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第拾捌話-美味
美味-4
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燐の受けた長四郎は、事件現場のパーティー会場をウロウロしながら並べられた食べ物の品々を調べる。
「ラモちゃん、空岡さんと谷原雄一はどの料理で揉めていたんだっけ?」
「刺身よ。刺身」
「刺身? 何を揉める要素があるの? 鮮度かそれとも具材切り方か」
「違う。違う。谷原雄一が外国人は生魚を食べる習慣がないからうんぬんかんぬん言ってさ」
「うんぬんかんぬん、か。それで食いついたのが、空岡さんと言うわけか」
長四郎はそう言いながら、刺身を食べる。
「あ、長さん!」
現場保存の観点から止めようとする絢巡査長を「良いと。良いと」と一川警部が許可する。
「普通においしいけどな。この刺身」
「でしょ」
「でも、この刺身コーナーには外国人の出席者はほとんど居なかったって事か」
「どうして、分かるんですか?」
「谷原雄一はこのコーナーに居ない外国人に向けて、嫌味を言うようで実のところ「皆、食べてぇ~」って言いたかったんじゃない?」
「そうなんですか?」絢巡査長はその推理に疑念を抱く。
「そんな事はどうでも良いんです。ねぇ、犯人は誰か分かった?」
「分かる訳ねぇよ。被害者って、何を食べてあのような事に?」
「えーっと、フィッシュスープって言う料理やね」長四郎の質問に答える一川警部。
「フィッシュスープ。それって、小分けにしてあったんですか?」
「いや、寸胴の鍋で暖めとったみたいよ。あの通り」
一川警部が指す方向に、フィッシュスープコーナーがあり確かに寸胴鍋が置いてあった。
「あ、ホントですね。それで、谷原雄一が食したムニエルからは毒物は出たんですか?」
「それはまだ。分析にはかけていますので、時期に結果報告が来るかと」
「OK.一応だけど、全部の料理を分析しているんだよね」
「勿論です」絢巡査長は胸を張って答える。
「長さん、この料理を作った人に話、聞いてみる?」一川警部の問いかけに「ここにある料理全てを作った人が居るんですか?」と逆質問をした。
「まぁ、総指揮をした人物やけど。どげんする?」
「会います」
こうして、料理人達を総指揮する人物と会う事となった。
「こちらが、今回の料理の総指揮を取られていた板前 拓哉さんです」
絢巡査長が紹介すると「板前です。宜しく」コック帽を脱ぎながら板前は挨拶する。
「早速ですが、今回の事件は毒物を凶器とした殺人事件です。居ないとお答えになるかもしれませんが、今回の料理を作った料理人の中に犯人になりえそうな人物は居ますか?」
「居ませんよ」
「ですよね。では、次の質問を。被害者の瞳さんとご面識は?」
「ありませんよ。でも、他のシェフ達には知り合いが居るかもしれませんが」
「そうですよね。絢ちゃん」
長四郎は絢巡査長に耳打ちし指示を出すと、絢巡査長はすぐ様実行に移した。
「どうも、ありがとうございました」板前に礼を言った長四郎は聞き込みを終了した。
事件現場に戻った長四郎は一川警部に「途中で帰った来客が居るかもしれないので、調べてもらえますか?」そう頼むとOKサインをした一川警部は確認に向かった。
「板前・・・・・・板前・・・・・・」
燐は顎に手を当て何か考えこんでいた。
「ラモちゃん、何か気になることでも?」長四郎がそう尋ねた時、「あ!!」と何かを思い出した。
「何々?」
「あの人、イタタクだ!!」
「ラモちゃん、空岡さんと谷原雄一はどの料理で揉めていたんだっけ?」
「刺身よ。刺身」
「刺身? 何を揉める要素があるの? 鮮度かそれとも具材切り方か」
「違う。違う。谷原雄一が外国人は生魚を食べる習慣がないからうんぬんかんぬん言ってさ」
「うんぬんかんぬん、か。それで食いついたのが、空岡さんと言うわけか」
長四郎はそう言いながら、刺身を食べる。
「あ、長さん!」
現場保存の観点から止めようとする絢巡査長を「良いと。良いと」と一川警部が許可する。
「普通においしいけどな。この刺身」
「でしょ」
「でも、この刺身コーナーには外国人の出席者はほとんど居なかったって事か」
「どうして、分かるんですか?」
「谷原雄一はこのコーナーに居ない外国人に向けて、嫌味を言うようで実のところ「皆、食べてぇ~」って言いたかったんじゃない?」
「そうなんですか?」絢巡査長はその推理に疑念を抱く。
「そんな事はどうでも良いんです。ねぇ、犯人は誰か分かった?」
「分かる訳ねぇよ。被害者って、何を食べてあのような事に?」
「えーっと、フィッシュスープって言う料理やね」長四郎の質問に答える一川警部。
「フィッシュスープ。それって、小分けにしてあったんですか?」
「いや、寸胴の鍋で暖めとったみたいよ。あの通り」
一川警部が指す方向に、フィッシュスープコーナーがあり確かに寸胴鍋が置いてあった。
「あ、ホントですね。それで、谷原雄一が食したムニエルからは毒物は出たんですか?」
「それはまだ。分析にはかけていますので、時期に結果報告が来るかと」
「OK.一応だけど、全部の料理を分析しているんだよね」
「勿論です」絢巡査長は胸を張って答える。
「長さん、この料理を作った人に話、聞いてみる?」一川警部の問いかけに「ここにある料理全てを作った人が居るんですか?」と逆質問をした。
「まぁ、総指揮をした人物やけど。どげんする?」
「会います」
こうして、料理人達を総指揮する人物と会う事となった。
「こちらが、今回の料理の総指揮を取られていた板前 拓哉さんです」
絢巡査長が紹介すると「板前です。宜しく」コック帽を脱ぎながら板前は挨拶する。
「早速ですが、今回の事件は毒物を凶器とした殺人事件です。居ないとお答えになるかもしれませんが、今回の料理を作った料理人の中に犯人になりえそうな人物は居ますか?」
「居ませんよ」
「ですよね。では、次の質問を。被害者の瞳さんとご面識は?」
「ありませんよ。でも、他のシェフ達には知り合いが居るかもしれませんが」
「そうですよね。絢ちゃん」
長四郎は絢巡査長に耳打ちし指示を出すと、絢巡査長はすぐ様実行に移した。
「どうも、ありがとうございました」板前に礼を言った長四郎は聞き込みを終了した。
事件現場に戻った長四郎は一川警部に「途中で帰った来客が居るかもしれないので、調べてもらえますか?」そう頼むとOKサインをした一川警部は確認に向かった。
「板前・・・・・・板前・・・・・・」
燐は顎に手を当て何か考えこんでいた。
「ラモちゃん、何か気になることでも?」長四郎がそう尋ねた時、「あ!!」と何かを思い出した。
「何々?」
「あの人、イタタクだ!!」
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