねると「詐欺師かどうかは断定できないが十中八九、黒だろうな」と答えた。
「そうかぁ~」
 そんな会話をしている2人の元に注文した品を持ってくるルリ子。
「ご主人様、お嬢様。お待たせしました」
 ルリ子はそう言いながら、テーブルの上にオムライスとカラメルマキアートを置く。
「では、ご主人様。ケチャップのサービスを致しますね。何を書きましょうか?」
「何にしようかな」
「じゃあ、バカと書いてください」
 考える長四郎を差し置いて、燐が答えた。
「バカですか? お嬢様」
 そんな事を言われるとは思っておらず、ルリ子は少し戸惑いながら長四郎を見ると、燐には逆らえないといった顔で書くように促す。
「はい。分かりました。お嬢様♡」
 ルリ子はオムライスにカタカナのバカではなく達筆な漢字で馬鹿と書き、馬鹿の二文字の後に大きい♡を描いた。
「すごぉーい」
 あまりにも綺麗な字なので燐が感心していると「ホントに凄いなぁ~」と長四郎も感心する。
「ねぇ、字見て言っている?」燐がそう言いう理由。それは、長四郎は字を見るのではなくルリ子が渡した資料を読んでいたからだ。
「あ、ああ。そっちに驚いてたのね」
「何それぇ~なんか、なんか、ムカつく」
「まぁまぁ、お嬢様」ルリ子は燐を宥めると「ご主人様、その資料でお気に召しましたか?」と聞いた。
「とっても良いぞ。これ」資料をポンポンと叩く。
 長四郎が事前に依頼したのは、例のビルのテナントの調査だけであった。
 しかし、資料には短時間で調べたとは思えないDeepな情報が記載されてあった。
 その詳細については次回に続くという事で。では、話に戻ります。
「ありがとうございます」
「あの、ルリ子さんはメイドさんじゃないですか?」
「メイドですよ」
「じゃあ、これを調べたのはルリ子さんではなく別の誰かが調べたって事ですか」
 そう一人納得する燐に「違いますよ。私が調べ上げたんです。ご主人様達を駆使して」とルリ子は答えた。
「ご主人様達ですか」
 燐はそれ以上、深く聞かなかった。というより、それより先を知らない方が良いそう思ったのだ。
「じゃあ、悪いんだけど。秋葉原限定で良いからこの男の子、調べてくれない?」
 長四郎は日向の写真データをルリ子のスマホに転送する。
「かしこまりました。ご主人様♡」
「そんじゃあ、頂きます!」
 長四郎は馬鹿と書かれたオムライスを食べるのだった。
 そうこうして、オムライスを食べ終えた長四郎はメイド喫茶を後にした。
「それで、これからどうするの?」店を出てすぐ燐がこれからの捜査方針について尋ねる。
「考えてない」
「ちょっと、しっかりしてよ」
「嫌だ」
 そう答える長四郎の元に一川警部から連絡が来た。
「もしっもしっ」と長四郎が歌いながら電話に出ると「亀よ。亀さんよぉ~」という一川警部の歌声が受話器から聞こえてきた。
「一川さん、何か掴めましたか?」
「まぁねぇ~」
「こっちも調べて分かったことがあるんで。どこで話しますか?」
「じゃあ、喫茶カラフルで落ち合おうか」
「了解。ラモちゃんももれなく付いてきますけど。ご容赦ください」
「はぁ~い」
 そこで通話を終了した長四郎は燐に告げた。
「という事になりましたので、行きましょうか」
「あーはいはい」
 燐は不満ありありな顔で、長四郎に付いて行くのだった。
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