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第弐拾参話-会長
会長-14
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「ふわぁ~あ」
長四郎は大欠伸をしながら、事務所でソファーに座り吞気にテレビを見ている。
その隣に座る燐は、何もしない長四郎を終始睨み続ける。
「俺のこと、睨んでて楽しい?」
「睨んでないし、あんたが動き出すのを待っているの」
「待つ? なんで?」
「私はあんたの助手だから」
「じゃあ、助手ちゃん。コーヒーを持ってきて」
「はい、分かりました。先生」
笑顔で燐は答えながら、長四郎の足の甲を思いっきり踏みつけてからコーヒーを取りに行く。
それから、三十分が経ちコーヒーを飲み終えた長四郎はソファーから立ち上がる。
「行くのね」燐は立ち上がると「トイレ」と答えた長四郎はトイレに向かって行った。
燐は何もしない長四郎にイライラしながら、トイレから出てくるのを待っていると外からバイクのエンジン音が聞こえてきた。
「まさか!!」
すぐ様、窓を開けて音の正体を確かめると、燐の予想通り長四郎がGTS150に跨りヘルメットを被っている所であった。
「あたしを置いていく気か!!!」窓から目一杯叫ぶ燐に何も答えないまま長四郎はバイクを走り出させた。
「クッソッ! 逃がしてなるものか」
燐は窓を勢い良く閉め、長四郎の後を追う。
一人行動を開始した長四郎が向かった先は、変駄世高校。
目的は、付都と一年前の事件に事故死した栗手との関係を調べるためだ。
来客用の駐車場にバイクを止めて、職員室へと向かう。
「失礼しまぁ~す」
長四郎はドアをノックしながら、職員室へと入ると入口すぐ近くに座っていた教師が「何の用でしょうか?」と用件を聞いてきた。
「あの野古君の事件について、二、三お聞きしたい事がありまして」
「はぁ。でも、付都先生や水野先生も居ませんけど」
「いえいえ、他の先生方からもお話が聞きたいと思いましてね」
「でも、事件が起きた時に刑事さんにお話しましたけど」
「申し訳ありません。野古君じゃなくて一年前に亡くなった栗手君についてでした」
「何故、一年前の事件について?」
「まぁ、それは事件解決の為に必要な事なのでご協力頂けたら」
「分かりました」
取り敢えず、長四郎の渋々納得した教師は校長に許可を取りに行った。
その間、長四郎は付都が使っている机の上を観察し始める。
綺麗に整頓された机で、几帳面な性格が伺えた。他の教師にバレないようにそぉ~っと机の引き出しを開けて中身を確認する。
引き出しは三段の構成の物で一段目は筆記用具が入っており、二段目は生徒会用の資料が入っていた。
年度毎に分けられたファイルで、長四郎はすかさず昨年度のファイルを手に取り読み始める。
そのファイルは、生徒会の運営費の収支報告書であった。Excelで綺麗に纏められた収支報告書で作成者は事故死した栗手だった。
収支内容に特に不自然な所はなく、健全な収支であった。
「この感じだと、裏帳簿はなさそうだな」
長四郎がページをめくると、一枚の写真が床に落ちた。
「うん?」
サッと写真を拾い上げると、そこには仲睦まじく腕を組んだ栗手と付都のツーショット写真だった。長四郎は何食わぬ顔でジャケットの内ポケットにその写真をしまうとファイルも引き出しに戻す。
「あの、刑事さん。校長がお話したいと言っているんですけど」
応対していた教師が長四郎にそう告げてきたので、「分かりました」とだけ答え、校長室へ案内されながら、栗手と付都の関係をどう聞き出そうか考えていた。
長四郎は大欠伸をしながら、事務所でソファーに座り吞気にテレビを見ている。
その隣に座る燐は、何もしない長四郎を終始睨み続ける。
「俺のこと、睨んでて楽しい?」
「睨んでないし、あんたが動き出すのを待っているの」
「待つ? なんで?」
「私はあんたの助手だから」
「じゃあ、助手ちゃん。コーヒーを持ってきて」
「はい、分かりました。先生」
笑顔で燐は答えながら、長四郎の足の甲を思いっきり踏みつけてからコーヒーを取りに行く。
それから、三十分が経ちコーヒーを飲み終えた長四郎はソファーから立ち上がる。
「行くのね」燐は立ち上がると「トイレ」と答えた長四郎はトイレに向かって行った。
燐は何もしない長四郎にイライラしながら、トイレから出てくるのを待っていると外からバイクのエンジン音が聞こえてきた。
「まさか!!」
すぐ様、窓を開けて音の正体を確かめると、燐の予想通り長四郎がGTS150に跨りヘルメットを被っている所であった。
「あたしを置いていく気か!!!」窓から目一杯叫ぶ燐に何も答えないまま長四郎はバイクを走り出させた。
「クッソッ! 逃がしてなるものか」
燐は窓を勢い良く閉め、長四郎の後を追う。
一人行動を開始した長四郎が向かった先は、変駄世高校。
目的は、付都と一年前の事件に事故死した栗手との関係を調べるためだ。
来客用の駐車場にバイクを止めて、職員室へと向かう。
「失礼しまぁ~す」
長四郎はドアをノックしながら、職員室へと入ると入口すぐ近くに座っていた教師が「何の用でしょうか?」と用件を聞いてきた。
「あの野古君の事件について、二、三お聞きしたい事がありまして」
「はぁ。でも、付都先生や水野先生も居ませんけど」
「いえいえ、他の先生方からもお話が聞きたいと思いましてね」
「でも、事件が起きた時に刑事さんにお話しましたけど」
「申し訳ありません。野古君じゃなくて一年前に亡くなった栗手君についてでした」
「何故、一年前の事件について?」
「まぁ、それは事件解決の為に必要な事なのでご協力頂けたら」
「分かりました」
取り敢えず、長四郎の渋々納得した教師は校長に許可を取りに行った。
その間、長四郎は付都が使っている机の上を観察し始める。
綺麗に整頓された机で、几帳面な性格が伺えた。他の教師にバレないようにそぉ~っと机の引き出しを開けて中身を確認する。
引き出しは三段の構成の物で一段目は筆記用具が入っており、二段目は生徒会用の資料が入っていた。
年度毎に分けられたファイルで、長四郎はすかさず昨年度のファイルを手に取り読み始める。
そのファイルは、生徒会の運営費の収支報告書であった。Excelで綺麗に纏められた収支報告書で作成者は事故死した栗手だった。
収支内容に特に不自然な所はなく、健全な収支であった。
「この感じだと、裏帳簿はなさそうだな」
長四郎がページをめくると、一枚の写真が床に落ちた。
「うん?」
サッと写真を拾い上げると、そこには仲睦まじく腕を組んだ栗手と付都のツーショット写真だった。長四郎は何食わぬ顔でジャケットの内ポケットにその写真をしまうとファイルも引き出しに戻す。
「あの、刑事さん。校長がお話したいと言っているんですけど」
応対していた教師が長四郎にそう告げてきたので、「分かりました」とだけ答え、校長室へ案内されながら、栗手と付都の関係をどう聞き出そうか考えていた。
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