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第弐拾壱話-海外

海外-10

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 ミシェルは長四郎達を送った後、デモンと合流し、例の組織に襲われた事を報告していた。
「ミシェル。全く君は・・・・・・」
 デモンはハイウェイでのカーチェイス&銃撃戦に呆れ返っていた。
「身を守るためよ。それに長四郎達だっていた訳だし」
「ま、日本からの来客があってやった事だ。ここは目を瞑っておくよ」
「ありがとう。それより、どうして組織が私達の事に気づいたと思う?」
「そこなんだ。ミシェル。あいつらの情報能力は僕たちが思っていた以上だ」デモンは苦い顔をする。
「そうね」
「で、これからどうするんだ? ハイウェイの時みたいにド派手に暴れられたら、僕だって庇いきれない」
「別に庇ってもらう必要はないし、頼んでない」
「そうか。よく分かった。良いか? 絶対に無茶するんじゃないぞ」
「分かってる。そっちでも何か分かったら連絡して」
 ミシェルのその言葉にデモンは黙って頷いた。
 デモンと別れたミシェルは、いつも頼りにしている情報屋の元へと向かった。
 情報屋の住処は、サンフランシスコ郊外にある住宅街のクリスマス飾りが一際目立つ家であった。
 その家の前に車を停車させたミシェルは、付近を見回し尾行されていないかを確認して家のインターホンを鳴らす。
「入ってくれ」インターホンからその一言だけが返ってきたので、言葉に従い家に入る。
 玄関にはデカいサンタクロースの人形が置いてあり、少し驚くミシェル。
「お前さんが追っているのは、JUNに麻薬を入れてばら撒いている組織だろ?」
 そう言いながら、リビングから巨漢の大男が姿を現した。
「どうして、分かったの?」
「アマンダの事は、残念だった・・・・・・」
「アマンダを知っているの?」
「ああ」とだけ返事をし、下唇を噛む情報屋。
 アマンダが殺されたことにショックを受け、自責の念を感じているのをミシェルは察した。
「その様子だと、アマンダが持っていた顧客リストはあなたから得た物みたいね」
「そうだ」
「彼女はどうやって、貴方に接触を?」
「君の友人だろ? ツテを頼ったんだろ。一ヶ月前に突然う、家を訪ねてきてな。ミシェルの知り合いだって言うから、同じバウンティーハンターの類の人間かなと思って、協力したんだ」
「そうだったの・・・・・」
「ここじゃなんだ。入ってくれ。俺が手に入れた情報全てをお前に託す」
 覚悟の籠った目をした情報屋を見て、ミシェルは気合を入れるのだった。
 その夜、ミシェルは一人、とあるバーの前で張り込んでいた。
 今晩、張り込んでいるバーに組織の人間が姿を現すとの情報を得て一人こうして張り込んでいた。
 日付が変わり、12月24日のクリスマスイブになった。
 カップル連れがバーから次々と出ていき、ピー(モザイク音)な事をしに行くのだろう。
 ミシェルは組織の人間が訪れない事に、苛立ちを見せていた。
 すると、バーから見慣れた日本人の男性寂しそうに肩を落としてながら出てきた。
「え? どうして、あいつがここに?」
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