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第弐拾話-展示

展示-23

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 亀津が館長の坂本を殺害するに至ったのか。
 それは、3ヶ月前に話は遡る。
 いつも通り、博物館へ来た亀津は日本刀の展示コーナーへと見学しに来たのだが、そこであることに気づいた。
 展示物の刀が模造刀に変わっていることに。
 当然、職員にその事実を報告したのだが、取り合ってくれなかった。
 まるで、触れられたくないような感じの扱いであった。
 そんな中、1人だけ亀津の言うことに向き合ってくれるものが居た。それが、佃みのりであった。
 みのりは親身になって亀津の話を聞き入れると共に、博物館の展示品が模造品にすり替えられているのか調査を始めた。その結論は、すぐに出た。
 博物館の展示品の4割が、模造品へとすり替えられていた。
 当然、この事を同僚や上司に報告したのだが、相手にされなかった。
 そんな話を聞かされた亀津は怒りに震えた。
 告発も考えたのだが、坂本はマスコミとも太いパイプがある為、握り潰されるかもしれない。
 みのりが苦悩していると、亀津から提案を受けた。
「倉庫に保管されている刀を見せて欲しい」と。
 そして、みのりは亀津を倉庫へ案内した。
 そこで、亀津は保管されている日本刀を見始め、花虎に目を付けた。
 亀津はみのりに坂本殺害計画を打ち明けた。
 坂本が帰宅の際に襲撃する計画を。
 みのりはその計画を却下し、防犯カメラに細工をして被害者をおびき出したところを殺害する計画を提案した。
 亀津はその計画に乗ることにした。みのりが事件当夜、坂本を呼び出し油断している所を亀津が坂本を切り殺す段取りになった。
 こうして、計画は実行されたのだ。
「というのが、2人から聞き出した供述です」
 絢巡査長から説明を受ける長四郎と燐。
「そうだったんですか」燐はそう言ってコーヒーを飲む。
 納得する燐に対して、長四郎は腑に落ちない顔をしていた。
「長さん、気になりますか?」
「そう言う絢ちゃんも気になるでしょ」
「はい」
 そんな2人の会話を聞いていた燐は理解できずにいた。
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