406 / 770
第弐拾参話-会長
会長-20
しおりを挟む
「確かにこれだけじゃ、弱いな」
燐が見つけ出した写真を見ながら、長四郎はそう言う。
「でしょ。で、どうするの?」燐にそう問われた長四郎は「ま、考えとくわ」とだけ答えて車から降りる。
「え? どこ行くんですか?」
運転席のドアを開けて絢巡査長は質問するが、片手だけ挙げて何も答えず長四郎は去っていった。
「何なんだろう? ねぇ、ラモちゃん」
絢巡査長は腑に落ちないといった様子で、運転席に腰を下ろしながら燐に話し掛ける。
「多分、あいつ。何かを掴んでるのかも?」
「なんで、分かるの?」
「二十三話分も付き合っていたら、分かりますよ。でも、何を掴んだろう」
燐もそれが分からず、モヤモヤする。
「絢さん。この写真だけじゃ弱いと思うんで、この写真には他にもスマホで撮影している生徒が映っているんでもしかしたら、動画撮影をしている生徒がいるかもしれません。スマホ返すついでに、この付近で撮影していた生徒からスマホをお借りしてきましょう」
「OK!!」
絢巡査長はそう返事をし、車から降りて校舎へと入っていく。
それから、燐と絢巡査長の二人は野古の近くで撮影していた生徒達を見つけ出しスマホを借りることに成功した二人は警視庁へと戻り、写真データを検める。
一方、長四郎は一人バイクを走らせて、ある場所へと向かった。
その場所とは、蔵寺が通う自動車学校であった。
蔵寺は今日、卒検らしく緊張した面持ちで待合スペースで自分が呼ばれるのを待っていた。
長四郎は気づかれないように、教習所のパンフレットを読むふりをしながら蔵寺の行動を監視する。
「では、呼ばれた番号の人は12番教室へと移動してください」
教習所の教官がそう言い、番号を読み上げていき「28番の方」教官が言った瞬間、軽くガッツポーズをする蔵寺を見た長四郎は「おめでとう」と聞こえるか、聞こえないか位の声で祝福するのだった。
それから二十分後、12番教室から出てきた蔵寺に声を掛ける。
「蔵寺君」
いきなり、名前を呼ばれたので身体をビクッとさせる蔵寺はゆっくりと後ろを振り向きながら声を掛けてきた人物を確認する。
「探偵さん」
「免許取得おめでとう」
「まだ、卒検が終えただけですけど」
「いや、取ったも同然だよ。それより、これから時間ある?」
長四郎の質問にスマホで時間を確認した蔵寺は「良いですよ。出来たら手短に」
「分かりました」
長四郎と蔵寺は、教習所の空きスペースで語り合う事となった。
「今日は、僕に何の用ですか?」蔵寺から話を切り出してきた。
「実はさ、野古君を殺害した犯人分かったんだよね」
「そうですか。わざわざ、それを言うためだけにここへ来たんですか?」
「いいや、違う。警告に来たの?」
「警告? ですか」
「うん、そう。警告。犯人の動機はね、一年前のキャンプに参加していた君らへの復讐」
「まさか・・・・・・」
「いや、そのまさかなんだよ。だから、野古君は殺された。恐らく、一年前に死んだ栗手君を殺害した張本人なんだろうな。それで、真っ先に殺された。だから、君にも用心しておくように忠告しに来ただけ。じゃ」長四郎は手を挙げてその場から去ろうとするが一度、立ち止まると「あ、水野先生にもこの事、伝えといてね」長四郎はそれだけ告げてバイクに跨ると教習所を後にした。
燐が見つけ出した写真を見ながら、長四郎はそう言う。
「でしょ。で、どうするの?」燐にそう問われた長四郎は「ま、考えとくわ」とだけ答えて車から降りる。
「え? どこ行くんですか?」
運転席のドアを開けて絢巡査長は質問するが、片手だけ挙げて何も答えず長四郎は去っていった。
「何なんだろう? ねぇ、ラモちゃん」
絢巡査長は腑に落ちないといった様子で、運転席に腰を下ろしながら燐に話し掛ける。
「多分、あいつ。何かを掴んでるのかも?」
「なんで、分かるの?」
