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第弐拾弐話-結社

結社-6

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 警視庁本部の大会議室では、アメリカから進出してきた麻薬販売組織についての会議が開かれていた。
 勿論、一川警部、絢巡査長も出席していた。今回の会議に出席しているのは警視庁の人間だけではなく警察庁の人間も出席する一大事事案であることが伺えた。
「では、揃ったようなので始めさせて頂く」
 そう口を開いたのは、警察庁所属の蕨 徹わらび とおる管理官であった。
「奴らは、柔軟剤に麻薬を仕込んで売り捌いているんだろう?」
 村内むらうち刑事部長が苦々しい顔で話す。
「FBIからはそういう報告を受けています。JUNという柔軟剤の容器に麻薬を詰めてホライゾンの配送ルートで送りつけているそうです」
 絢巡査長が会議に参加している全員に報告する。
「面倒な奴らが日本へと進出してくるとは・・・・・・」
 厄介だと言わんばかりの顔で言うのは、今回の件で新設された組織犯罪対策室室長の室井 卓むろい すぐるであった。
「室井室長。それで、何か対策は講じているのか?」蕨管理官が質問する。
「現時点で、麻薬が販売された形跡はありません。ホライゾンの日本本部にも捜査協力は要請しています」
「そうか。命捜班の方は?」
「はい。実は、室井さんの所が追っていた難波塚児が何者かに殺害されました」
 淡々と報告する一川警部に「何をやっとるんだ! 組織に繋がる人間をみすみす殺されるとは」と村内刑事部長が悪態をつく。
「そげんこと言われても。ねぇ」
 隣に座る絢巡査長に理解を求めると「そ、そうですね」と困り顔で反応する絢巡査長。
「やっぱり、麻薬組織が関与しているのか?」蕨管理官の質問に「現在、捜査中ですので何か分かり次第、報告します」と室井室長が答える。
「こんなに雁首揃えて、収穫なしとは。情けない!」
 村内刑事部長がドンっと机を叩き、悔しがる。
「村内さん。そんなに怒っても仕方がない。今日はここまでにしましょう」
 蕨管理官のその言葉で会議は終了した。
「結局、意味のない会議でしたね」
 命捜班に戻る途中の廊下で絢巡査長が疲れた様子で話し始めた。
「そうやね、。でも、あんなもんよ。あたしらだって、こん話聞いたのつい最近やけん。仕方ないばい」
「そういうもんでしょうかね?」
「そういうもんばい」
「ふーん」
 少ししっくりこないまま命捜班のドアを開けると、長四郎と燐がコーヒーを飲みながらくつろいでいた。
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