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第弐拾参話-会長

会長-21

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 三日後、生徒会室へと集められた事件関係者達。
「ねぇ、何で私たちが集められているんですか?」
 そう質問したのは、部活会計担当・佐久利 美麻であった。
「それについては、ねぇ?」
 困った顔をした一川警部は絢巡査長に助けを求める。
「いや、私に言われても。取り敢えず、あの変な探偵が来るのを待っていてください。彼から今回の事件の犯人が発表されるので」
「何それ。めっちゃウケるんですけど。警察が言うことじゃなくない?」
「おい、茶化すのは止めろよ」と美麻を注意する本部会計担当・取琉碁 勝も肩を揺らし笑いを堪えていた。
 その光景を見て絢巡査長は少しイラッとしていると、生徒会室の戸が開く。
「いやぁ~ 遅れて申し訳ない。道が混んでたのと後ろに重い荷物を乗っけてたもので中々、スピードが出なかったものでね」
 生徒会室に入ってきた長四郎がそう釈明していると、「重くて悪かったな!!」と後ろに立つ燐に思いっきり尻に膝蹴りを浴びせられる。
 悶絶する長四郎に栗手が「探偵さん。早く犯人を教えてください」と言う。
「うん、犯人は君だよ。栗手君」と痛みに耐え涙目の長四郎は、栗手を指差して答えた。
「犯人が分かったので、ここでお開きで良いですね」
 そう言って、部屋を出ようとする蔵寺の前に立ち塞がる燐。
「そうはいかないの。何で、彼が野古君を殺したのか知りたいでしょ?」
「興味ないね」燐から目を逸らして答える蔵寺の視線の先には、教師の水野が居た。
「あ~ 先生に助けても無駄だと思うよ。「俺、知ぃらぁ~ね」でしら切られるだけだから」
 長四郎のその発言に水野も反応を示した。
「探偵さん。聞き捨てならないですね。一体、僕がしらを切る事があるんですか?」
 長四郎はその言葉を待ってましたと言わんばかりの顔で、ニヤッと笑う。
「いやぁ~ あるでしょ。やましい事が」
「本当に心当たりないですよ」
「そげんこつはなかとでしょ」
 一川警部はそう言って、絢巡査長を見て頷くと絢巡査長も頷き返し水野にタブレットを見せつける。
 タブレットに映し出されたのは、一年前の事件調書であった。
「栗手君のお兄さんが、亡くなった時の事件の調書じゃないですか。それが何か」
 水野は慌てふためく様子もなく平然としていた。
「水野先生。一年前に、こう証言されてますよね。栗手君の遺体を発見した時、びしょ濡れで川辺で倒れていたので溺れ死んだそう判断したと」
「ええ、確かそう記憶していますけど」
「でも、第一発見者の証言とは異なるんですよ」
 絢巡査長のその言葉に眉をひそめる水野。
「実は第一発見者の方から、証言が得られましてね。死体を発見した時、死体は不自然に濡れていた。と」
「そんな証言当てになるんですか?」
「結構、当てになりますよ。あなた達が口裏を合わせた証言よりもね。あ、付都先生は違いますよ。付都先生も犯人の一人なので」
 長四郎のさりげない一言に事件関係者達は声を揃えて「え~」と驚きの声を出すのだった。
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