「二十三話分も付き合っていたら、分かりますよ。でも、何を掴んだろう」
燐もそれが分からず、モヤモヤする。
「絢さん。この写真だけじゃ弱いと思うんで、この写真には他にもスマホで撮影している生徒が映っているんでもしかしたら、動画撮影をしている生徒がいるかもしれません。スマホ返すついでに、この付近で撮影していた生徒からスマホをお借りしてきましょう」
「OK!!」
絢巡査長はそう返事をし、車から降りて校舎へと入っていく。
それから、燐と絢巡査長の二人は野古の近くで撮影していた生徒達を見つけ出しスマホを借りることに成功した二人は警視庁へと戻り、写真データを検める。
一方、長四郎は一人バイクを走らせて、ある場所へと向かった。
その場所とは、蔵寺が通う自動車学校であった。
蔵寺は今日、卒検らしく緊張した面持ちで待合スペースで自分が呼ばれるのを待っていた。
長四郎は気づかれないように、教習所のパンフレットを読むふりをしながら蔵寺の行動を監視する。
「では、呼ばれた番号の人は12番教室へと移動してください」
教習所の教官がそう言い、番号を読み上げていき「28番の方」教官が言った瞬間、軽くガッツポーズをする蔵寺を見た長四郎は「おめでとう」と聞こえるか、聞こえないか位の声で祝福するのだった。
それから二十分後、12番教室から出てきた蔵寺に声を掛ける。
「蔵寺君」
いきなり、名前を呼ばれたので身体をビクッとさせる蔵寺はゆっくりと後ろを振り向きながら声を掛けてきた人物を確認する。
「探偵さん」
「免許取得おめでとう」
「まだ、卒検が終えただけですけど」
「いや、取ったも同然だよ。それより、これから時間ある?」
長四郎の質問にスマホで時間を確認した蔵寺は「良いですよ。出来たら手短に」
「分かりました」
長四郎と蔵寺は、教習所の空きスペースで語り合う事となった。
「今日は、僕に何の用ですか?」蔵寺から話を切り出してきた。
「実はさ、野古君を殺害した犯人分かったんだよね」
「そうですか。わざわざ、それを言うためだけにここへ来たんですか?」
「いいや、違う。警告に来たの?」
「警告? ですか」
「うん、そう。警告。犯人の動機はね、一年前のキャンプに参加していた君らへの復讐」
「まさか・・・・・・」
「いや、そのまさかなんだよ。だから、野古君は殺された。恐らく、一年前に死んだ栗手君を殺害した張本人なんだろうな。それで、真っ先に殺された。だから、君にも用心しておくように忠告しに来ただけ。じゃ」長四郎は手を挙げてその場から去ろうとするが一度、立ち止まると「あ、水野先生にもこの事、伝えといてね」長四郎はそれだけ告げてバイクに跨ると教習所を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』
本能寺から始める常陸之介寛浩
青春
「大好きなはずなのに……! 兄の『推し活』が止まらない!?」
かつて、私は信じていた。
優しくて、頼もしくて、ちょっと恥ずかしがり屋な──
そんな普通のお兄ちゃんを。
でも──
中学卒業の春、
帰ってきた幼馴染みの“オタク姫”に染められて、
私のお兄ちゃんは**「推し活命」**な存在になってしまった!
家では「戦利品だー!」と絶叫し、
年末には「聖戦(コミケ)」に旅立ち、
さらには幼馴染みと「同人誌合宿」まで!?
……ちがう。
こんなの、私の知ってるお兄ちゃんじゃない!
たとえ、世界中がオタクを称えたって、
私は、絶対に──
お兄ちゃんを“元に戻して”みせる!
これは、
ブラコン妹と
中二病オタク姫が、
一人の「兄」をめぐって
全力でぶつかり合う、果てしなき戦いの物語──!
そしていつしか、
誰も予想できなかった
本当の「大好き」のカタチを探す、
壮大な青春ストーリーへと変わっていく──。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる