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第弐拾壱話-海外

海外-9

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 残りの二台の車は、思わぬ反撃に合うとは思っておらず慌てて逃げ出した。
「逃げていった・・・・・・・ 追わないと!!」
「燐、もう遅いわ。それに奴らのナンバーは記憶した。さ、このまま空港に行くわよ」
 ミシェルはサンフランシスコ国際空港に向けて車を走らせるのだった。
「さ、着いたわ」
 一般車向けの空港乗場に車をつける。
 長四郎はいの一番に車から降りると、トランクを開けて自身の荷物と燐の荷物を降ろす。
「じゃ、俺達は帰るから。デモンに宜しく」
「ええ、デモンに伝えてとくわ。気を付けて帰ってね」
「ああ、ありがとう」
 長四郎はミシェルと硬い握手を交わすと空港に入っていく。
「ミシェルさん、あの・・・・・・・」
「燐。飛行機に乗り遅れるわよ」
 燐が何を言いたいのかを察しているミシェルはそれを言わせまいと、長四郎の後を追うように促す。
「ミシェルさん。また」
 燐は肩を落としながら、空港に入って行く。
「よしっ、私も仕事に戻るか」
 ミシェルは車に乗り込み走り出させる。
「行ったか?」
「うん、行った」
 ミシェルの車が走り出したのを確認する長四郎と燐は、空港を出てタクシー乗り場へと移動した。
 すぐにタクシーに乗り込むと、燐がタクシー運転手に行き先を伝えタクシーは走り出した。
「天邪鬼のあんたの事だから、こうすると思ってた」
「天邪鬼って。俺はねぇ、組織に俺達が帰ったという認識を持たせる事が大事なの。さすれば、この銃社会でも危険を伴わず調査できるだろ?」
「物は言いようね。で、これからどうするの?」
「うむ。ミシェルとデモンに俺達が居ることを悟られぬように調査しなきゃならない」
「なんか、裏切者がいるみたいな言い方だね」
「そうだな」
 長四郎は腕を組みながら窓の向こうで事故処理を行う組織の車を眺めるのだった。
 アマンダのマンション付近でタクシーを停めた下車し、付近の調査を開始する。
 二人は事件当日のリイルの足取りを追う事にした。
「これによると、リイルさんはこのコンビニに立ち寄ったらしい」
 燐はミシェルから貰った捜査資料を読みながら長四郎に伝える。
「あ、そう」長四郎はから返事をしながら、コンビニに入る。
「防犯カメラ映像に映ってないの?」
 店に入ってすぐに長四郎は防犯カメラを見ながら、捜査資料を読む燐に質問する。
「うん。なんか、奇跡的に顔が映っていないんだって」
「奇跡的にか。まぁ、良いや。ここで何を買ったの?」
「何も購入していない。ATMも利用していない」
「ふ~む」
 人差し指で顎をトントンと叩きながら、長四郎は思案する。
「他に立ち寄った所は?」
「無い」の一言で片付ける燐。
「じゃあ、次は・・・・・・・」時計を見た長四郎は「昼飯だ」と言うのだった。
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